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取材・執筆 : 安田正明 2024年5月9日
「唐揚げ店」の倒産、2023年は過去最多の27件となった。前年比9倍に急増。帝国データバンクが調査・分析を行った。



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持ち帰りを中心とした「唐揚げ店」経営業者の倒産は、同年に27件発生した。前年の9倍に達し、これまで最多だった21年(6件)を大幅に上回って過去最多を更新した。倒産した唐揚げ店は、オリジナルブランドの唐揚げ店のほか、大手唐揚げチェーンのFC店、本業以外のサブビジネスとして唐揚げ事業に参入した事業者など様々だった。ただ、倒産した事業者の多くが1~2店舗を展開する小規模な経営業者で、水面下の閉店や廃業などを含めれば、より多くの唐揚げ店が市場から退出したとみられる。
23年は、唐揚げビジネスにとって非常に厳しい1年となった。唐揚げの原材料として使用される輸入鶏肉は、鳥インフルエンザの流行で供給量が減少した。また、飼料価格の高騰で牛肉・豚肉価格が上昇し、割安な鶏肉を求める消費国が増えたことも重なり、国内の鶏もも肉卸売価格は5年間で約2割上昇した。調理に必要な食用油も、キャノーラ油では5年間で約7割値上がりし、価格転嫁が難しい小規模店の経営にとって打撃となった。
また、コロナ禍の巣ごもり需要も下火となったほか、物価高で消費者の節約志向が強まり、専門店より3割程度安いコンビニやスーパーなどの総菜品、半額以下の冷凍唐揚げなど、割安な競合製品に顧客が流れたことも響いた。
足元では唐揚げビジネスに代わり、おにぎり店など新たなテイクアウトビジネスも台頭してきた。ブームから2年が経過し、唐揚げブームは一巡したようだ。


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