外食ニュース
記事への評価
取材・執筆 : 中山秀明 2020年2月14日執筆
カゴメが2019年9月に新発売した業務用商品「野菜だし調味料」。手軽に野菜の煮込み感を表現できるとして導入する店舗が増えているが、今冬、株式会社ダイヤモンドダイニング(本社:東京都港区、代表:澤田泰一氏)が運営する居酒屋やダイニングなど20店舗で、この商品を活用したフェアメニューがスタートした。
そこで、同社のメニュー開発担当者にインタビュー。調味料の特徴や使用感、開発時に工夫したことなどを聞いた。
協力してくれたのは、第一事業部料理長の日原剛氏。第一事業部はアリスのファンタジーレストラン、隠れ房、さかえやなどを担当する部署で、和洋それぞれのメニューに「野菜だし調味料」を採用した。商品に関して、最初の印象はどのように感じたのか。
特別メニュー提供店のひとつ、アリスのファンタジーレストラン。銀座「迷宮の国のアリス」など3店舗を展開する、ルイス・キャロル原作「不思議の国のアリス」をコンセプトにしたファンタジーレストランだ
「昨今、インバウンドのお客様が増えるなか、ヴィーガンやベジタリアンの方に対応できるだし調味料として、画期的な商品だと思いました。動物や魚介などのだしに比べ、野菜から上手にだしを引くのは時間もかかりますし、レシピを統一するのも難しい部分があります。そこにあって、この調味料は数種の野菜のうまみがバランスよく入っていて、また原液から20倍希釈まで用途が多彩なので、汎用性が高いのも魅力ですね。味に関しても料理を選ばないなじみやすさがあります。スープにしたり、下味にしたり、ソースやあんかけにしたり。和洋中どんな料理にも使えると思います」(日原料理長)
5店舗を有する隠れ房(写真は新宿店)。自然の美をテーマにした個室空間で、旬が薫る洗練された料理を堪能できる本格和食店である
使い方が簡単で、各店舗のキッチンスタッフもスムーズに活用できているという。今回のオリジナルメニューは2月1日からはじまっているが、どんな料理を開発したのか。
「アリスのファンタジーレストランでは、『ころころコトコト煮込んだ野菜だしポトフ〜とろけるチェシャ猫チーズソース〜』を考案。芽キャベツやペコロスなどの野菜とだしのうまみが相まって、手軽に味の深みを出すことができました。チーズソースとの相性も抜群にいいですね」。
アリスのファンタジーレストランで提供している、「ころころコトコト煮込んだ野菜だしポトフ〜とろけるチェシャ猫チーズソース〜」(1280円)
「さかえやでは、お通しで『さかえやの冷製茶碗蒸し』を提供しています。こちらは『龍のたまご』というブランド卵を使っているのですが、『野菜だし調味料』がそのよさを邪魔せず、リッチで上品なおいしさに仕上がりました。隠れ房は、新宿の2店舗ではランチブッフェの一皿で提供。その他3店舗では各自の汁物に『野菜だし調味料』を使っています」。
「さかえやの冷製茶碗蒸し」(500円)
同社の第一事業部以外では、キリストンカフェ東京などで「野菜だしで食べるWチーズ鍋」を提供。ほかにも、5店舗展開するベルサイユの豚では、「ジャンボマッシュルームステーキ 野菜だしソース」を提供している。前者はトマトベースの鍋を、コク深くとろける2種のチーズで味わう料理で、後者は「野菜だし調味料」を3倍希釈でソースにし、マッシュルームステーキにかけて提供している。
「野菜だしで食べるWチーズ鍋」(1人前1780円。注文は2人前から)
今夏には東京2020オリンピック・パラリンピックを控え、ヴィーガンやベジタリアン向けのメニュー開発はいっそう需要度を増すだろう。そこにあって、動物や魚介系素材以外のだしとして、また人的リソースのかからない調味料としても「野菜だし調味料」はより注目されるはずだ。カゴメの公式サイトにはレシピ一覧も載っていて、調理法は非常に多彩。グローバル化が進む中での万能調味料として、覚えておくといいだろう。
【PR】カゴメ株式会社
読者の感想
興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0
- 総合評価
-
- 0.0