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外食ニュース

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2023年8月21日(月)04:52

「4大ビールメーカーを脅威にさらす"ヒューガルデン"」業務用市場でジワジワと存在感を増す『アンハイザー・ブッシュ・インベブ』のハンターを独占取材

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取材・執筆 : 小山裕史 2023年8月20日

キーワード :     

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AB InBev Japan   On Trade National key Account Manager/Hunter    Shinpei Kuzuki

【記事のポイント】
●AB InBev Japanの業務用戦略とハンター葛城氏とは?

日本でも人気の高いベルギー産ビール「ヒューガルデン・ホワイト」がじわじわと存在感を増している。レストランやルーフトップをはじめ、名店での取り扱いも爆発的に増えた。

従来の国内4大メーカーのビールとは異なった世界観を演出する「ヒューガルデン・ホワイト」は、飲食店のみならず、今年でフィナーレを迎えた完全招待制のイベント『焼鳥達人の会(大阪・東京)』でも主役ビールの座を射止めた。

「ヒューガルデン・ホワイト」は、2009年よりアサヒビールが国内販売代理店として扱っていたが、2018年1月よりブランド所有者であるAB InBev Japan合同会社(旧:ABインベブ・ジャパン株式会社)に販売・マーケティングを含む、国内の権利を移管した。

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ヒューガルデン・ホワイト(生樽)

4大ビールメーカーを脅威にさらす"ヒューガルデン"、業務用市場の事業拡大を進めるAB InBev Japan合同会社(以下、ABI)の業務用戦略について、葛城氏を取材した。

葛城氏は、1991年5月生まれの32歳。出身は大阪府・東大阪市石切。小学校1年生からサッカーを始め、中高一貫のサッカー強豪校、青森山田に進学した。一学年下には元日本代表MFの柴崎岳がいた。高校3年生の時に全国高校サッカー選手権(第88回大会)で準優勝を経験しており、16歳の時にはU-17日本代表にも選ばれた実績を持つ。

大学卒業後は、新卒で大手飲料メーカーに就職、配属先は葛城氏の地元である大阪。入社1年目から飲食店向けの営業である業務用セールスとして活躍、入社3年目には社内セールスコンテストで全国1位を獲得、その才能を開花させた。その後、市場開発や大手外食企業担当に従事。前職で約7年間業務用の経験を積みABIに移籍した。

---ABIに転職して何年目ですか。
葛城氏
入社して丸3年になります。

---ABIですが、知っているようで知らない人も多くいると思います。会社の紹介をお願いします。
葛城氏
弊社はベルギー・ルーヴェンに本社を置く、世界最大のビール会社になります。グローバルに展開しており500を超えるブランドを世界150か国以上で販売しています。日本ではAB InBev Japan合同会社として、東京の渋谷スクランブルスクエアを拠点に活動しています。

---ABIで強化しているブランドについて教えてください。
葛城氏
日本の業務用市場では「コロナ エキストラ」と「ヒューガルデン」、「バドワイザー」の3ブランドを重点強化しております。コロナは強いブランド力があり幅広い層に支持されています。先日、4年ぶりに開催された「CORONA SUNSETS FETIVAL」(2023年7月15日(土)、16日(日)沖縄・豊崎海浜公園 美らSUNビーチ)では、数多くの外食企業様にお越しいただき大盛況となりました。

ヒューガルデンはホワイトビールで飲みやすく、潜在的なファンが多くいましたが従来までは20Lスチール樽のみであり取扱いが容易ではありませんでした。けれども、弊社が12L樽のPET樽を開発したことにより、開封後1ヵ月は鮮度が維持され、尚且つスペース省略化に成功しました。おかげさまで大手外食チェーンや有名店での取扱いが加速度的に増えています。また、樽交換時に樽内に残ってしまうビールロスを削減するだけでなく、PET/プラとして処分ができることも飲食店様から高い支持を得ています。

バドワイザーは、2022年FIFAワールドカップ・オフィシャルスポンサーを経て、2023年も最高に楽しいシーンで選ばれるブランドの位置づけを確立するために、今大きな注目を集めているグラフィックデザイナーのVERDYさんと、コラボレーションしオリジナルデザインのボトルや缶の販売、また都内ではバドワイザーオリジナル音楽イベント「Bud X Uncovered」や大型音楽フェスへのスポンサーなどを実施しブランドを訴求していきます。

