「ツマミクル」というストレートなネーミングで、昨年12月からサービスを開始したのが、「食のショールーム パルズ」（本社：港区六本木）である。1カ月に1回、全国のご当地おつまみが、自宅に届くサブスクリプションサービス。毎月、何が届くかは分からないワクワク感が面白い。

＜関連記事＞

　5年前に西武所沢店内「にっぽん旬彩亭」（埼玉県所沢市・日本酒バー）のバイヤーとなった山崎友香氏が全国の小さな生産者を紹介することで日本の食文化を守る社会貢献型サービスとして立ち上げた通販サイトである。サービス開始から半年が経ち、売れ行きなど山崎氏に話を聞いた。

---「ツマミクル」立ち上げの経緯について教えてください。

山崎　2013年に立ち上げた「食のショールーム・パルズ」の仕事で日本全国の生産者、生産現場を巡って、全国各地で食とお酒を楽しんできました。その後、2016年に、西武所沢店にある「にっぽん旬彩亭　酒BAR（日本酒バーとおつまみ売り場）」の立ち上げから運営に関わることになり、全国のご当地おつまみを紹介、販売してきました。関東では所沢西武でしか買えない全国のご当地おつまみもいくつかあります。

　コロナの時代、家飲み需要が増え、外食がしづらい、旅行に行けない、そんなストレスを抱える旅とお酒が好きな方に喜んでいただきたいと思い、インターネット通販サービス「ツマミクル」を始めました。

　正直、サブスクがブームというのもありますが、ブームになる前から、定期便は検討していました。おつまみをネットショップで購入する時、決められないほどのたくさんの商品があり、価格はもちろん、送料や口コミなどが気になり、結局、自分が好きなものばかり選びがちで冒険ができません。

　日本全国のたくさんのおつまみを通して、地域や文化、生産者さんとの出会いを楽しんでいただきたいという思いを込めて、サブスクにしました。1年間は同じものが届きませんので、（1年後はリクエストの多かった商品など再度、登場する可能性はある）こちらの都合ではありますが、ぜひ1年は続けてほしいと思っています。

---「届くまで中身はお楽しみ」だと、購入者の不安はありませんか？

山崎　「旅先での食との出会い」をテーマに届くまでのワクワク感を楽しんでいただくよう何が届くかわからないスタイルを取っております。お客様それぞれにカスタマイズの対応をしていない分、価格に対するおつまみの充実を図っています。どれも美味しく魅力的なおつまみに自信はありますが、アレルギーやお苦手なものなど、対応をしておらず、それはとても申し訳ないと思っております。

---商品選定のポイントについて教えてください。主に日本酒のアテが多い気がします。

山崎　日本酒はどんなおつまみにも良く合う、オールマイティーなお酒です。日本酒に合うおつまみがもちろん多いですが、実際、ご利用のお客様は、気ままに飲みたいお酒を合わせてらっしゃる方が多いように思います。

　これまで、ツマミクルのオンライン飲み会を2回開催しましたが、ご参加者の皆様はツマミクルのおつまみに合わせ、日本酒、ワイン、ビール、ウイスキー、焼酎、酎ハイと本当に様々なお酒を飲まれていました。また、SNSの投稿を見ても皆さん、いろいろなお酒に合わせて楽しまれているなと感じております。

---現在の会員数について教えてください。

山崎　350人前後になります。

---反響の良かった商品は？

山崎　一見、見た目が地味ですが、味が美味しいというおつまみは反響があります。例えば「大豆しぼり豆」、「クリームチーズの味噌漬け」、「そSOY美EAN」、「野沢菜の醤油漬け」などや、ご当地のおつまみ「ほや卵」、「しらチョビ」、「穴子の骨せんべい」、「うつぼの揚煮」などになります。

　お客様自身に旅行の思い出がある土地のおつまみは「懐かしい、また行きたい」など想われるなど人気の商品です。また、もっとマニアックな商品をという声が多く、検討しているものがいくつかありますが、何が届くかお楽しみなので非公開です（笑）。

　

---ありがとうございました。

　月々、3800円（税・送料込み）で、5〜7品が届く。居酒屋であれば店主からのお勧めなどもあり、変わったおつまみを注文することはあるが、通販サイトの場合はどうしても自分好みのおつまみを選んでしまう傾向がある。山崎氏の話にもあったが、何が届くかが分からなければ、自分好みのおつまみに偏らず冒険できるのが「ツマミクル」の魅力である。これアリだわ。

食のショールーム・パルズ／ツマミクル

山崎友香