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2021年4月16日(金)08:49

【家飲み】"ながら"飲み。私は「料理しながら飲み」。微アルコール「ビアリー」誕生

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取材・執筆 : 小山裕史 2021年4月15日執筆

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アサヒビール株式会社 マーケティング本部 新価値創造推進部 小野祐花里氏


 家庭用ビール市場では、アサヒビールが4月6日から発売した「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」の話題が先行しているが、同社から首都圏、関信越エリアで3月30日に先行発売された「ビアリー」が面白い。アルコール0.5%、"微アル"って、何なの?

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 「ビアリー」は、100%ビール由来原料ならではの麦のうまみとコクを実現したアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料である。ノンアルコールビールではなく、心地よい微アルコール、略して"微アル"。新しいカテゴリとして激化するビール市場でどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。同社、マーケティング本部 新価値創造推進部の小野氏に話を聞いた。

---商品化のきっかけについてお聞かせください。

小野 グローバルレベルで消費者の嗜好が多様化しています。特にヨーロッパでは低アルコールビールの市場が伸びており、果物の味やクラフト系などが人気を集めています。人気の理由としては健康志向です。あえて低アルコールを飲む、あえて酔わないことを選ぶ嗜好がトレンドになっています。

 また、取組みの一つとして「スマートドリンキング」を提唱しています。お客様の多様な嗜好に対応、様々な嗜好を受け入れられる土壌を作っていくことです。この取組みの第一段として商品化したのが「ビアリー」です。アルコール0.5%で、新しい価値を作っていきます。

---何故、アルコール0.5%にされたのでしょうか。

小野 味わいとアルコールのバランスがとれているのが0.5%でした。アルコールの度数は飲みごたえに直結されると思います。0.5%は絶妙なバランスで、コクと味わいを感じられます。これ以上、アルコール度数が低いと飲みごたえが、なくなってしまいます。作り方のポイントとしては、ビールと同じ原材料で作り、醸造してからアルコール分のみをできるだけ取り除く製法で作っているため、ビールの香りや旨味はしっかりと残っています。

---飲用ターゲットは?

小野 開発の段階では、ビール好きをターゲットにしていましたが、発売してみると、今までビールを苦手としていた人やアルコールの飲用を辞めていた人からも「これなら飲める」など、多くの反響がありました。今後もお客様の反応を見つつターゲットを拡げていきたいと思います。

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---ドライゼロ(ノンアルコールビール)との違い、ビアリーの位置づけとは?

小野 大きな違いは2つあり、1つは製造方法です。ビアリーは、ビールを醸造してからアルコール分を抜く脱アルコール製法ですが、ドライゼロは調合でビールの味を作っています。

 2つめはターゲットシーンになります。ドライゼロは、爽快、リフレッシュですが、ビアリーは、いままでお酒を飲まれていなかったシーンを想定しています。例えば、読書しながら、映画を観ながら、ビジネスシーンであればブレストしながらなど、 "ながら"飲みのシーンを想定しています。今後も、"ながら"飲みのシーンをお客様にご提案していくうえで、どういったところに"ながら"飲みの可能性があるかマーケティングの戦略として考えています。

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---微アル、浸透しますかね。

小野 微アルコール(微アル)のカテゴリを作っていく活動は強化していきます。TVCMはもちろんですが、サンプリングを積極的に行っています。これまでも、ツタヤさんのT-SITEで「読書+微アル」のシーンを訴求、オイシックスさんと連携した「料理+微アル」などです。また、クリエイティブ系の企業様では、かっちりした会議ではなくフリーディスカッションでブレストする機会が多いと思います。ビジネスシーンであれば「ブレスト×微アル」です。微アルコールを飲みながらブレストすることで、リラックス効果やひらめきを実感して頂けるのではないかと思います。

---最後に小野さんは何ながら飲みですか?

小野 私は「料理しながら飲み」です(笑)。やっぱり、料理しながらでも飲みたいですよね。

---ありがとうございました。

 ワタミが展開する「三代目鳥メロ」の4店舗でビアリーの先行販売を行っている。今後、業務用市場(飲食店)にも拡げていくとのことで、飲食店スタッフにビアリーを飲んでもらった。

 協力してもらったのは、昨年10月、東京・新橋にオープンした「一石三鳥」。焼鳥屋でありながら、焼鳥だけに留まらずラム肉や和牛の串も提供する唯一無二のコースが人気で、オープン直後から予約困難のお店である。

■微アルコール「ビアリー」、飲む前の印象は?

「アルコール度数が0.5%って、どんななのよ!」
「パッケージが黒なので、黒ビールをイメージしました」
「重厚感あるデザインだけど、低アルコールなんだ」
「喉越しだけを楽しみたいときにいいんじゃない」
「ビールの色が見たいのでグラスで飲みたいです」

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「一石三鳥」スタッフ

■飲んだ感想は?
「0.5%ですがアルコール感は伝わりますね。喉越しはあります」
「ビール党からしてみれば、今日のように体調が優れないときでも飲めるビールです。二日酔いでも全然いけますね(笑)」
「発泡酒ではなく、ノンアルビールに近い味、ホップがすごく効いているので、ビール感を出したいのを感じますね」
「味わいとしては弱いですが、0.5%であればこんなもんでしょう」
「同伴で来店される女の子にはもってこいの商品だと思います。ノンアルだと相手がシラケてしまいますから(笑)」
「デスクワークの息抜きには良いビールだと思う」
「ビールでお客様と付き合わなくちゃいけないときに、ビアリーであればスタッフも気兼ねなく飲める」

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「一石三鳥」オーナー 米田拓史氏

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仕事前は微アルでチャージ! 

 一石三鳥のスタッフの声は参考になった。これまで、ビール系の低アルコール商品はなく、車の運転以外でビール好きが飲めない場面ではノンアルビールに切り替える人も多いと思う。外食のシーンでも家飲み同様に、様々なニーズに対応できるのではないか。

 ビアリー、個人的は焼肉業態にマッチするのではないか。焼肉と言えばビールであるが、どうしても深酒できない日のビールとしてビアリーはありじゃないか。焼肉業態はコロナ禍でも好調な業態であり、消費者のニーズも高いのではないか。

<取材協力店舗>
「一石三鳥」
東京都港区新橋4-20-2 1F、2F
TEL:03-5843-8909
席数:29席(1F、2F)

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