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---先日、ファイナルを迎えた「焼鳥達人の会」は大盛況でしたがブランドのPRに繋がりましたか。
葛城氏
全国の名店や日本中のフーディーが集う伝説的なイベントになりました。ご招待者様は有名焼鳥店やミシュラン店の常連さんが多く情報感度が高いです。このようなアッパー層にヒューガルデンをアプローチ、飲用の場を増やすことで新たなヒューガルデンファンを獲得できました。実際にお客様から味に関する評価が高く、想像以上の反響があり大成功でした。東京は「CITABRIA BAYPARK」、大阪は「中之島LOVE CENTRAL」、福岡は「THE LUIGANS」と、どの会場も素晴らしいロケーションで開催できた事も良かったです。

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「焼鳥達人の会 Vol.06 ‒ Toritasu The Final」

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生ビールブースではヒューガルデンを提供

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日本屈指の焼鳥の名店が参加

---業務用セールスと言っても幅広くありますが、具体的に葛城さんの仕事について教えてください。
葛城氏
私は北海道から沖縄まで開拓できる外食企業様があれば日本全国どこにでも行きます。主な拠点は東京・大阪ですが特定の担当を持っていないため、フレキシブルな活動ができます。大手だけではなく今後の成長が期待できる金の卵チェーンやイケてる個人店にもいきます。同時に、業務用からブランドの世界観を演出するのも大切な仕事ですので、素晴らしいロケーションやブランドマッチするopportunityに対しては常にアンテナを張っています。

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コロナ エキストラ

---なるほど。ところでハンターは何人いるのですか。
葛城氏
私一人です(笑)。

---葛城さんの開拓手法について教えてください。
葛城氏
外食企業の社長からのご紹介が9割以上ですね。

---具体的にどのように紹介を受けているのですか。
葛城氏
色々なパターンがありますが1つは「オモロイ」営業でいることです。言語化すると面白い情報や繋がりを持っていて、経験の中でユニークな価値観があることです。そのために自分が面白い経験やセンスのある人に積極的に絡んでいくことが重要です。そして、それを周りに伝えます。周りにInput&outputの天才みたいな人がたくさんいて、そこは恵まれた環境だなと思います。

その上で1つ1つのご紹介に愚直に取組むこと。必ず社長面談の前に店舗視察をして自分なりの仮設・ストーリーを立てます。結果を出して、それを積み重ねて信頼を勝ち取りご紹介を増やして輪を広げることを意識しています。

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---居酒屋を中心に、ビールの安売りが定着しているように思えます。ビール中ジョッキが190円も珍しくはありません。業務用における日本のビール市場の課題についてお聞かせください。
葛城氏
そうですね・・・・・・(しばし無言)。日本の飲食店では多くの人が「生ビール」くださいと注文しますよね?海外では、Draftビールの種類が多く「生ビール」ではなく「銘柄」で注文します。ここにまず選択肢があることの重要性を感じています。

日本のビール会社は外食企業と専売契約を結ぶことでvolumeを担保していましたが、そこに面白さがなく選択肢を求める消費者がついてこなかった一面があります。

ご存知の通り安売りしていた大箱チェーンの売上は苦しく、より多様性が求められる時代背景がある中で、最近ではプレミアムビールやクラフトなど高単価な商品を扱う店舗が増えています。このマーケットでは我々も個性豊かなブランドがあり勝負できると感じています。

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---ABI、葛城さん、それぞれの課題について聞かせてください。
葛城氏
業務用市場だと、ABIの場合は限られた人的リソースの中で効率的に売上・利益をあげていく必要があり、そのために選択と集中をしていく必要があります。フォーカスするエリア/ブランド/カスタマーを常にアップデートして最適な投資をすることが直近の課題であり重要事項だと考えます。

個人としては今後、財務戦略やM&Aなどの知見を増やして、会社経営にダイレクトに繋がるような提案をしていきたい。ビール会社という枠を超えて活動することで結果的に自分自身の成果にも繋がります。

---最後に葛城さんの目標について聞かせてください。
葛城氏
当分先になりそうですが外食支援事業者として「外食アワード」を受賞したいです(笑)。

外食が好きだからこそ業界に対して貢献したい気持ちがありますし、インパクトのある仕事がしたい。そのために、現状に満足せず高い視座をもって活動したいと思っております。自分が得意なことをやり続ければ、可能性は広がっていくと信じています。

最後に深イイ話、ありがとうございました。(小山談)

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「撮影協力:アジアンビストロ Dai 東京ガーデンテラス店」

<企業情報>
AB InBev Japan合同会社
東京都渋谷区渋谷2-24-12  渋谷スクランブルスクエア39F

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