他店との圧倒的差別化！高品質な米国産ポテトのメニュー開発に迫る。 「ローディッド・フライ」を活用した単価アップ、顧客満足度アップの可能性

TOP ＞フードリンクレポート

フードリンクレポート

2022年8月22日（月）08:45

このページを印刷

他店との圧倒的差別化！高品質な米国産ポテトのメニュー開発に迫る。「ローディッド・フライ」を活用した単価アップ、顧客満足度アップの可能性

記事への評価

0.0

取材・執筆：草場智湖 2022年8月8日

キーワード：ローディッド・フライ　単価アップ　差別化　米国産ポテト　顧客満足度

「アサダフライポテト（Full 1500円（税込））」　『Tacos Way』

【記事のポイント】

●アルコールとの親和性

●おかわりに繋がるポテンシャル

●料理の待ち時間にも活躍するフライドポテト

＜関連記事＞

高品質な米国産ポテトをプラントベースコンセプトで付加価値アップ！代替え肉に頼らず、手軽で誰にも愛されるポテトでトレンドメニューを開発

https://www.foodrink.co.jp/foodrinkreport/2022/07/19120832.php

米国発祥で流行中の「ローディッド・フライ」。売上・集客アップ活用法を話題の繁盛店に聞いた

https://www.foodrink.co.jp/foodrinkreport/2017/07/05160504.php

「withコロナ時代の飲食店を応援、ステッカーとサインボードを提供」米国ポテト協会が全面支援

https://www.foodrink.co.jp/news/2020/06/22124124.php

お酒の肴やファストフードなど、多くの消費者にとって身近な存在であるフライドポテト。じゃがいもは植物性の食材であることから、体と地球に優しいプラントベースフードに当てはまる。

今回「米国ポテト協会」が仕掛けたのは、米国産フライドポテトのアレンジメニューであるアメリカ発の「ローディッド・フライ」と、身近な素材を使った「プラントベースメニュー」を掛け合わせたメニューの提案だ。

前回訪問した3店舗に加え、今回はさらに様々なターゲットに合わせて開発されたプラントベースのポテトメニューの魅力と、お酒や既存の他メニューとの親和性や売上のアップに繋がった点など、メニュー開発の裏話や現場でのお客様の反応などを詳しく聞いてみた。

※ローディッド・フライは米国ポテト協会の登録商標です

■MOKUOLA -shinjuku lumine est / 新宿

「MOKUOLA -shinjuku lumine est 」

新宿ルミネエストの8Fにある「MOKUOLA」。新宿駅東口から直結なので、天候や季節に関係なくストレートに行けるのがポイントだ。ハワイの空気感をそのまま持ってきたかのような広い店内には、カラフルなアート壁画が目に飛び込んでくる。パンケーキやハワイアンプレートなど、写真映えするメニューは特に大人気のようだ。

畑中シェフ

「当店が出来て13年くらい経ちます。通常ご来店いただくお客様は、大学生などの20代前半の女性がとても多い印象ですね。土日はもちろんの事、まん防が解除されてからは平日のお客様も以前のように戻ってきました!」

畑中シェフ

今回のキャンペーンに参加したMOKUOLAでは、今まで紹介してきた店舗とは一味違う新しいフライドポテトメニューの提供について伺ってみた。

畑中シェフ

「今までのフライドポテトは"フレンチフライ"の名前で、プレーンな状態でご提供していました。お客様のご要望に合わせてトッピングなどを追加していただくという、ごく普通な感じでしたが、今回キャンペーンに参加したことで、新たなポテトの可能性に向けて開発に取り組めた事が、本当によかったと思っています。パンケーキが出来上がるまでの空白の待ち時間が、ポテトを食べて待ってくれる方が増えましたね。今では注文が入って、ポテトが無くなっていく事にハラハラしているくらい人気商品です。」

MOKUOLAで提供されたフライドポテトは、チリビーンズ・グレービーソース・チーズをかけたもの。デザートの付け合わせでオーダーし、甘じょっぱい組み合わせを楽しんだり、パンケーキの焼き時間に20分程要するため、待ち時間のタイミングでポテトを頼むお客様が著しく増えたと畑中シェフは話す。普通のお皿に山盛りにするのではなく、可愛らしいバケツに入った姿は、ターゲット層でもある20代女性には心くすぐられたようだ。

