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取材・執筆 : 安田正明 2023年11月9日
コロナ禍の営業制限が続いた2021年度から一転し、2022年度の居酒屋は徐々に客足が戻り、売上高合計はコロナ禍初期の2020年度を上回る水準まで回復した。東京商工リサーチが調査。
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居酒屋の倒産、23年は過去最多か。協力金切れで零細居酒屋が断念。
全国の「酒場,ビヤホール(居酒屋)」を運営する主要320社の22年度(22年4月~23年3月)の売上高合計は5,649億4,800万円(前期比56.5%増)、最終利益合計は23億8,200万円の赤字(前期は107億8,800万円の赤字)だった。21年度は減収の一方、持続化給付金や休業協力金などの効果で赤字幅は20年度より縮小した。支援金が終了した22年度は売上高は回復したが、食材費や光熱費、人件費の上昇に見舞われ、大幅なコストアップから黒字転換には至らなかった。
損益別では、黒字が6割超に回復。黒字が206社(前期比8.4%増)で、構成比では64.3%だった。20年度の96社(構成比30.0%)、21年度の190社(同59.3%)から2年連続で増加し、コロナ禍初期に3割(30.0%)まで落ち込んだ黒字事業者の割合は上昇した。ただ、2019年度の居酒屋の黒字事業者率は7割を超えており、依然としてコロナ禍前の水準に及ばない。
対前年の増減収別では、「増収減益」の居酒屋が急増している。22年度の増収事業者が245社(前期比250.0%増、前期70社)で、構成比76.5%(前期21.8%)を占めた。コロナ禍の影響で売上の落ち込みが激しかった2021年度の反動で、22年度は前年より増収となった居酒屋が大半だった。減収だった事業者は14.6%と1割台にとどまった。一方、対前年の増減益別では、増益は168社(構成比52.5%、前期比22.9%減)と前期の218社から50社減少した。減益は120社(同37.5%、同66.6%増)と前期の72社から48社増加した。
人流回復やメニュー価格の改定などで、居酒屋の売上はコロナ禍の20年度、21年度と比べて大きく改善した。しかし、コロナ禍前の水準には届かず、コスト上昇分の価格転嫁が十分にできていないようだ。
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