やじうま速報
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取材・執筆 : 安田正明 2023年6月6日
酒類業界(製造・卸売・小売・飲食)の景況感は、コロナ前の水準に急回復している。外食、宴会需要の回復が好材料となった。帝国データバンクが調査。
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新型コロナ流行前から現在に至るまでの酒類業界に絞った景気DI「酒場DI」の動きを帝国データバンクがまとめた。景気DIは景気ウォッチャー調査でも使用されており、50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となるもの。2019年1月から23年4月までの酒場DIをみると、1回目の緊急事態宣言が発出された20年4月に最低となる5.1を記録。以降、ゆるやかに回復するも、感染者数の増減や行動制限の影響により大きく上下しながら、全産業の景気DIを大きく下回る水準で推移した。
しかし、2023年に入り新型コロナの5類移行に向けた検討が本格化すると、反動増の要素を含みつつも景況感は急激に上向き、23年4月は45.7と2ヶ月連続で全産業の景気DI(44.6)を上回った。コロナ禍により大きく落ち込んだ酒類業界の景況感は、街の賑わいに比例して回復しつつある。
企業からは「新型コロナ禍前の販売実績まで回復しつつある」(清酒製造、宮城県)ほか、飲食業界は、リベンジ消費が発生しているといった声が複数あがっている。一方で、「生活習慣の変化が一時的なものではなく、夜の外出をする人が減ったままの日常に変化したため、飲み会も減り、居酒屋の利用が戻らない層がある」(酒場,ビヤホール、神奈川県)というように厳しい声も依然ある。4年ぶりに行動制限がない夏を迎えることで、厳しいながらも業界全体がさらに活発化してくことが見込まれる。
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