「チリチーズポテト」　850円（税込）

畑中シェフ

「とにかくおかわりしてくれる方も多かったですね。米国産のポテトがクリスプみたいにカリカリとした食感で、珍しいポテトだなという印象を抱く方も多く、明らかに今までのフライドポテトよりリピート率が上がりました。しっかりした作りのじゃがいもですし、とても長くて見栄えもします。他のじゃがいもだと細かったり、同じボリューム感で魅せるには量を使わないといけなくなり、コストが上がってしまいます。また食感についても、通常だと時間が経つとしなしなになってしまうところ、揚げた後でもしばらくクリスプ感が持続するので、長い会話を楽しんでいたお客様も『あれ?まだカリカリしてる!』って、きっと驚いてくれていたんじゃないかな、と感じていますね。」

畑中シェフ

「昨今ブームにもなっている事から、プラントベースメニューは以前からやりたいね、とお店や本部とも話題にはなっていました。ただ、当店としては20代前半や大学生のようなお客様の層を考えると、ジャンキーなものを率先して好まれるお店ではあります。野菜の摂取についての積極性はやや伝わりにくいかなという心配はありましたが、逆にいえばじゃがいもも生活に取り入れやすい野菜の一種として、今後のメニュー開発などで少しずつ打ち出していけたらなと検討しています。」

「今回のキャンペーンをきっかけに本部と話しているのは、サルサソースをベースにしたものや、キャラメルソースやバニラアイスを乗せたものなど、ポテトを特に取り上げた自社キャンペーンもやってみたいなと考えています。先日「ベジタブルバーガー」という野菜を中心に使ったハンバーガーも、メニューとして始まったばかりなので、フライドポテトと掛け合わせて盛り上げていきたいですね」

■Tacos Way / 虎ノ門ヒルズ

「Tacos Way」

虎ノ門ヒルズ駅から直結したメキシコ料理店「Tacos Way」。こちらも天候や季節に関わらずスムーズに来店が可能。周りでは外資系企業が多いため、日本人以外にも外国人のお客様がよく訪れる。少し明るさを落とした照明と、壁一面に広がるダイナミックかつお洒落なアートワークと店内の内装は、異国情緒が溢れ日常の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた空間だ。

竹越シェフ

「OPENして2年ほど経つのですが、本当にコロナ中はロックダウンしたり自粛したりと、かなりシビアな状況でとても大変でしたが、最近は出社帰りのお客様もかなり戻ってきており、海外の方もよくご来店いただいていますね。」

元来のメインメニュー等に揚げ物が多いためフライドポテトのメニューはなく、今回のキャンペーンでは初めての取り組みだったと竹越シェフ。普通のメニューではつまらないからと、開発に取り組んだ経緯について伺った。

竹越シェフ

「とにかくやるならと、とことん取り組みましたね!当店はメキシコ料理店なので、盛り付け方も豪快さを演出する事に注力しました。使用しているレッドソースやワカモレソースも、一つ一つの素材を見極めて丁寧に調合した自慢の逸品です!」

米国産のポテトを使用し、味付けも日本人に馴染むようアレンジした「アサダフライドポテト」。チェダーチーズ、牛肉、トマト、アーリーレッド、パクチー、サワークリーム、ワカモレソースとふんだんに使用。最後にオリジナルのレッドソースをかけていただくのTacos Way流フライドポテトは見た目もさることながら、食べ応えも抜群だ。ハーフサイズも用意されており、お一人様や軽くつまみたいお客様へのニーズも見逃さない。

「アサダフライポテト」　Full 1500円（税込）　/　Half 800円（税込）

竹越シェフ

「今回、本当に開発してよかったですね。作りがいがありました!何より、米国産のポテトで長さやボリュームもコスパよく写真映えできましたし、メニューの味も本場に近い味わいを演出できたので、オススメの一品になりました。特に外国のお客様にとても評判が良く、美味しいと言ってくださいます。普段はホールにいるのでお客様の反応に直面する機会は少ないですが、おかわりが殺到する事が一番現場に伝わり、大きな喜びにつながりましたね!」

竹越シェフ

「フライドポテトを出すようになってから、ドリンクのオーダーもプラスになったと感じています。当店では『ミチェウェイ』というシグニチャードリンクがあります。クラマトというトマトジュースとビールベースの「ミチェラーダ」というカクテルで、元々メキシコでもよく飲まれており、ポテトとの相性は抜群なのでよくオススメしています。あとは、テキーラベースのマルガリータも鉄板ですね!」

