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2023年9月11日(月)04:25 ニューオープン

「まさにこれが "男の勲章" 。業界の裏話を聞きたければ『ささや香』に行け」 元DDの河内氏が出会い系バーを開業。

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取材・執筆 : 小山裕史 2023年9月10日

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河内哲也氏(TIME SHOWER PLANNING:代表)

ダイヤモンドダイニング100店舗100業態の立役者であり"DD6人衆"のひとり、河内哲也氏(TIME SHOWER PLANNING:代表)が、9月4日(月)、新橋・新橋駅前ビル1号館の地下1階に自身初となる飲食店を開業した。

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河内氏は1967年生まれ。司法書士を目指し司法書士事務所で働いていたが、外食リテラシーが高い家庭で育ったため、外食への興味や関心は人一倍強かった。また、バブル期の後半を経験。デザイナーズレストランやクラブ、ディスコなどに刺激を受けたこともあり、司法書士事務所を退職、外食業界に携わる店舗設計・施工会社に転職した。

その後、レインズインターナショナルを経て、ダイヤモンドダイニングに入社した。ダイヤモンドダイニングでは子会社も含め100店舗以上の開発に携わり、同社の物件・業態開発では必要不可欠な存在となり、河内氏の名は業界に広く知れ渡った。

2020年12月末、約16年間務めたダイヤモンドダイニングを卒業、翌年の1月にTIME SHOWER PLANNINGを設立。プランナーとして、物件・業態開発、設計施工の監修からグラフィックデザインなど、幅広いジャンルで外食企業の支援を行っている。

プランナーとして黒子的な存在で活躍している河内氏がプランナー業務の傍ら、飲食店を開業、河内氏自らカウンターに立った。

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笑顔で出迎えてくれる河内氏

TIME SHOWER PLANNING待望のファースト作品の舞台となったのが、新橋駅前ビル1号館の地下1階飲食店フロア。フロアのメイン通りから1本入った一画にあるのが「立ち呑み ささや香」である。昭和ノスタルジーを感じさせる裏通り、目印は店頭に飾ってあるアロハシャツと麦わら帽子。ボヘミアンたちのたまり場のような佇まいである(笑)。

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表通りのとは打って変わって、ほとんど人通りが無い

「立ち呑み ささや香」。作品のコンセプトは『ビスナック』。ビストロ×スナックの造語であり、新機軸のコンセプトである。

グランドオープンは9月4日(月)であるが、実は8月からシークレット営業をスタートさせていた。シークレット営業については一部の人にしか告知していなかったため、お店の存在はあまり知られていなかった。

3~4坪程度の店内はカウンターのみ。「立ち呑み」と謳っているが、折り畳み椅子も完備しているので、椅子を並べれば10席のカウンターにもなる。椅子に座るのも良いが河内氏と同じ目線で会話を楽しめ、尚且つ、ノスタルジックな異空間の景色をリアルに眺められる立ち呑みスタイルの方がお薦めである。

注目したいのが、壁に貼られている河内氏直筆のコピーやハンドメイドのアートピクチャーである。

「推しのあの子はこう言った!!」、「生より缶が好きなの!!」、「「世界中のタレよりきっと......」優しい気持ちになります」など、見た瞬間、思わず脳内にシーンが浮かび上がってくるようなコピーを眺めているだけでも酒のアテになる。

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河内氏直筆のコピー

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アートピクチャーは邦画、洋画、アニメなどからチョイスした食事のシーンで揃えられている

掲示されている「生より缶が好きなの!!」のコピーの通り、ささや香のビールは缶ビール(全て500円)をドブ漬けスタイルで提供している。その名も「缶ビール どぶ漬け、ザ・ワールド」。缶ビールの銘柄も「忖度なしの日替り缶ビールセレクト!」のコピーの通り、日によって銘柄が異なるが、ドブ漬けのスチールバケツにはスーパードライのロゴが貼られている。スーパードライ推しなのか・・・?

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ビールはセルフサービス

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缶ハイボールなども冷えている

ハウスのハイボール(500円)は、「ブラックニッカ」&「いいちこ」のどちらかをチョイス。キンミヤではなく、敢えて"いいちこ"を使っているところが昭和臭を演出している。また、同ビルにはママがカウンターに立つスナックのようなお店も多数あり、スナックのママさん専用?に、山崎のウィスキーを用意しているところが河内氏らしいワザである(笑)。

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アルコールの量は河内氏次第

料理はフランス ル・クルーゼの鍋を使った河内氏手作りの煮込み料理がウリである。煮込みメニューは日替わりであるが、「牛すじと豚バラの煮込み(300円)」は、必食である。

