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外食ニュース

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2020年3月16日(月)15:32

お客様同士をつなげる接客を重視。ダーツバー「Bee」は飲食×エンタメ×コミュニケーションによる大人の遊び空間を提案する

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取材・執筆 : 中山秀明 2020年3月5日執筆

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 業態の多様化やインバウンドなど、外食をとりまく状況は変化し続けている。その中で、今回はエンターテインメント色の強い業種として、ダーツバーにスポットを当てたい。近年のトレンドは、そして未来はどうなると読んでいるのか。それに対してどんな取り組みをしているのか。利用者側だけでなく、働き手の需要はどうなのか。それらを聞くべく、業界大手の一角を担う「ダイニングダーツバーBee」(以下Bee)を運営する株式会社ビーリンク(本社:神奈川県川崎市)の担当者にインタビュー。令和時代のアミューズメントバーの姿を模索する。

 Beeは2002年、渋谷に1号店をオープン。現在では全国に姉妹店を含む24店舗を展開している。特徴のひとつが、重厚でラグジュアリーな世界観でありながら、ビギナーでも気軽に遊べるフレンドリーな接客を行っていることだ。

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 「Beeは、ダーツ初心者の方が気軽に遊べることを目的とした店づくりをしています。たとえば、カラオケやボーリングのように、遊びの選択肢のひとつとしてダーツを楽しんでいただきたい、という思いです。今はダーツ自体の知名度も昔より上がってきており、需要が増えてきていることを実感しています。その中でメインのBeeのほかに、ターゲットを変えた『エンターテインメントダイニングBeeRUSH』(以下BeeRUSH)、『ダーツバー鏑』と3ブランドを展開しているところです」

 イタリアンダイニングと、多様な大型アミューズメントコンテンツを併せ持つ業態が「BeeRUSH」。ダーツスキルの向上をストイックに目指せる環境を追及した店舗が「ダーツバー鏑」だ。

 「Beeの来店動機としては、ダーツで遊ぶことが好きなお客様が、店舗のサービスに感動して未経験の知人を連れて来ていただき、その"人"の輪を広げていけるような場所にしたいと思っています。当然ダーツが初めての方も多くいらっしゃいますので、スタッフからダーツプレイのインストラクションをするサービスなども行っています」

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 テーブルや椅子を移動させやすく、レイアウトに融通が利く設計になっているのも特徴。これは、パーティーやイベントなど大人数で楽しむための会場としての需要を見込んでいるからだ。パーティーやイベントの参加者として入場したユーザーが、同店が大型で遊びやすい飲食店であることを認知して、一般客としてリピートしている点でも効果的な仕様といえる。では、コアとなっているユーザーはどういった層なのか。

 「20歳から50歳くらいまでのお客様がいらっしゃいますが、中でも30〜40代の方が最も多いです。こうした大人の遊びに慣れた年代の方々にさらに喜んでいただけたらと考え、業界初の『無料で駄菓子とり放題サービス!』を昨年10月より思い切って全店でスタートしました。増税で金銭的負担を強いられるお客様への還元の意味や、増加しているインバウンドへの日本文化提供の意味もあったのですが、国内の30〜40代の方々には普通に懐かしがって昔話に花を咲かせていただいたりと、大好評です」

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 業態的に、遊びながらのつまみとしてオーダーできるスナック・揚げ物類が手軽で人気である点からも、駄菓子は好評のようだ。では、通常のフードやドリンクの内容や構成比はどのようになっているのか。

 「当社では、たとえば"フライドポテトと鶏の唐揚げ"、といった料理が創業時より定番の人気です。たかがダーツバーのフライドフードなのですが、この18年の間、定番を維持するためにポテトや鶏肉、調理方法の改良を地道に重ねてきました。最近では、唐揚げのフレーバーをキャンペーン的に3種類に増やしたところ評判がよく、その3種が現在の定番として残っています」

 「ただ当然、全体の売上比率としてはドリンクのほうが多いです。ドリンクの特徴は、エンタメバーとして飲み物のバラエティ数を打ち出してきたこともあり、お客様も『とりあえずビール』というよりカクテルやサワー類を楽しんでいただくことが多いです。また近年では、盛り上がりドリンクとしてテキーラ等のショットドリンクオーダーが増えています。このあたりでも、ナイトエンターテインメントの欧米化が他業態より見られるかもしれません」

 外食業界では人手不足が他業種よりいっそう悩みの種であるが、アミューズメントの要素も強いダーツバーの場合はどうか。

 「雇用には力を入れています。ありがたいことに、求人に応募してきていただく方には、過去にお客様として来店した際に受けたスタッフの接客が好印象だったことが、一番の入社動機であるという方も多くもいらっしゃいます。そのために特別変わったリクルート用営業をしているわけではないのですが(笑)。前述のように、当社ではお客様同士をつなげるコミュニケーションを店舗独自のサービスとして大切にしています。そうした目的を達成する手段としての、当社の店舗従業員による、相手との接しかた・元気のよさや先回りした気遣いに人としての好印象をもっていただけているのであれば、ここでも人が人を呼ぶスタイルが成立していると思います」

 コミュニケーションに重きを置くという点において、たとえば、秋葉原駅前の新設商業ビル「BiTO AKIBA」に昨年11月オープンした「Bee秋葉原店」では、お客同士の交流を促進する場所として大型の「コミュニケーションテーブル」を設置。フリーのボードゲームやパーティーゲームを併せて店内に設置することで、より親密になれる場を提供している。今後もこのような店舗を増やしていくのだろうか。

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 「出店候補の街や物件、その地を利用する方々の層に合わせて、色々な仕掛けにチャレンジしていきたいです。当社では現在、Beeと並行して『BeeRUSH』の出店も強化したいと考えており、店舗開発チームが全国の主要繁華街をくまなく探しています。『BeeRUSH』はこの1年で、天神(福岡)、難波(大阪)、錦(名古屋)に3店舗を追加出店できました。ダーツにビリヤードや卓球、アーケードゲームやゴルフシミュレーションなどの大型で多彩なコンテンツと、自慢の窯焼きピザをメインとした本格イタリアンを同時に楽しめる、大人のためのエンターテインメントダイニング。この新業態へのお客様のリアクションを見ながら、最新のエンターテインメントの形を世の中に提案してまいります」

 ナイトエンターテインメントの先端を走りながら、人による地道なコミュニケーションを大切にするBee。今後の動向も見守っていきたい。

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