やじうま速報
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取材・執筆 : 加藤一 2020年6月26日
一般社団法人日本フードサービス協会(本部:東京都港区、会長:赤塚 保正)による 協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2020年5月度は、4月に次いで新型コロナウイルスの影響により深刻な事態が続いた。解除後も繁華街立地、夜の時間帯、休日等では客足の戻りは鈍く、外食全体の売上は前年比67.8%と、4月の60.4%よりいくぶん回復したものの大幅な減少となった。
ファーストフード業態では、「洋風」が4月以上にデリバリー・テイクアウト需要が伸び、売上は110.9%と前年を大幅に上回った。「麺類」と「その他」は、引き続き商業施設立地店の休業などが影響し、それぞれ売上50.6%、78.8%となった。「和風」と「持ち帰り米飯・回転寿司」は、テイクアウト需要の下支えと、回転寿司の店内飲食の回復もあり、売上はそれぞれ84.8%、90.0%となった。
ファミリーレストラン業態は、宣言解除後の店内飲食が徐々に回復する中、引き続きテイクアウト、デリバリーの強化も行われ、売上回復に寄与したが、外出自粛や、営業時間短縮による落ち込みをカバーできず、全体売上は50.6%と前年を大幅に下回った。しかし、テイクアウト・デリバリーを強化している「中華」や「洋風」は、4月より売上の減少幅が縮小し、それぞれ74.2%、48.1%。「和風」はシニア層の顧客の戻りが鈍いこと等から、売上40.5%。「焼肉」は休業店舗が徐々に再開し、売上は50.9%にまで戻った。
パブ・居酒屋の飲酒業態は、4月に続き多くの店舗が休業した。テイクアウトやランチ営業を行う店もあったが、それだけでは売上が立たず、また宣言解除後に店を再開しても、外出自粛が続く中、ほとんど集客できない店もあり、「パブ・ビアホール」は売上4.1%、「居酒屋」は11.5%と前月に引き続き壊滅的な状況となった。
ディナーレストランも、新しく取り組んだ高価格帯の弁当が好評で売上を下支えしたところもあったが、4月に続き休業する店舗が多く、売上は28.5%となった。
喫茶業態は、緊急事態宣言下の地域では休業を続ける店舗が多く、宣言解除後もビジネス街立地では再開後の集客が振るわず、売上は33.2%となった。


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