5月10日に米国食肉輸出連合会（USMEF）が開催した「アメリカン・ビーフ カッティングセミナー」。ここでアメリカ・アイダホ州のソウルフード「アイダホ フィンガーステーキ」が日本で初めてお披露目された。フィンガーステーキはアイダホ州独特の食文化で、ステーキの切れ端を使い、手でつまんで手軽に食べられる一品だ。セミナー参加者にはフィンガーステーキの背景や調理法の説明を行い、試食会も開催。昨今においてステーキブームが巻き起こっているなか、差別化できる新メニューとして、参加者に提案が行われた。

今春、米国食肉輸出連合会（USMEF）が日本へ本格的に提案を始めた、アメリカ・アイダホ州のソウルフード「アイダホ フィンガーステーキ」。

　そしてセミナーに参加していた、「ハートンホテル東品川」の「レストラン REGINA（レジーナ）」の料理長、上條陽平氏は、いち早くアイダホ フィンガーステーキを導入。早速6月から提供を行っている。そこでレストラン レジーナへフィンガーステーキ導入のメリットを聞いてみた。取材対応をしてくれたのは店長の木村智章氏。

「ハートンホテル東品川」の「レストラン REGINA」の店長、木村智章氏

りんかい線品川シーサイド駅A出口から徒歩約1分。宿泊客だけでなく、近隣の企業に勤める方の利用も多い

　まずはフィンガーステーキ取り扱いの経緯についてうかがった。

　「昨年も生ビールとおつまみがセットになった、生ビールプランを提供し、ご好評をいただいていました。そこで今年も夏前から、生ビールとセットにするおつまみを模索していたんです。そこで料理長の上條が5月に行われた『アメリカン・ビーフ カッティングセミナー』に参加し、アイダホ フィンガーステーキを提案していただいた。そこから今年の生ビールプランにいいのでは？という流れに至りました」（木村店長）

　上條料理長にも話を聞くと、「夏のビールプランの、軽いおつまみにもピッタリだと思いましたし、サクッとつまめる食べ方もいいなと。これが取り扱いを決めたきっかけですね」（上條料理長）

夏季の人気イベントとなっている「生ビールプラン」（6月1日〜8月31日まで）。女子会プランも好評開催中

2019年にリニューアルした「生ビールプラン」690円。「アイダホ フィンガーステーキ」を含む、3種のおつまみがセットに。同店ではチリソースとタルタルソースを提供。さまざまなソースと相性がいいのも、フィンガーステーキの特徴だ

　そして「レストラン レジーナ」では、6月から生ビールプランの提供を開始。生ビールに加えて、「アイダホ フィンガーステーキ」3ピース、「チーズのクロッカンテ」、「チーズ豆腐の味噌漬け」の3種のおつまみがセットになったメニューだ。また価格は税込みで690円と、非常にお得なセットになっている。

　「提供間もないですが、大変ご好評いただいております。感じるのはフィンガーステーキへのお客様の食い付きがいいこと。『これ何だろう？』と感じる方が多く、このクエスチョンがセールストークのきっかけになっていますね。フィンガーステーキの説明、生ビールプランのお得さをお話しすると、8割方のお客様にはオーダーをいただいていると思います」（木村店長）。

　またレストランのあるハートンホテルは宿泊客だけでなく、近隣の企業に勤める多くの方も足を伸ばす。1組あたりの人数も、1人から10名などさまざまだが、人数の大小に関わらず、いずれのお客様にも生ビールプランが好評だそうだ。フィンガーステーキ取り扱い後は、アルコールの売上が5割近くUP、客単価では1000円ほど売上が上がっているという。

　お客様のフィンガーステーキに対する声を聞いてみると、「『初めて見たので気になった、興味が湧いた』、『ステーキなのにフリットみたいなのが新鮮。リーズナブルでお得感もある』、『味がよくて、手軽に食べられるのがいい』というお声をいただきました。まさにフィンガーステーキの魅力、メリットそのものではないかと思います」（木村店長）。

米国食肉輸出連合会（USMEF）はPOP類の提供、サポートも充実

単品でも提供している「アイダホ フィンガーステーキ」400円

　またお店としてのフィンガーステーキの魅力をたずねてみると、「気取らずに手でいけて生ビールと相性がいい。夏場にピッタリだと思います。またお客様に興味を持ってもらえること。POPも用意すると、より効果的に感じます」（木村店長）。

　「ステーキなのに揚げているという、メニューとして新鮮さがありながら、仕込みやレシピ、オペレーションが容易な点が嬉しいですね。ビールと合わせると、とてもおいしいですし、お客様、お店双方でメリットがあるように感じられます」（上條料理長）。

　続けて上條料理長がアメリカン・ビーフについての魅力、メリットを話してくれた。

　「まず味と価格のバランスがいいこと。また牛肉の味は個体差も大きいのですが、アメリカン・ビーフは一頭一頭の波がないのがいい。はずれがないんですよね。そして和牛のように味がしつこくないから、老若男女が気軽に食べられる。気軽さがメリットの、フィンガーステーキにも相性がいいですよね。当店のフィンガーステーキでは、ロースを使用しています。味のよさと食べやすさが決め手でした」（上條料理長）。

「取り扱いを始めてよかった」と総括する木村店長

　最後に木村店長が、フィンガーステーキ取り扱いについての総括を話してくれた。

　「やはりお店としては常に何かをやっていたい、やっていかなければという考えがあり、目玉となる料理やイベントを模索しています。そこでアイダホ フィンガーステーキとの出会ったのは幸運でした。生ビールプランのシーズンイベントにも、ぴったりのメニューでしたし、生ビールの販促にもつながっています。お客様からのフィンガーステーキの評判もいいですし、オペレーションが難しくない点も助かる。お店としても、キッチン、ホールともども『やってよかった』という手応えがありますね。取り扱いを初めてまだまだ間もないだけに、今後の展開も楽しみにしています」（木村店長）。

＜ハートンホテル東品川2F「レストラン REGINA」＞

住所：東京都品川区東品川4-13-27　電話番号：03-5495-0820　

席数：84席　営業時間：7:00〜22:00