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取材・執筆 : 小山裕史 2020年10月29日執筆
既に外食では不動のアイテムとなったウイスキーハイボール(以下、ハイボール)。スタンダードなハイボールに、熟成期間が長いウイスキーを使用したプレミアムハイボールなど多種のハイボールを揃えるお店が増えている。在宅ワークで家飲み需要が拡大、ハイボールもRTD缶ではなく自分好みのウイスキーにひと手間かけて楽しむニーズが高まり、スーパーのウイスキー陳列棚にも様々なウイスキーが並んでいる。
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ウイスキーの陳列棚には、外食でハウスハイボールとして提供されているビールメーカー4社のウイスキーをメインに、国内外の代表的なウイスキーやプレミアムウイスキーが並んでいる。スーパーによっては、ウイスキーの陳列棚に炭酸水やシロップを一緒に並べており、家飲みハイボールの需要が高いことが伺える。
家飲みハイボールでウイスキー需要が高まり、スーパーによってはプライベートブランド(PB)ウイスキーの販売も目立ちはじめた。スーパーの「いなげや」は、イオングループと提携していることもあり、イオンPB「トップバリュー」のウイスキーが並んでいる。アイテムは2種「WHISKY ALC.37%(2.7L)」、「年熟成 樽仕込みウイスキー ALC.40%(700ml)」。気になったのが、「年熟成 樽仕込みウイスキー ALC.40%(700ml)」のラベルである。"樽"の文字が強調されたパッケージであり、上段の棚に陳列されているキリンビールから発売の「オークマスター樽薫る」のラベルに類似している。どちらも"樽"を強調したパッケージであり、2つのアイテムを並べると容量が違い容器は異なるが、ウイスキーに詳しくなければ同一商品にも見えてしまう。「年熟成 樽仕込みウイスキー」は、「オークマスター樽薫る」よりも、容量も多く価格も安い。PBブランドの強みである。
スーパー「ヤオコー」では、「甲斐ノ砦」、「甲斐ノ関」など、PBウイスキーを販売している。
どちらもの商品も山梨県の蒸留所で作られていることもあり、地名を入れ漢字で書いた商品名であるが、サントリーのジャパニーズウイスキーのパッケージを意識しているようにも見える。書体も一部類似しているのは気のせいだろうか。
PBは、安さが一番の強みであるが、PBウイスキーを見ると、NBウイスキーのパッケージを意識、研究しているのではないだろうか。上記に挙げた事例以外にもどこかで見たことがあるようなパッケージのウイスキーをよく見かける。低価格だけでは自信がないのか、ラベル買いのお客を意識しての戦略なのかは不明であるが、量販店でのPBウイスキーの動向が気になる。
最後に、トップバリューの「WHISKY ALC.37%」は、原材料にスピリッツを使っている。何故か、日本では、原材料にブレンド用のアルコールを使ってもウイスキーと言えるが不思議である。
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