「また、ヴィーガンのお客様もよくご来店されますし、プラントベースというコンセプトも今後どんどん取り入れたいと今回のキャンペーンで強く感じました。じゃがいもも立派な野菜ですし、さらに当店らしいメニュー開発に取り組んでいきたいと考えています!」

■原価酒場はかた商店 / 飯田橋

「原価酒場はかた商店」

最後はJR飯田橋駅から徒歩3分ほどの場所にある「原価酒場はかた商店」。入場料500円を支払えば、店名にもあるように原価でお酒を時間制限なしでオーダーすることが可能。このようなスタイルの飲食店は増えてはいるが、そのさきがけのお店といっても過言では無い。もつ鍋や馬刺しなどの美味しい九州料理も人気を博しており、その衝撃のコスパの良さから、大学生や仕事帰りに宴会で立ち寄るお客様が後を絶たない。

佐原料理長

「とにかくお客様がとてもエネルギッシュで、私たちも元気をいただいています。20代の大学生にも良く使っていただいていますし、男女比率ではもしかしたら女性の方が多いかもしれません。女子会で10人くらい一気にバーッと来たりすることもあります。サラリーマンの方々も40代くらいまでの方々が目立ちますね。コロナの時は本当に時短だったり団体も入れられなかったりと大変でしたが、最近はお客様の入りもかなりよくて、忙しくさせていただいています。」

壁一面に広がるダイナミックなもつ鍋のイラストが描かれ、活気のある居酒屋に彩りを添えている。お酒を破格で提供する事に重きをおいた店舗において、今回のポテト新規メニュー開発について変化した事や開発秘話など伺った。

「止まらない！無限巣篭もりローデットポテト」 800円（税込）　※手前

佐原料理長

「やはりお酒を飲むとつまみも食べたくなりますから、フードも本当によく出ます。その中でも元々ノーマルのシンプルなフライドポテトや、既存の形が様々なマッシュ系フライドポテトも提供していました。ごく普通の売れ行きでしたけど、今回の米国産ポテトを使用したメニュー開発に取り組んでから、おかわりをしていただく事が目立つようになったと感じています。特に今回当店では、2種類の新規メニューを開発いたしました」

【無限巣篭もりローディッドポテト】

山盛りポテトに、かつお節・ネギ・カリカリベーコンをトッピング。そこに醤油のドライフレークを散りばめ、サクサクした食感や香りなど和のインパクトを強烈に感じることが出来る。上に乗った温泉卵をトロリと割る瞬間のお客様の歓喜の姿が目に浮かびそうだ。ポテトといえば洋物が目立つ中、特にビールと合わせたい変わり種の和風フライドポテトである。今回のメニュー開発イチオシ商品。

【サルサ風ホットチリローディッドポテト】

ハラペーニョで辛味をしっかり聞かせたサルサソースに、アボカドとサワークリームでまろやかさをプラスしたフライドポテトは、ハイボールやレモンサワーとの相性も抜群で、ついお酒のペースをアップさせてしまう、はかた商店こだわりの逸品だ。

「サルサ風ホットチリローデットポテト」 800円（税込）

佐原料理長

「最近よく聞くプラントベースという考え方や取り組みについても勉強した事はありましたが、メニュー開発に落とし込むというのは今回が初めてでしたね。野菜を中心にあらゆるものをバランスよく食べていただきたいので、出来るだけ動物性のものは最初から選択肢として除外しましたし、他店にない差別化を図れるものを考えるために考え抜きました。元々新しいものを生み出したり考えたりすることは好きだったので、とても楽しく開発に取り組ませていただきました!」

「また、米国産のポテトは、キレイな色の見た目でフライドポテトそのもののクオリティもぐっと底上げしてくれているので、思った以上に見栄え感がよくなる事、食感が軽やかな事も大変好印象です。特に無限巣篭もりローディッドポテトでは、温泉卵のとろみが加わってもカリカリがしっかり持続してくれるので、お客様にとって記憶に残ってくれるものになり、リピートや売上の貢献にも大きく繋がったと感じています。せっかくなので、しばらくこのメニューは続けていけたらなと検討しています。」