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外食ニュース

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2019年12月09日(月)11:15

ロードサイドの新勢力!年間20店舗を出店する「韓丼」とは?

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取材・執筆 : 西尾明彦 2019年12月5日執筆

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 郊外やロードサイドを中心に、今や40店舗(2019年11月末現在)。「カルビ丼」550 円、「スン豆腐」650円の2大看板で人気の京都発「カルビ丼とスン豆腐専門店 韓丼」。経営母体は1987年創業、「焼肉やる気」など、焼肉業態を軸に店舗展開する株式会社やる気(京都市伏見区)。2018年は13店舗、2019年は一気に20店舗(11月末現在)と、破竹の勢いで出店を続けている。

 快進撃の秘訣は何か、2010年9月オープンの創業店、「韓丼 新堀川本店」を訪れた。

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京都・伏見新堀川通(油小路通)沿いの「韓丼 新堀川本店」

 カルビ丼500円、スン豆腐590円のノボリが目立つ。訪れたのは、ランチのピークを過ぎた平日昼間。21台収容の広々とした駐車場の8割以上は埋まっていた。

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入口を入るとすぐに券売機がある

  初来店のお客様でも迷わないよう、全メニュー写真付き(現在、新規出店はタッチパネル方式に切り替わっている)。70代以上の女性グループも迷うことなく、慣れた手つきで券売機でお目当てのメニューを注文している。

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「究極のフィレステーキ定食」「旨辛麺 辛さMAX やる気ラーメン」など、新堀川店限定メニューあり。FC店含めてグランドメニュー展開できるか、リサーチするテスト店舗でもあると思われる


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店内は42席。オープンキッチンを囲むようにカウンター席とボックス席が配置されている。水はセルフ、食べ終えた食器はお客様自身で返却口まで。フードコート方式が定着した昨今、セルフ方式はお客様に抵抗なく受け入れられている

 女性客が気軽に入りやすく、男性客でも気圧されない、程よいお洒落な空間で、女性客が約半分。サラリーマンやOLのお1人客や、中高年グループ、幼児連れの家族連れと、客層は幅広い。

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「韓丼 東岡山店」店内(公式ツイッターより)本店以外は注文受付口で食券を渡して、できあがれば自分で受け取りに行くセルフ式フードコートスタイル

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カウンター席のすぐ前にある焼き台でシズル感たっぷりにカルビを網焼き(画像は公式サイトより)


 注文ごとに350℃の高温で110秒間一気に焼き上げる(公式サイトより)にもかかわらず、見ているとカルビ丼の提供スピードは5分以内と早い。メニュー表によるとスン豆腐は約7分。10分足らずでサッと食べて帰られるお客様も多く、回転率は高い。

 インスタグラムやツイッターなどSNSでの投稿から、リピーター率の高さも見て取れる。20人程並んでいても10分少々で座ることができた、とFC店に行った方からの投稿もあるように、提供スピードの早さは、システムとして完成されているようだ。

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新堀川本店メニュー表。カルビ丼とスン豆腐の単品だけなら夜の集客が難しいかもしれないが、定食の存在は大きい。ディナー需要も満たしていると思われる。ファミレスで食事をすると軽く1人1000円以上かかってしまうところ、カルビ定食890円など、ほとんどの定食が1000円未満と値ごろ感もある。うどん以外の多くのメニューが、レンジ加熱OKな容器で持ち帰りも可能

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スン豆腐はホルモン、海鮮、和牛すじ肉、辛くない白海鮮の5種類から選べて同価格。+170円で具材2倍、有料トッピング(30円〜)で1辛から7辛まで辛さ調整できる

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7〜8分で到着した、2大名物料理が食べられる、カルビ丼ミニとスン豆腐(和牛すじ肉)セット

 スン豆腐は、熱々のグツグツで提供される。メイン具材以外は、豆腐、アサリなど。自家製トウガラシベースの調味料(タテギ)で煮込んだ、程よい辛さのコクあるスープは、まさに専門店の味。

 「秘伝のタレ」は合成保存料、着色料不使用、フレッシュフルーツや野菜を使用しているとか。既製品のいわゆるチェーン店の味とは完全に一線を画している。

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カルビ丼は、母体が老舗焼肉店だけあって、赤身と脂身のバランス良い肉質で香ばしく焼き上げている。タレはニンニクが効いた甘辛ダレ。体育会メシ的な過剰なコッテリ感はなく、最後まで飽きずに食べられ、女性客が多いのも肯ける。公式サイトに「焼肉のファーストフード」と掲げている通り、焼肉店のカルビの丼であって、牛丼ではない。並、大盛りは+160円で肉大盛り可

 ここ10年ほどの間にも、多くのチェーン店が現れては消えていったが、泡沫バブル店舗の多くは、見せ方や形、仕組みには長けていても、肝心の商品力(料理)に問題を抱えている場合が多かった。「韓丼」は焼肉業態が母体という強みを最大限に活かすことに成功している。

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行列ができる「韓丼 山形あかねヶ丘店」。11月14日オープンの40店舗目。(公式ツイッターより)

 こだわりの個人店クオリティーの料理を、バリエーション豊富に、どの店舗でも均質にスピード提供できるとあれば、専門店が少なく、ライバルほとんど存在しない郊外で人気というのも肯ける。

 気付けば、先行するスンドゥブ専門店「東京純豆腐」の国内37店舗(海外7店舗)を上回り、スン豆腐業態では日本一の店舗数だが、このパッケージで出店できるエリアは全国規模で存在する。

 「おいしい!という食の感動を全国に」と、2020年にグループ100店舗を目指して快進撃を続ける株式会社やる気。その店舗展開の中心を担う「韓丼」は、直営ではなく、フランチャイズ加盟店とタッグを組んで各エリアへの出店を進めている。公式FC募集ページによると、居抜き物件なら投資回収1年半の実績ありと、収益性は高い。ライセンス加盟店は引き続き募集している。

 次回から5回に分けて「韓丼」のヒットの理由を掘り下げていきたい








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