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外食ニュース

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2020年3月26日(木)17:06

米国食肉輸出連合会(USMEF)セミナー開催。日本初上陸「アメリカ・シカゴ発祥のローカルフード」お披露目【PR】

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取材・執筆 : 桐田政隆 2020年3月3日執筆

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会場の「ザプレイスオブトウキョウ」

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セミナーはザプレイスオブトウキョウの披露宴会場で行われた

 米国食肉輸出連合会(USMEF以下略)主催のフードリンクセミナー、「繁盛店を目指す! アメリカン・ビーフ活用術」セミナーが、2月19日(水)、東京・東京タワー隣りの「ザプレイスオブトウキョウ」にて開催された。今回は居酒屋・肉バル・ビアガーデン向けに、「"売れる″価値のつけかたを学ぶ」がテーマだ。

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新メニュー、「イタリアンビーフ」のPOPもお披露目

 米国食肉輸出連合会(USMEF)とは、1976年に米国政府、米国食肉業界により設立された非営利団体で、アメリカン・ビーフとポークの海外市場(米国以外の国)での販売促進・広報・教育活動による需要拡大と、消費者、業界での認知の向上を目的としている。


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セミナーの司会進行を務めた、フードリンクニュースの小山裕史氏

 2020年に入っても、永続的な人気が続く"肉ブーム"。肉市場の激化がすすみ、ますます競合店との差別化が難しくなってきている。昨今は消費者のニーズも多様化し、単にステーキなどの肉メニューを提供するだけでは、生き残りが厳しくなってくる。そんな肉ブームのなかで、次の一歩をつかみ、繁盛につながる秘訣を学べる場として、セミナーが開催された。肉バル、居酒屋、ビアガーデン向けの、"売れる″価値の付け方、アメリカン・ビーフの強みが実感できる構成だ。

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広々とした会場は、ほぼ満席と盛況

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アメリカ・ネブラスカ州副知事のマイク・フォーリー氏

 セミナーにあたって、アメリカン・ビーフ有数の生産地である、ネブラスカ州副知事のマイク・フォーリー氏が来日。セミナーのはじめに挨拶を行った。

 「本日はお忙しいなか、お集まりいただきありがとうございます。知事をはじめ私達、ネブラスカ州は日本のことをとても大事に考えています。ネブラスカ州から日本には、毎年10億ドル以上の輸出額があります。そのなかで一番は牛肉。毎年3億5000万ドル相当の輸出が行われています。何年か前、USMEFジャパンディレクターの山庄司さんと品川駅に向かっている際、アメリカン・ビーフの電子広告を見て、驚きともに喜びがありました。また先日、帝国ホテルで行われたトレードショーでも、アメリカン・ビーフを非常に美しく演出していただいて、州民を代表して感謝を申し上げます。経済的だけでなく、今後も関係性が発展していくことを祈念してやみません。ありがとうございます」(マイク・フォーリー氏)


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USMEFジャパンディレクターの山庄司岳道氏

 挨拶のあとはセミナーのテーマ①、「アメリカン・ビーフ市場動向」について、USMEFジャパンディレクターの山庄司岳道氏が説明を行った。はじめにUSMEFの沿革と目的について。また2020年1月1日に発効された日米貿易協定が、アメリカン・ビーフに与える影響。関税率が年々低くなり、ホルモンや牛肉調整品、ポーションやスライスなど、新しい付加価値商材の登場が期待できる。

 そしてアメリカン・ビーフについての基礎知識を説明。日本に届く過程やおいしさの理由。格付けがあって年々トップグレードのプライムの比率が高まっている。また昨年からのアメリカン・ビーフ輸入制限、月齢撤廃についても解説。月齢30か月以上の牛肉の輸入が可能になった。30か月以上の牛は味が濃く、リーズナブルな利点を紹介した。

 最後に「アンガス牛の特徴は?」、「アメリカン・ビーフは価格が安定しないイメージがあるが、今後については?」という、よく聞かれる質問を取り上げ、「アンガス牛は肉質がキメ細かく、サシが入りやすくて味わいがいい。とくにサーティファイド・アンガス・ビーフはすばらしい」、「価格については、現在の生産量では安定している。影響としては、中国がどれだけ輸入するかが大きい」と話した。

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テーマ②はフードリンクグループの小山氏による、「外食市場『肉バトル』トレンド動向」

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業態のトレンドや注目のメニューを紹介

 続いてテーマ②、フードリンクグループの小山裕史氏による「外食市場『肉バトル』トレンド動向」の解説が行われた。

 まず肉、魚、野菜をキーワードに、2017年からGoogleトレンドの人気傾向を見てみると、肉が圧倒的に人気。ただ人気がある分、飲食業界でも競争が激化し、肉を出していればいいという状況ではなくなってきている。そこで繁盛へ導くキーワードを紹介。注目として「ネーミングステーキ」、「看板肉メニュー」、「肉+旨味食材」、「スパイス肉メニュー」、「グループシェアメニュー」、「肉鍋」、「SNS映え進化系」を挙げた。

