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取材・執筆 : 西尾昭彦 2020年1月10日執筆
「カルビ丼」550円、「スン豆腐」650円の 2大看板で郊外やロードサイドを席巻中、京都発の「カルビ丼とスン豆腐専門店 韓丼」。2019年は一気に25店舗を出店、フランチャイズを中心に45 店舗(2019年12月現在)まさに焼肉ファーストフード市場を独占し続けている。FCによる出店が好調な理由を、仕掛け人にお聞きした。(全5回・第1回)
目下の最新店、19年12月16日オープンの「韓丼 浜松原島店」。2019年12月に5店舗オープン、更に2020年のオープン予定が既に20店舗近くある
「韓丼」の経営母体は 1987年に京都で創業、「焼肉やる気」など、焼肉業態を軸に店舗展開する株式会社やる気(京都市伏見区)。
「韓丼」直営1号店の誕生は 2010年9月。「私自身、初めて『韓丼』のスン豆腐を食べた 時に、想像以上の美味しさにビックリしました」と株式会社やる気 営業推進本部本部⻑の小池暢一氏は語る。
●研ぎ澄まされた圧倒的なビジネスモデル
「直営店のお客様の反応が良くて、数字的にも結果が出ていたので、商品力には自信がありました。たくさんのお客様に味わっていただくために、FC展開を目指して、数年間かけて仕組み、物流、マニュアルを構築してまいりました。トライアル&エラーを繰り返して、ブラッシュアップしました」 「弊社の料理のレシピは、すべて総料理⻑の『さっちゃん』によるものです。他の社員は誰もレシピを知りません。自身も子を持つ母親で、美味しいだけでなく、安心できる健康的な料理をお出ししたいという思いで作っています」。
韓丼イメージキャラクター「韓丼料理研究家・さっちゃん」
「秘伝のタレやスン豆腐のベース、オリジナルの調味料は、合成保存料、着色料不使用。フレッシュフルーツや生野菜を使用しています。仕入れ先の方によると、ある果物の使用量は日本一だそうです。100店舗展開を前提に、実はタレなどの外注化を検討したこともありました。でも、常温のタレなら同じ味と思えた製品でも、過熱調理すると、元の味とは似ても 似つかない味でした。外注した方が楽なのが本音ですが、PB工場に外注しても味が再現できないので、すべて自社で作っています」。
看板メニュー「カルビ丼」はワンコイン500 円(税別)!
「飲食店の看板メニューは客寄せのため、利益が残らない場合が多いのですが、『韓丼』のカルビ丼は看板商品であり、しっかり利益が残る利益商品でもあります。一方、高価格帯のメニューほど、一般的にはお店にとって利益商品だったりするのですが、逆に原価をかけています。だからこそ、お客様満足度が高いのだと考えています」。
もう一つの看板、「スン豆腐(画像は海鮮)」(税込650円)
「スン豆腐はヘルシー志向の女性に特に人気です。都会ならともかく、郊外には女性が食べたい料理を提供するお店自体が本当に少ないので、リピーター率が高いのが『韓丼』の特徴です。ツイッターやインスタグラムには、『#韓丼』で投稿してくださる常連様の投稿がたくさんUPされています」。
「カルビ丼とスン豆腐の単品料理だけだったらランチ集客頼みになったかもしれませんが、定食があることで、ディナーで 1 回転以上の売上を作ることが可能です。テイクアウトも好調で、売り上げの約15%を占めています。増税後も既存店の売り上げは好調を維持しています」。
「カルビ丼ミニとスン豆腐セット(ホルモン)」
2大看板が食べられる「カルビ丼ミニとスン豆腐セット」で990円、「カルビ定食」890円など、ほとんどの定食が1000円未満。1000円オーバーは「上てっちゃん定食」1020円と「熟成特選カルビ定食」1450円のみ。
かつて安くてウマいと人気を博した定食チェーン店も、度重なる値上げで客単価1000円の壁で急激に人気を失ったように、日常的な外食に対して、お客様は実にシビア。店舗数が増えても驕らず、お客様の値段に対する肌感覚を感じ取っている。
「チェーン店なら、冷凍ものを温めて提供するだけでしょと、思われるかもしれませんが、実は全然違います。次回以降の記事で詳しくご説明しますが、冷凍肉だと味が落ちるので、生肉を使用しており、毎日お店で手切りしています。カルビ丼は一食ずつひと手間かけて、網焼きしています」。
カルビ丼は 1 人前ずつ網焼きする。炎が立ち昇るシーンはシズル感満点。人は本能的に惹きつけられる
取材中に印象深かったエピソードがある。
「木村拓哉さん主演のドラマ『グランメゾン東京』を見ていると、主役・尾花夏樹の料理に妥協しない姿勢や、言っていることが弊社社長の言うことと同じで驚いています。料理のポーションを変える場合、増減率に合わせて、計算式で出した比率で各食材や調味料のグラム数を調整するのが一般的ですが、ドラマでは実際に調理して、グラム数や加熱時間を微調整していました。料理の細部に徹底的にこだわり、その積み重ねという姿勢は、弊社もまったく同じなのです」。
「急激にチェーン展開して、その後急速に魅力を失い、消えていったチェーン店の多くには、システムや見せ方には⻑けていても、料理のクオリティーに課題があったと思います。『韓丼』の母体は、競争が激しい京都で 30年以上支持されてきた『焼肉店やる気』です。お客様に喜んでいただける、美味しい料理を提供するという、飲食店の基本を何より大切にしています」。
―FCショー2020情報―
初出展の「FCショー2017」以来、毎回行列必至、大人気の「韓丼」が、2020年も「FCショー」に登場!リスク分散のため、新たな FC参画を考えているメガFC、飲食店FCに参入したいビジネスオーナーの方、利益率が高い「韓丼」のFC加盟企業大募集。

■株式会社 やる気
住所:京都府京都市伏見区北端町70番地
TEL.075-605-8222
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