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2023年8月17日(木)04:12 やじうま速報

カラオケビッグエコーの"ショップインショップ"「B-GARAGE」が、売上拡大の救世主になる

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取材・執筆 : 小山裕史 2023年8月10日

キーワード :     

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若い女性客を中心に完全にハマった「ダーツバーB-GARAGE」

【記事のポイント】
●カラオケビッグエコーの"ショップインショップ"「ダーツバーB-GARAGE」が増殖中。

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カラオケルームのビジネス利用は、コロナ禍を機に多くのカラオケチェーンで導入されたが、早くからビジネス利用に着目、最初に導入したのがビッグエコー(株式会社第一興商、本社:東京都品川区)であることはあまり知られていない。

コロナ禍以前の2017年4月、ビッグエコーはサラリーマンの働き方改革・生産性向上に向けた取り組みの一環としてカラオケルームをワークスペースとして提供する「オフィスボックス」(現在のサービス名称は「テレワークプラン」)の展開をスタートした。そして同年、もう一つ新たに取組んだのが、ビッグエコーの店舗内にダーツ業態を出店したショップインショップ「ダーツバーB-GARAGE(以下、B-GARAGE)」である。

居酒屋では大人数の宴会は復活してきたものの、二次会や深夜帯の利用は減少傾向にあり、カラオケ業態も需要が半減、多くのカラオケチェーンが巻き返しを図っているなか、ビッグエコーの「B-GARAGE」が好調、店舗数も増加している。

ビッグエコーは北海道から沖縄まで全国で451店舗(2023年7月末現在)を出店している。
「B-GARAGE」開発の経緯から手応え、今後の戦略について、株式会社第一興商 BE首都園第一地区運営課 課長の西原隆文氏に話を聞いた。

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株式会社第一興商 BE首都園第一地区運営課 課長 西原隆文氏

---ショップインショップのブランド「B-GARAGE」は、コロナ前の取組みなのですね。
西原氏
そうです。コロナ禍で開発したブランドだと思われがちですが、実はカラオケルームをワークスペースとして活用した「オフィスボックス」と同様に、2017年に誕生したブランドになります。

当時は、ビッグエコーの遊休スペース(ルーム以外のスペース)を、有効活用できないかと考えてダーツマシンを設置したのが始まりです。最初は都心部の店舗ではなく、広い受付フロアや遊休スペースがある山梨県と栃木県の店舗でスタートしました。

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---「B-GARAGE」は、山梨県、栃木県からのスタートなのですね。手応えはありましたか?
西原氏
はい。これまでビッグエコーに足を運ばれていなかったお客様がダーツを目的にご来店してくれました。

都心ほど身近にダーツを楽しめる環境が整っていないことから、ダーツマシンを導入したことで、お客様はカラオケと同様に気軽に利用してくれました。

B-GARAGEを出店したことで、新たな収入を得ることができ、直ぐに手応えを感じました。

---現在、「B-GARAGE」の店舗数は。
西原氏
おかげさまで20店舗まで拡大しました(2023年7月末現在)。東京、大阪など主要都市部の店舗を中心に、遊休スペースが確保できた店舗での出店がありました。

---銀座数寄屋橋店はビッグエコー内の8階になりますよね。
西原氏
はい。このフロア(B-GARAGE銀座数寄屋橋店)は、30名収容できるパーティールームと5名収容のルームが3つありましたが、全てのルームを解体して、フロア全体を「B-GARAGE銀座数寄屋橋店」として、オープンしました。

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B-GARAGE銀座数寄屋橋店(ビッグエコー銀座数寄屋橋店内 8階)

銀座でも新しい場所に新店舗としてダーツバーをオープンするとなると、お客様に認知してもらうまで時間と費用がかかります。認知がある銀座のビッグエコー内にダーツバーをオープンさせることで、告知の訴求力は速かったと思います。店舗看板、入口、受付フロアでも告知しているので、カラオケ目的でご来店されたお客様の目に必ず留まります。

特にビッグエコー銀座数寄屋橋店については、近隣200メートル以内に2店舗のビッグエコーがあります。この2店舗でもB-GARAGE銀座数寄屋橋店の店内告知を強化しており、近隣店舗をご利用のお客様にも告知が出来ています。

ダーツマシンについては、設置台数5台、全台最新機種「ダーツライブ3」を導入しています。

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全台最新機種「ダーツライブ3」を導入

---ショップインショップ型として相乗効果はありますか?
西原氏
ダーツを楽しんだあと、カラオケに流れるお客様が多くいますが、カラオケを歌ったあと、ダーツに流れるお客様は少ないです(笑)。ショップインショップ型として銀座数寄屋橋店のみならず、B-GARAGEの全20店舗で相乗効果は表れていると思います。

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---アミューズメント業態のなかでダーツの人気具合はどうなのですか。
西原氏
ダーツは、カラオケのように幅広いお客様層で形成されていないことは分かっていました。カラオケは小中学生からシニア層まで利用しますが、ダーツはお客様層の幅が狭いと感じていました。但し、コアユーザーもたくさん存在していますので、その方々へどういう方法でアプローチしていくかが、今後の課題と考えています。

