昨今のから揚げブームは、スーパーの総菜コーナーでも圧倒的な存在感を誇っている。コロナ禍でスーパーも生鮮食品よりむしろ、総菜や弁当の販売を強化しており、なかでも、家庭での調理頻度が減少している「揚げ物惣菜」コーナーが充実している。揚げ物惣菜でひと際目立っているのが「メンチカツ」である。

＜関連記事＞

【家飲み】おうち居酒屋で「栃尾揚げ」が話題。スーパーにも多種並ぶ。テイクアウトニーズもあるのでは？

【家飲み】「カンパリ・アペロールに、これ以上にない条件が揃った」が、家飲みの定着に必要なのはレシピじゃなくて、『アぺタイム』です

【家飲み】日本酒・久保田に「再ブレイクの兆しが訪れた？」ワケは、｢寿｣で表される分かりやすいグレード

　居酒屋では、定番メニューのひとつでもある「メンチカツ」。シンプルなメンチカツに、チーズや大葉、パクチーや花椒などを入れた変わり種のメンチカツもよく見かけるようになった。居酒屋、酒場では外せないメニューである「メンチカツ」は、酒のつまみだけではなく、ファミレスも注目しはじめた。「ガスト」は、11月26日（木）より、人気メニューである「チーズinハンバーグ」に加え「チーズinメンチカツ」の販売を開始した。また、「ココス」では、"お店仕込みの本気のメンチ"と題して、「デミ目玉メンチカツ」を12月3日（木）より、ランチの新メニューとして販売している。

　家庭では、ハンバーグやコロッケなどの国民食に肩を並べることはできなかったが、居酒屋での定番メニュー、ファミレスでの販売もあり、各社スーパーもメンチカツに注目したのではと思われる。メンチカツはコロナ禍で家飲みのつまみや、おかずとしても魅力的な商材のひとつでもある。

　首都圏を中心にチェーン展開をしているスーパー「サミットストア」の惣菜コーナーが話題になっている。一般的なスーパーでは惣菜の構成比率が10％に対して、サミットストアは25％を目標に掲げている。注目は、常時約25種類の揚げ物であり、惣菜売上の25％を占める人気の惣菜である。約25種ある揚げ物惣菜の第5位となったメニューが「2種類のメンチかつアソート（梅しそ・チーズ）」だ。

　また、埼玉県・川越市に本社を構える「ヤオコー」の惣菜コーナーで販売されている「二層仕立てのキャベツメンチかつ（甘酢）」は、昼の情報番組で紹介されるほどの人気惣菜であり、ヤオコー惣菜の顔となっている。

　家庭での揚げ物調理の頻度は年々減少傾向にある。その反面、スーパーでは揚げ物惣菜の強化を図っている。外食では当たり前の商材になっているメンチカツが家庭に流れはじめ、惣菜コーナーで徐々に頭角を現してきている。