やじうま速報
記事への評価
取材・執筆 : 安田正明 2025年1月22日
2024年の倒産件数(負債1000万円以上、法的整理)は894件で、前年(768件)比で16.4%増加。2020年(780件)を上回って過去最多を更新した。帝国データバンクが調査。
<関連記事>

【大倒産時代の到来】
倒産【23年度】、初の900件超えの見込み。コロナだけでなく、物価高・人手不足での倒産が急増中。
アサヒフードクリエイト、負債89億。コロワイドに事業譲渡後、特別清算へ。
負債規模別にみると、「1000万~5000万円未満」が692件(構成比77.4%)で最多となり、「1億~5億円未満」(93件、同10.4%)、「5000万~1億円未満」(92件、同10.3%)が続き、1億円未満の小規模倒産が784件(同87.7%)と9割近くを占めた。一方で、10億円以上の倒産は6件(同0.7%)にとどまった。負債額最大は、ビヤレストラン、ビヤホールを展開していたアサヒフードクリエイト(株)(東京、7月、特別清算)の約89億9726万円。
業態別(11業態)でみると、最も多かったのは居酒屋を主体とする「酒場、ビヤホール」(212件)で、ラーメン店などの「中華料理店、その他の東洋料理店」(158件)、「西洋料理店」(123件)が続いた。これら3業態に加え、「そば・うどん店」(27件)、お好み焼き屋やハンバーガー店が含まれる「その他の一般飲食店」(65件)の5業態で過去最多を更新した。
また「バー、キャバレー、ナイトクラブ」(93件)、「日本料理店」(77件)を加えた7業態で前年を上回る件数となった。特に、「中華料理店、その他の東洋料理店」では、ラーメン店の倒産急増などに伴い、前年(109件)に比べて49件(45.0%)も多く、大幅な増加となった。
物価高は当面続くと考えられるが、大手クラスではコスト削減や価格転嫁により業績が改善したり、地域ニーズに合わせた既存店舗のブランド転換による差別化を図ったりしている企業もある。しかし、大半を占める小規模事業者では、原材料や光熱費など各種コストの上昇や、人手不足による人件費の負担が増える中でも、消費者の節約志向により値上げを躊躇し、収益改善が遅れて厳しい資金繰りが続いているケースが多い。このため、中小クラスを中心に競争力に劣る事業者の倒産や休廃業は高水準で推移するとみられる。



読者の感想
興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0
- 総合評価
-
- 0.0