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---ダーツはカラオケよりもアルコール売上がとれる業態だと思いますがいかがでしょうか。
西原氏
そうですね。カラオケよりもゲーム感覚が高く、一組あたりのアルコール売上はカラオケと比較しても高いと思います。特に20代半ば~30代のお客様はショット飲みが多く、ショット系のアルコールはカラオケと比較すると倍以上の出数になります。もちろん乾杯はスーパードライですが(笑)。

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乾杯は生ビール「アサヒ スーパードライ(710円※税込み、以下同)」

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フードメニューも充実
(上段左:「チキンバスケット(780円)」、上段右:「ポッキー(470円)」、中段左:「手作りパリパリチーズ(580円)」、中段右:「モッツァレラチーズスティック(680円)」、下段:「バジルのマルゲリータ(1,360円)」

---「B-GARAGE」は、ショップインショップ型なので初期投資は抑えられますよね。
西原氏
一般的なダーツバーを新規オープンさせるよりも初期投資は抑えられると考えます。

ダーツマシンは、リースと買い取りがありますがB-GARAGEで導入しているダーツマシンは買取りを基本としています。ビッグエコー銀座数寄屋橋店内であっても、フロアや、スペースで区分けして、別ブランドとして打ち出すことが、顧客満足度や集客に繋がると考えています。

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---とは言っても、ビッグエコー内にお店があるので課題もありますよね。
西原氏
はい。現在、20店舗を展開していますがこのお店(銀座数寄屋橋店)で言うと、B-GARAGEを目的にご来店したお客様もビッグエコーと同じ入り口になります。

例えば、直通専用エレベーターがある、受付も別の箇所で行う等が可能なら、より顧客満足度や集客は上がると思いますが、既存店舗設備や投資額を考えるとショップインショップでは限界があると感じています。

---この発想、今後、競合のカラオケチェーンも参入してきますよね。
西原氏
恐らく、参入してくると思います(笑)。この仕組みの魅力はカラオケ売上のプラスαだけではありません。新規にダーツ業態を出店していますが人件費はこれまでのカラオケのスタッフが対応しているので、仮にB-GARAGEのご利用が無くてもダーツスペース単体での人件費は発生しません。

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--- B-GARAGEの出店計画については。
西原氏
第一興商はカラオケのリーディングカンパニーであることから、店舗事業本部としても、ビッグエコーの新規出店が最優先です。店舗数にはこだわってはいませんが、優良立地と判断すれば投資を惜しむことなく物件を獲りにいきます。

また、ビッグエコー単体での出店が見込めない場合は、B-GARAGEの併設や飲食事業と複合で出店する場合もあります。

既存ビッグエコーでのB-GARAGE展開については、お客様層、ロケーションを判断してダーツ業態に適している店舗であれば、都心、郊外、地方問わずに出店していきます。

---ビッグエコーはカラオケチェーンでありながら、ショップインショップなど面白い取組
みで差別化が図れていますよね。
西原氏
ありがとうございます。会社の方針は、世の中の全ての人にDAMを利用してカラオケを歌ってもらうことです。DAMの情報発信場所としてビッグエコーは大きな使命を担っています。最新のカラオケ機器で最高の音響と映像を提供し、快適な空間でお客様をおもてなしすることを第一に考えています。

そのなかに、B-GARAGEであり、飲食事業との複合など新しい取組みもあるので、カラオケチェーンのなかでも、面白い仕事ができると思います。

現在、店舗事業本部(直営店管轄)の社員平均年齢は30代半ばで、主要のポジションにいる社員はアルバイトからの社員が大半です。店舗事業本部ではアルバイトからの雇用を推進しています。

カラオケのみならずダーツ業態やバー業態に携わった人や興味がある人は活躍の場が広がる会社です。ダーツだけではなく、新たなショップインショップ戦略にもチャレンジしていきます。飲食チェーンで業態開発に携わった方などを採用するなど、リクルートにも力を入れています。ご興味のある方は是非、西原までお問合せください(笑)。

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---ありがとうございました。

二次会や深夜帯、始発待ちのグループ客はカラオケチェーンではドル箱であったが、年々、利用客は減少している。それに加え、コロナ禍によるサラリーマンの働き方の変化により、オフィス街での出社率は流動的になっている。カラオケルームでのテレワーク需要は伸びているものの、ドル箱の時間帯売上を補うほどの売上にはなっていない。

テレワークプラン同様、誰もが思いつくようなことを真っ先に仕掛けるビッグエコーのショップインショップ型営業戦略「B-GARAGE」は、カラオケ業界の起爆剤である。

【PR】株式会社第一興商

<取材店舗>
「ダーツバー B-GARAGE銀座数寄屋橋店」
東京都中央区銀座4-2-14 DK銀座ビル 8F
TEL:03-3563-5400
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