やじうま速報
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取材・執筆 : 安田正明 2023年6月9日
焼鳥店などを含む「居酒屋」の倒産は、2023年1~5月までに88件発生。前年から4割増で推移している。23年の居酒屋倒産はコロナ禍直後の20年累計(189件)を上回り、過去最多を更新する可能性が出てきた。帝国データバンクが調査。
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23年は、特に零細規模の居酒屋で増加している点が特徴的。資本金が100万円に満たない零細居酒屋の倒産は約半数を占めている。コロナ禍の厳しい経営を支えてきた時短協力金や補償金、雇用調整助成金など手厚い公的支援に支えられた20~22年に比べると大幅に増加し、コロナ前以来の高水準で推移した。コロナ禍以降の本業不振から抜け出せない状況のなかで、頼みの綱だった時短協力金など公的支援が相次いで打ち切られたことで資金繰りに行き詰まり事業継続を断念したケースが、個人経営などの零細居酒屋を中心に水面下で多く発生したようだ。
足元では、行動制限の解除に伴い居酒屋への客足は戻りつつある。一方、「家飲み」といった新しい飲酒スタイルの確立なども背景に、宴会需要などは依然として厳しい局面が続いている。値上げが相次ぐ食料品やアルバイト確保のための人件費、電気代など店舗運営コストも急騰し、「客足の戻りに比べて利益率は良くない」といった声も上がっている。コロナ禍では見えづらかった居酒屋の優勝劣敗が、ポストコロナの局面でさらに進みそうだ。

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