フードリンクレポート
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取材・執筆 : 小山裕史 2020年10月23日執筆
昨今、飲食店で誕生、定着した商品が量販店を通じて家庭でも楽しむことができる。大衆酒場ブームの波に乗り、甲類焼酎の代表ブランドとなった「亀甲宮焼酎」。通称「キンミヤ」が人気だ。キンミヤと言えば、酒場から誕生した飲み方「シャリキン」である。
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「シャリキン」とは、キンミヤを凍らせシャリシャリのシャーベット状にして、グラスに入れ、ホッピーや瓶タイプの炭酸水などの割材と楽しむ飲み方である。シャーベット状のキンミヤが氷そのものの役割を果たし、最後まで冷たく飲めるのも特徴だ。シャリキンを名物ドリンクとしてメニュー表記する居酒屋も増えている。コロナ禍で"おうち居酒屋"需要が高まっているなか、自宅でもシャリキンを楽しみたいニーズは高いと思われるが、残念! シャリキンパウチをスーパーではあまり見かけない。
東京・多摩地区にある大手、中堅の異なるスーパー9店舗を回り焼酎の陳列を見ると、キンミヤ焼酎の1.8Lパックや720ml、300mlなどのボトルは販売されているが、シャリキンパウチは販売されていない。スタッフに聞いても、シャリキンパウチの存在すら知らない。キンミヤのホームページにはシャリキン販促用のページで、「家庭での愉しみ方」と飲み方が掲載されているものの、量販店で拡販されていなければ家庭で楽しめる機会は少ない。
パックやボトルのみ販売されている
東京・西新宿にある「ほぼ新宿のれん街」の「もつ焼☆キャプテン」では、シャリキンを名物ドリンクとして、7種のシャリキンを提供している。シャリキンの人気について類家店長に話を聞くと「うちの店では、『しゃり金サワー』として販売していますが、お客さんからは人気のアイテムです。夏場だけではなく年間を通して注文は安定しています。割材が豊富なので飲み比べをするお客さんや女性客からも人気のアイテムです。シャリキン流行っていますよ」
居酒屋で人気のシャリキン、何故、量販店で積極的に販売しないのか?どこでシャリキンが購入できるのか?キンミヤを販売する株式会社宮崎本店に聞いた。
「東京・多摩地区でシャリキンが確実に購入できるスーパーは把握してなく、購入できるお店はドンキホーテと酒ディスカウントストアのみです。スーパーでの販売は1.8Lパックやボトルがメインになります」との回答であった。
ハイボールやサワーの人気は外食だけではなく家庭でも拡がっている。スーパーではRTD缶だけではなく、炭酸水や柑橘系飲料、ホッピーなどの割材も豊富に陳列している。シャリキンは90mlと、飲み切りに適している容量であり、家庭での需要は高いと思われる。
「シャリキン」は、宮崎本店の登録商標であり、競合の焼酎メーカーが真似できないオンリーワンのアイテムであるにも関わらず、何故、量販店で積極的に販売しないのかが不思議である。
焼酎を凍らせ、様々な割材で楽しむインパクトのある飲み方。外食だけではなく、家庭でも楽しみたい。
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