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2021年2月04日(木)07:37 やじうま速報

回転寿司、20年初の市場縮小へ。地方チェーンは帰省特需が消えた。

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取材・執筆 : 加藤一 2021年2月4日

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 2020年度の回転寿司市場は前年度比約3%減の7200億円前後にとどまる見通しと、帝国データバンクが発表した。これまで右肩上がりの成長を続けてきたが、コロナ禍で初めて縮小に転じる。

 テイクアウトやデリバリーの普及、Go Toイートも背景に回転寿司の需要は他業態に比べ堅調に推移したものの、多くが前年を超える売上には至らず、20年度業績で増収は大手でもスシローとくら寿司の2社にとどまっている。

 最大手のスシローは、客単価の高いテイクアウトが順調に推移したこともあって、20年度9月期で過去最高売上を更新 。くら寿司の同10月期連結決算は、コロナ禍で海外店の不振などが響き減収・初の最終赤字に転じたものの、国内事業の売上高は前期比0.5%増で過去最高だった 。同社は「鬼滅の刃」とのコラボが全国的に話題となり、集客が急回復。9月には既存店ベースで7ヶ月ぶりに売上が前年を超えるなど、年度後半にかけての好調さが増収に結びついた。  

 一方、かっぱ寿司や元気寿司は、ともに21年3月期で減収減益や赤字を見込む。 両社とも9月からスタートしたGo To イート以降は前年に迫る売り上げに回復したものの、12月以降に再拡大した新型コロナウイルスの影響を織り込む。

 地方の独立チェーン店は、コロナ禍の影響をより大きく受けた。大手に次ぐ売り上げとなる中堅10社の業績(予想を含む)をみると平均で1割超の売り上げ減少が見込まれ、最大で約2割の減収となる企業もみられる 。こうした店舗では、独自のコンセプトや店づくり、メニュー開発など、価格以外で大手と差別化し顧客を獲得。産地に近くネタの新鮮さを武器とした高級回転寿司店など 、北海道などではご当地店として存在感を発揮する店舗も多く、訪日外国人の利用も多かった。しかし、20年度はこうしたインバウンドが消失したほか、地域顧客の利用も不要不急の外出を控える動きが強まったことで、大手同様に減少。10月以降はGo Toイートにより客足の回復もみられたものの、外食需要全体の縮小に加えて同業や他業態との競争も熾烈化している。特に帰省の自粛などにより、親族などの利用が増える夏休みや年末年始など、地方店では帰省シーズンでの「ごちそう」特需を確保できなかった影響も大きかった。

 大手各社の月次売上では12月以降再び前年実績を下回る傾向にあり、個食ニーズやランチ需要を取り込んだ焼肉などの業態が新たに台頭 するなど、外食ニーズの変化もみられる。 減少が避けられない店内飲食メインから、巣ごもり需要が期待でき客単価の高いテイクアウトを新たに恒久的な事業の柱として照準を定めている。最大手のスシローは、持ち帰り専門店を2021年中に10店出店すると発表 。都心などへ積極的に出店し、21年度決算では前期比22.3%の増収を見込んでいる 。くら寿司などもドライブスルーやテイクアウト対応、入店から会計まで従業員を必要としない非接触型の店舗を増やす など、コロナ禍での消費者ニーズに沿った店舗開発を進める。 

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テイクアウトを恒久的な事業に。


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