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外食ニュース

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2019年7月23日(火)07:48

伝統料理を現代風にアレンジして大ヒット「串イッカ」【大阪】

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取材・執筆 : 西尾昭彦

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 農作業の合間に、農工具の鋤(すき)で鴨など鳥肉を焼いて食べたことに由来する「くわ焼き」を現代風にアレンジ。オリジナルの創作串料理の「串イッカ」を大阪・福島で創業。業態寿命が5年とも言われている中、創業6年で福島、天満、難波、梅田と、大阪屈指の飲食店激戦区に4店舗を展開する。



 「創作串揚げ、鉄板料理、(古典的な)くわ焼き店で修業して、それぞれの業態の良さを掛け合わせて、現代的な、オリジナルの鉄板串業態を作り上げました」と、串イッカ代表の田中良典氏。

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「串イッカ代」表の田中良典氏


   「鉄板串と酒 串イッカ 福島店」で独立を果たしたのは2013年12月。

  「梅田から1駅で駅から徒歩2分。チャンスはあると思いました。認知されるまで少し時間がかかりましたが、半年ほどでリピーターが増えて軌道に乗りました」。

 創業時点で業態はほぼ完成しており、中軸メニューも変わらず。鉄板串焼きから冷製まで、創作串だけで40種類以上。更に一品料理も豊富で、昨今ブームの肉寿司や、九州発祥の野菜巻き串も、創業時からメニュー展開していた。オペレーションが重たいため、人材育成に時間がかかる反面、真似されにくいメリットもある。

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 「今や美味しいのは当たり前です。いかにそれ以上の付加価値を付けるかが重要です」

 16年6月にオープンした「鉄板串ト酒 串イッカ 南船場店」ではクローズも経験したが、17年4月「鉄板串ト酒 串イッカ 天満店」、2018年2月「鉄板串ト酒 串イッカ 難波店」を、同年11月には「鉄板串ト酒 串イッカ 東梅田店」と、繁華街立地で堅実な店舗展開を進めている。

 15坪30席を基本に、客層は20代から30、40代を中心に50代まで幅広い。客単価は各店3000円台。中でも天満店は、人気店密集する天満エリアで、狭小立地ながら、坪売り70万円の超繁盛店だ。

 全店同業態でありつつ、立地や利用動機の違いから、職住近接エリアの福島店はランチ営業あり、夜は団体利用が多くコース料理も人気。飲食街である東梅田と天満は昼飲みから通し営業。外国人観光客も多い難波と、それぞれ特徴がある。


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平日17時でも満席の天満店。

 グランドメニュー以外のフェアメニューは、店長裁量も大きい。会社のやり方をベースに、各店長が個性を発揮して、独自色を出している。いかにお客様の気持ちに近づけられるか、どうすれば喜んでもらえるかを考えて、楽しく気持ちを込めて、個人の力を発揮してもらう環境づくり。

 「人口減少が進むと、顧客の確保やリピーター化はより難しくなってきます。お客様の想像を超える、喜んでもらえる店づくり。美味しいのは当たり前。付加価値をどう上げていくか、日々考えています。人生は一回きり。やり切ることが結果につながると思っています。」

 「社員は各店舗2~3人。今は自分が各店舗を回って、スタッフと顔を合わせてコミュニケーションをとり、想いを共有することを大切にしています。年1~2店舗の出店ペースなら現状で対応できますが、それ以上の多店舗展開をもし目指すなら、人材採用、育成、マネジメントなど、これまでと違う仕組み作りが必要になってくるでしょう。」

 働き甲斐とインセンティブを用意するなど、労働環境の整備も同時進行で進めている。

 「社員は20代後半から30代が中心ですが、面接で、ウチに合いそうだなとピンとくるものがあれば50代や60代の方も採用しています」と、人材採用は柔軟。

 「大きい重たい石を押していたら、少しずつ動き出してきた感じですね。ノリと勢いも時には大事ですが、計画性を大切にしています。5年後にはこうなっていたい、というヴィジョン、常に先を見据えた行動を積み重ねてきました。」

 「自分ひとりで始めて、従業員が増えて、彼らの人生もかかっているので、責任を感じています。お客様が喜ぶお店、従業員が喜ぶ会社を目指しています。スタッフと家族のような関係で、楽しく展開していきたいですね。」

 これまで繁華街中心に展開してきましたが、オフィス街立地にも興味がありますし、別業態も考えてはいます。チャンスがあれば、いずれは挑戦してみたいですね。」

 既存業態を模倣するのではなく、組み合わせて進化させることで、他にないオリジナル業態を作り上げることで他店と差別化した繁盛店を展開する「串イッカ」。

 どこに出店しても金太郎あめのチェーン居酒屋が失速した轍を踏まず、立地に合わせて微調整し、接客やサービス面でも抜かりなし。今後の展開が実に楽しみな新進企業だ。

■鉄板串と酒 串イッカ 福島店
住所:大阪府大阪市福島区福島7-13-7 福島北館ビル1F
TEL.06-6454-5955
http://kushi-ikka.com/

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