 また実際に、各キーワードの注目メニューを全国各地から紹介。ネーミングステーキでは東京・新宿「CHEESE SQUARE AVANTI 新宿店」の、迫力満点なぶら下がり肉による「バンジーステーキ」。看板肉メニューでは兵庫・三ノ宮「肉バル MEAT'S 三宮店」の、ストップと言うまでステーキが出てくる「牛一頭食べ尽くしコース」。肉鍋では京都・四条「ブリスケ ロニー」の、韓国風焼きしゃぶ「チャドルバギ」などを取り上げ、参加者も高い関心を示していた。

 そしてビアガーデン市場は、アクティビティ化が進んでいる。BBQ、体験型アウトドア、グランピングなどの施設が増え、肉メニューへの消費者の関心が高まっていると解説した。

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米国の畜産学界で高名な、ネブラスカ大学畜産学教授、クリス・カルキンズ氏の講演

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カーキンス教授自ら、ステーキのカッティングの実演も

 テーマ③はネブラスカ大学畜産学教授、クリス・カルキンズ氏による「アメリカン・ビーフ カッティング実演」が行われた。まずカルキンズ教授は、゛Beef State″と呼ばれるネブラスカ州の牛肉産業について説明。

 「高品質な牛肉の生産には、必要なものが5つあります。まず牛が歩き回れる広大な土地。次に適切な牛の品種。そして餌となる品質の高いとうもろこし。とうもろこしを生産するには大量の水が必要となりますが、ネブラスカ州には広大な地下水帯があり、天然資源も豊富です。そしていい餌を与える飼育場、フィードロットが必要です。柔らかい肉質でサシが入るには、飼料が重要です。最後に人々の努力。『最良の牛肉を生産する』という情熱が必要になります」。ネブラスカ州はこれら5つの条件を満たし、優れた牛肉を生産することができるという。フィードロットで大量の餌をとった若牛は、肉質が柔らかく多くのサシが入り、風味、旨味も豊か。現在では他の州も参考にしているという。

 そしてアメリカン・ビーフの代名詞、おいしい部位として知られる肩ロースのカッティングを実演。アメリカではデルモニコステーキ、デンバーステーキとして親しまれているチャックアイロール、チャックアイログの切り方を紹介した。カーキンス教授をはじめ、アメリカではおいしさとともに、歩留まりのいいカッティングが研究されているという。またカッティングの手法については、アメリカン・ビーフTVでも紹介されている。

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サントリーワインインターナショナルの清原翔太郎氏

 続いて試食会に入る前に、サントリーワインインターナショナルの清原翔太郎氏が、「肉専用ワイン」の代表格として人気、「カーニヴォ」の紹介を行った。肉食主義を意味するカーニヴォは、とくに牛肉と相性がよく、肉専用をうたうワインのパイオニア。業務用市場における、1200円以上の商品では売上数量No.1を誇る。カーニヴォはカリフォルニア・ローダイ産のカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルの2種がある。清原氏は、「カベルネソーヴィニヨンは、赤身肉や濃厚なチーズと合う重厚でかたいタイプ。ジンファンデルは濃密で柔らかく、ソースを合わせた肉料理や煮込み料理と相性がよく、マリアージュも楽しめます」と、人気の理由を語った。カーニヴォはその後の試食会で、テイスティングも行われた。

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試食会が行われた「The TERRACE ROOM」

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USMEFシニアマーケティングマネージャー 笠谷 樹氏

 テーマ④の試食会は、USMEFシニアマーケティングマネージャー 笠谷 樹氏が紹介を行った。

 今回は定番のステーキ、ローストビーフのほか、昨年日本に初上陸して人気の「アイダホ フィンガーステーキ」を用意。さらに注目はアメリカ・シカゴ発祥の新メニュー、「イタリアンビーフ」。シカゴへ渡ったイタリア系移民が生んだ料理で、100年以上愛されている伝統料理である。

 「発祥は当時、安く固い肉しか手に入れることができなかったイタリア系移民が、『どうしたらおいしく食べられるか?』と考え、煮込むという手法に辿り着いたもの。表面を焼いたアメリカン・ビーフの塊を香味野菜とじっくり煮込み、柔らかくジューシーに仕上げて、パンにはさんで煮汁をかければ完成。現地では専門店もある人気ぶりです。パンやトッピングを変えたり商品としてもアレンジしやすく、作り置きができてオペレーションが簡単。端材までまるごと使えてロスが減少するなど、非常にメリットの大きいメニューだと考えています。味もとてもおいしく、日本でも専門店ができれば、すぐに人気に火がつくと思いますね」(笠谷氏)

 テーマ③でカーキンス教授が実演した、デルモニコステーキも好評。料理とともに肉専用ワインのカーニヴォも楽しむことができ、今回も大盛況となった。

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試食会の調理はザプレイスオブトウキョウが担当

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振る舞われた料理と、カッティングサンプルも紹介

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期待の新メニュー、「イタリアンビーフ」

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サントリーワインインターナショナルのブースには、カーニヴォに加えて、「ウィリアム ヒル」、「マクマレー」のワインも用意

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左/デルモニコステーキと、右/デンバーステーキ

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ローストビーフとアイダホ フィンガーステーキ

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イタリアンビーフは、たっぷり煮汁をかけたつゆだくがオススメ

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試食会はセミナー参加者、来日した米国の関係者からも好評だった


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