フードリンクレポート
記事への評価
取材・執筆 : 南原卓也 2024年6月24日
いいちこ×緑茶で名付けて「いい茶こ」
【記事のポイント】
●「緑茶ハイ」が好きな日本人は多い
●「いい茶こ」のまぁるい味わいは、合わせる料理を選ばない
●思い込みを捨てることで新たな発見に繋がる
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「お茶ハイ」の強みは、合わせる料理を選ばないところにある。特に古くから日本人が慣れ親しんでいる「緑茶」を使用した「緑茶ハイ」は、お酒を飲むどの世代からも長年愛されている定番のドリンクだ。
そんな緑茶ハイの中で、今最も注目されているのが「いい茶こ」だ。本格麦焼酎「いいちこ」と緑茶の「香り」と「うまみ」がまろやかに調和したまぁるい味わい。可愛らしいネーミングと販促ツール。実際にお店で飲んだ方からの評判も上々だ。
「いい茶こ」を導入するお店は、普段から本格麦焼酎「いいちこ」を導入しているお店とは少し異なる客層のお店も多い。客層や業態、本格麦焼酎「いいちこ」のイメージとは異なるお店では、どんな理由から「いい茶こ」が飲まれているのだろうか?
■素揚げ酒場 パリパリ 北千住店(足立区千住2丁目)
北千住は実に面白い街だ。かつては江戸四宿のひとつ「千住宿」として栄え、最近はタワーマンションや商業施設も増えた。そうかと思えば、駅前には趣あるお店が密集し、都会的な雰囲気と下町の温かさが共存している。
「素揚げ酒場 パリパリ 北千住店」がオープンしたのは2017年6月。北千住駅西口の飲み屋街を抜けた先にあり、連日若者たちで賑わう人気店だ。
看板メニューはオープン以来変わらぬ人気の「ひな鶏パリパリ半身揚げ」。
そして、コロナ禍に客層の変化を感じて打ち出した「フルーツパーラーサワー」。フレッシュフルーツを贅沢に使用した圧倒的なビジュアルが大当たり。今では「フルーツパーラーサワー」を目当てにお店を訪れる方が大半を占めているという。
素揚げ酒場 パリパリ 北千住店 竹井店長
「正直な話、当初は本格麦焼酎「いいちこ」を使った「いい茶こ」がマッチするイメージが沸きづらかったのは事実です。ただ、炭酸が得意でないお客様もいますし、私自身が大の本格焼酎好きだったので導入しました。」
そう話すのは、「素揚げ酒場 パリパリ 北千住店」店長の竹井壮太さん(以下、竹井店長)だ。ところが、その懸念も導入とともに払拭される。
理由の一つは看板メニューである「素揚げ」との相性だ。「いい茶こ」が口の中の油分をさっぱり洗い流してくれるので、次の一口がまた美味しくなる。
「当店は平均すると一人2〜3杯ぐらい飲んで帰る方が多いのですが、『いい茶こ』を飲む方はそれ以上飲んでいってくれますね。フードの追加オーダーも入りやすく、お店としてもすすめやすいドリンクです。」(竹井店長)
もう一つの理由は、当初全く想像していなかったものだった。
「若い方の中には、『いいちこ』を初めて飲む方や知らなかったという方がいて本当に驚きました。でも、そんな方が『いい茶こ』を飲んだら美味しいと言っておかわりをしてくれるんです。本格焼酎を飲みなれていない若い方にとって、緑茶だけでなく麦焼酎の味もしっかり感じられる『いい茶こ』は新鮮だったようです。また、ナカをおかわりするスタイルも楽しんでくれています。」(竹井店長)
「フルーツパーラーサワー」のような派手さはないが、「いい茶こ」のネーミングやいいちこマドラーも可愛いと好評だ。まぁるい味わいと同時に、ビジュアルでも受け入れられている。
■Alvino(台東区上野2丁目)
歴史ある美術館や博物館、劇場があるかと思えば、大衆的な酒場も多い。上野駅、御徒町駅、湯島駅に囲まれたこのエリアには、実にバラエティに富んだ業種業態のお店が集中している。
2016年7月にオープンした「Alvino」は、午前4時までゆっくり飲める営業時間と、たっぷり180ml注がれるグラスワインが人気の一軒家イタリアンバルだ。
本格麦焼酎「いいちこ」とはあまり結びつかない業態のお店がなぜ「いい茶こ」だったのか? 「Alvino」店長の田中友章さん(以下、田中店長)に話をうかがった。
Alvino 田中店長
「当店はイタリアンですが、本格レストランというよりカジュアルなバルです。グラスワインを推してはいますが、そこにこだわり過ぎないカジュアルさを大事にしています。
どんなお店でも、本当はお茶ハイが飲みたいというお客様はいると思いますよ。」(田中店長)
名物の「ウニクリームコロッケ」にはわさびが添えられているし、京野菜を使ったメニューもある。イタリアンでありながら和の要素を取り入れたメニューもあり、お茶ハイに合わせやすい要素は揃っている。しかし、「Alvino」で「いい茶こ」が支持される理由はそれだけではない。
午前4時まで営業している「Alvino」には2軒目3軒目の利用者に加え、営業を終えた同業者の来店も多い。終電を過ぎた時間帯になると、老若男女問わず「いい茶こ」を飲む方が増えるそうだ。
「すでに飲んできた方、遅くまで仕事をしてきた方は、まぁるい味わいの『いい茶こ』みたいなドリンクが飲みたくなるんでしょうね。ホッと一息つきたいときには、慣れ親しんだ味を求めるものですよ。」(田中店長)
イタリアンバルで「いい茶こ」が人気の理由はもう一つある。それは独自のルールを設けている「Alvino」ならではの理由だ。
「Alvino」では、スタッフ全員が自ら決めたお気に入りのドリンクメニューをお客様におすすめしている。グラスワインの中から一つ。他のドリンクから一つ。実際にテイスティングして気に入ったドリンクを自分の言葉でお客様にすすめるのだ。
「お客様の好みに合わせた提案も大事ですが、それは誰でもできることではありません。その点、自分が好きなものなら誰にでも自信をもっておすすめできます。スタッフおすすめのお酒が飲みたいというお客様は意外と多いと感じます。」(田中店長)
事実、「Alvino」には「いい茶こ」を猛プッシュすることでたくさんの注文を獲得しているスタッフがいる。
今回取材した2つのお店で共通していたのは、思い込みを捨てて、一見ミスマッチにも思えるメニューを試してみたことだ。
若者をターゲットにするお店と、本格麦焼酎「いいちこ」。グラスワインを推すイタリアンと、おかわりスタイルの「いい茶こ」。
「素揚げ酒場 パリパリ 北千住店」では、本格麦焼酎「いいちこ」に馴染みのなかった世代に受け入れられ、「Alvino」では、深夜にホッと一息つきたい客層に刺さった。
新たな需要を発見できた理由は、思い込みを捨てて試してみたからに他ならない。
【いい茶このメニューをご希望の方はこちら】
<取材店舗>
「素揚げ酒場 パリパリ 北千住店」
東京都足立区千住2-39-18
TEL:050-5266-0477
「Alvino」
東京都台東区上野2-2-6
TEL:03-6803-0496
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三和酒類株式会社
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