フードリンクレポート
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取材・執筆 : 小山裕史 2021年5月20日執筆
外食チェーンで通販サイトを展開する企業が増えている。自社ブランドの名物料理を軸に、長期保存可能な冷凍食品を中心に販売している。「紅虎餃子房」、「虎萬元」などの中華からイタリアン、和食など、マルチに業態を展開する際コーポレーションの通販サイト「キワネットショップ」もマルチにブランド展開をしている。しかし、際コーポの代名詞とも言える「鉄鍋棒餃子」が売っていない。
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際コーポは、いまどうなっているのか? 「常識破壊者」の歴史と現在の苦境
際コーポレーションの公式通販サイト「キワネットショップ」がスタートしたのが、2017年10月。おせちの販売から始めた。「キワネットショップ」の特徴は、パスタソースやピッツァ、棒寿司などの一部商品はセントラルキッチンや特定の店舗で作るのではなく、サイトで注文を受けてから各店舗で作り店舗から発送している。「お店の味をご家庭でも」と謳っているが、"食べてびっくり"。味のブレも一切ない正真正銘、お店の味だった。しかし、「鉄鍋棒餃子」が売っていない。
各ブランドのメニューを販売する「キワネットショップ」
下記が「キワネットショップ」ブランドと商品の一例である。
■紅虎餃子房
・四川黒胡麻担々麺
■トラットリア・フィレンツェ・サンタマリア南青山店
・パスタソース
・スープ
・ドレッシング、等
■マルゲリータパリアッチョ神楽坂店
・ピッツァ
■富士屋旅館 湯河原
・棒寿司
■銀座にょろ助
・鰻の蒲焼き、白焼き
■虎萬元
・麻辣醤
今回、注文したのが「紅虎餃子房」(四川黒胡麻担々麺)、「トラットリア・フィレンツェ・サンタマリア南青山店」(パスタソース、スープ、ドレッシング)、「マルゲリータパリアッチョ神楽坂店」(ピッツァ)の3ブランドである。どれも通販商品でありながらお店の味がしっかりと家庭に届いている。
パスタソースは冷蔵、ピッツァは冷凍、レシピの説明も分かりやすい
紅虎餃子房の看板商品であり、他の中華ブランドでも提供している「四川黒胡麻担々麺」は、昨年の12月から販売している商品である。常温保存できるパッケージとして梱包されており、お店と異なる点は麺が乾麺になっているが、しっかりとスープに絡み、花椒のパンチもある。辛くて黒くて美味い、店のあの味である。
ピッツァは、パリアッチョ神楽坂店の窯で焼き、瞬間冷凍、真空パックされた状態で届く。自然解凍で約1時間、オーブントースターで約3分焼くだけでパリアッチョのピッツァになった。既に生地にも焦げ目がついているので、より本格的な窯焼きピッツァである。
パスタソース、スープはサンタマリア南青山店で、注文が届いてから店で手作りし、配送している。湯煎もしくは、フライパンでパスタと絡めるだけである。また、店で使用している生パスタも販売しており、「和牛ボロネーゼ」は生パスタと絡めると文句のつけようのない1品となった。
手前左:カラスミレモン ペペロンチーノ、手前右:焼葱ポタージュ、奥左:玉葱ドレッシング(パン、サラダ、ワインはパッケージに含まれない)
和牛ボロネーゼ+生パスタ
セントラルキッチンではなく、店舗で手作りしているので、店の味と大きなブレがないことが特徴である。家庭で調理をしやすいように考慮して作っているが、店の味を維持しているのは素晴らしい。また、出来上がった料理は店で梱包しての発送であるが、セントラルキッチンや配送センターで梱包したと思わせるぐらい丁寧な梱包である。
下段左:モッツァレラとトマトソースのピッツァ(マルゲリータ)、下段右:ウニクリームソース、上段左:魚介のトマトスパイシーピッツァ(ディアボラ)、上段右:玉葱ドレッシング(サラダ、ワインはパッケージに含まれない)
和・洋・中とマルチにブランドを持つ、際コーポの強みが活かされているのが「キワネットショップ」といえる。なかでも、虎萬元南青山店のみで少量販売していた「虎萬元 麻辣醤(とらまんげん まーらーじゃん)」は、家飲みの最強辛味調味料として人気の1品である。2018年より、通販サイトでも購入できることになったが、常に売り切れのアイテムである。
虎萬元の「麻辣醤」は人気アイテムであるが、際コーポレーションの代名詞と言えば、「鉄鍋棒餃子」だが、残念ながらオンラインでは販売していない。鉄鍋が家庭に無いことが理由なのか? それとも、家庭向けには難しい商品なのか? 理由は不明であるが、家飲みで紅虎の餃子が食べたい。
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