他にも、刹那的に迷ったら!(河内氏のコピー)、「ツナマヨ カルボラーナ(500円)」や「台湾スパイシースープビーフン(300円)」など、ワンオペにも関わらず一切妥協のない料理の数々である。

システムは、席料・チャージ料は一切なし。支払いは現金のみ、キャッシュオンデリバリーとなっている。当然のことながらワンオペのため、バッシングや提供フォローはもちろんのこと、新規客がくれば混雑状況に応じて退店するなどのマナーは必須である。

「港区の一等地で席料なし、安価で商品を提供しているのでコスパは高いと思います。その為、お客様もご自分でバッシングしたり提供フォローできないリテラシーのない方は入店をお断り、出禁にしています。意外と外食人はそれが出来ない人多いんですよね(笑)」と河内氏は言う。

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ハウスルールは『外食リテラシーの高い方のみ入店可能、無理な方は、即 出禁』

ダイヤモンドダイニングで約16年と長きにわたり活躍、業界内での知名度も高い河内氏がカウンターに立つとなれば、業界関係者が集まり夜な夜な熱く語り合うお店になるのは自然のことでである。もちろん一般のお客様の来店もあるが、連日連夜、お祝いに駆けつける業界関係者で賑わっている。

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お祝いに駆け付けたダイヤモンドダイニングOB

業界人が集まりお酒を酌み交わすとなれば、会話は自然と業界話になる。尚且つ、お酒が進みヒートアップすれば、外食業界の噂話や裏話で盛り上がるのは当然である。「●●って最近どーよ?」、「あの二人、実は仲悪いの知ってた?」など、噂話や裏話が飛び交う。

また、居酒屋のような開放的な空間と違い、少数しか入れない隠れ家のような空間であればうっかり口を滑らせてしまうこともある(笑)。業界の旬なニュースから裏話などが聞けるのも「ささや香」の醍醐味である。筆者もシークレット営業中に2回、グランドオープン後に1回訪問したが、本誌では絶対に書けない裏話をたくさん聞けた(笑)。

噂話で盛り上がっているなか、マスターの河内氏は「見ざる・言わざる・聞かざる」のスタンス、黙々と煮込み料理の火加減を調整していた(笑)。

お互い面識のない外食経営者同士が出会ったり、外食経営者とメーカーが出会ったり、業界関係者同士が久々に出会ったり、はたまた外食業界人と一般のお客様との出会いなど、様々な"出会い"生まれるのもささや香の魅力である。

ところで、新橋駅前ビル1号館の飲食店物件は借りるのが難しいと言われおり、なかにはダマ転で営業しているお店もあると言う。

河内氏に出店の経緯を聞いてみた。

「以前は会員制の小料理屋であり、僕は常連として頻繁に通っていました。ところが小料理屋のママが奥多摩に引越すことになり、そのタイミングで賃貸借契約の更新がありました。ママから物件契約を更新してほしいと言われ、TIME SHOWER PLANNINGとして契約しました。もちろん、家主さんの面談も行い与信もクリア、保証金もお支払いしました。ダマ転じゃないですからね(笑)」

「不動産会社を仲介せず家主さん直の契約のため、仲介手数料、礼金は発生していていません。また、造作も無償で譲ってくれました」

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河内氏の長年培った開発マンとしての交渉力と常連だったご縁もあって「ささや香」が生まれたのである。

河内氏も今年で56歳。年初より体調を崩し、7月には病気を患い入院したと言う。8月シークレット営業していたのは、療養しながらの営業であり、その後の検査で再入院、通院は無し、薬の投薬のみとの結果となり、晴れて9月4日(月)にグランドオープンを迎えたのである。

年齢や時代、流行に逆らわず、おじさん世代でも楽しく働ける外食の出店スタイルを"アップデート"させた。

自らがモニターとなりビスナックをつくりあげた河内氏は、まさに"男の勲章"である。

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河内氏に聞くと、早速、ビスナックをやりたい女性のお客様もいると言う。手持ちの物件のため、上手くいけば来月にはオープンとの事。ひとりでふらっと入ってみよう。

他人同士でもお互い外食業界に携わっていれば、業界話で盛り上がりすぐに意気投合できる。外食業界人が夜な夜な集まる「ささや香」。

外食業界の裏話を聞きたければ「ささや香」に行け!

但し、『外食リテラシーの低い人、入店拒否、出禁』。これ大事ね。

<店舗情報>
「立ち呑み ささや香」
東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F
TEL:03-6303-9102
営業時間:18:00~23:30(月~金)※気分次第で開店、閉店時間は変更
※土曜日は不定休、日曜・祝祭日はビル閉館により休業
現金のみ(キャッシュオンデリバリー)
喫煙可(立地特性、顧客ニーズを優先)
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