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取材・執筆 : 中山秀明 2019年9月16日執筆
健康志向の高まりやインバウンドの影響で、野菜がいっそう注目される昨今。外食ではサラダ専門店なども増えているが、野菜がしっかり入ったスープの需要もあるのではないだろうか。そんなことから今回、ランチにサラダを提供している3つの店舗に、サラダorスープで提供する企画を共同開催。オーダー率や反響はどうなのか、現場の声を聞いた。
1軒目は"リゾットカフェ"というユニークな業態で人気の「東京基地」(株式会社壱or八、増子竜一代表)の渋谷店。昼はリゾットのほかパスタ、ピッツァ、ガレットなど計10種以上をサラダ付きで提供しているが、サラダorスープで選べる形のトライアルを実施した。
「サーモンとイクラとホウレン草のクリームリゾット」のスープセット(1380円)。
開発したのは、トマトのうまみ豊かなミネストローネ。サラダがなくても野菜がたっぷり食べられるよう、季節の野菜をふんだんに入れた温かいスープだ。「当店は温かいリゾットがメインなので、冷たくてメリハリのあるサラダを好むお客様が多いとは思います。また、今の時季はまだ暑い日もあって、あまり出ないかなと思っていましたが、3分の1の方はスープを選ばれている印象。意外に需要があることが分かりましたし、これから冬を迎えますよね。スープはかなりアリだということを実感しました」(柴田嘉夫店長)。
調理は写真の菅原洋祐シェフが担当。「オペレーション的にも難しくなく、なおかつリゾットとの相性もいいと思いました」
「うちのお客様は女性が多くを占めており、野菜はアピールできる武器のひとつ。また、サラダとスープで選べることはお客様にとってもよりうれしいでしょうし、今後はクリームベースのクラムチャウダーもいいのかなと思っています。開発の余地は大アリですよ!」(柴田店長)。
【取材店舗】Risotto Cafe 東京基地 渋谷店
住所:東京都渋谷区宇田川町28-1 高山ランド第15ビル 7F
TEL:03-3770-8960
次に向かったのは、渋谷駅すぐのビル8階にある「ミクロコスモス」(株式会社グローバル・ハーツ、村田大造代表)。プルドポークやスペアリブといった本格BBQ料理を、自家製で提供している希少なカフェダイナーだ。ランチでは名物の肉料理がメインのBBQプレートのほか、ご飯もののプレート、ハンバーガー、パスタ、スープサラダランチと豊富にラインナップ。そのなかで、ご飯もののプレート、ハンバーガー、パスタのセットをサラダorスープで選べるようにした。
「本日のパスタ(この日は『スモークサーモンとほうれん草のクリームスパゲッティ』)」のスープセット(900円)
インタビューには富永貴宣マネージャーが対応。「当店のメニュー構成や、季節的なものを鑑みて、トマトベースのミネストローネを提供しています。その日の天候などにもよるのですが、感覚値ではサラダとスープが半々または、サラダの方が少し多く出ている印象ですね。冷製スープにしているわけではないので、まだ寒い時季ではないのにこれだけのお客様が温かいスープを選ぶというのは予想以上でした」。
富永マネージャー
「当店ではシェフが自家製で作っているスープ&サラダランチも別でご用意しており、ヘルシー志向の方や野菜好きな外国人のお客様に喜んでいただいています。ただ、ハンバーガーやパスタのわき役としてのランチスープにも可能性があることを感じました。一定期間、ちゃんとデータを集計して今後に生かしたいと思います」(富永マネージャー)。
【取材店舗】ミクロコスモス
住所:東京都渋谷区渋谷1-25-6 渋谷パークサイド共同ビル 8F
TEL:03-3409-6581
最後は、渋谷駅の地下鉄13番出口目の前の施設「cocoti SHIBUYA」内にある「347CAFE&LOUNGE」(株式会社ユニマットプレシャス、髙橋洋二代表)。100席を誇る広いテラスシートが印象的な、リゾート感あふれる人気店だ。2~3週間のサイクルでメニューを変えており、初秋は人気のオムライス、クロックムッシュ、サンドイッチ、パスタと6種のランチを用意。ミネストローネとクリームスープをブレンドした温製スープを、サラダと選べるスタイルで提供した。
「ふわとろチーズオムライスのハヤシソース」のスープセット(1100円)
同店の多彩なメニューは、河野靖弘シェフが開発。現場の感触や声を教えてくれた。「うちは女性のお客様が多いということもあって、野菜を取り入れたメニューは多いと思います。ミニサラダ的な生野菜をメインに添えるプレートやサンドなどもあるので、そういったプレートにはスープの方が好まれるかもしれませんね。選択肢があるのは喜ばれますし、改めて良い気付きになりました」。
河野シェフ
10月の新メニューも考案中の河野シェフ。寒くなる時季を迎えるにあたっても、スープの可能性は大きいと言う。
「日にもよりますが、数日間トライアルしてみて想像以上にスープが選ばれることを実感しました。冬は根菜のシーズンですし、"飲むサラダ"としてスープを提案するというアイデアはいいかもしれませんね。味やプレゼンテーションは変えると思いますが、今後の手法のひとつとして考えていきたいです」。
【取材店舗】347CAFE&LOUNGE (サンヨンナナカフェ&ラウンジ)
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocotiビル 3F
TEL:03-5766-3798
今秋はラグビーワールドカップ、来年にはオリンピックを控え、訪日外国人の数がますます増える日本。ハラルフードのニーズやベジタリアンの需要もあるなかで、"飲むサラダ"という提案は非常にありだといえるだろう。
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