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2019年4月26日(金)14:50

ビネガーとオリーブオイルで自分好みに作るサラダ(後編)

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取材・執筆 : 鈴木桂水 2019年4月16日取材

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 欧米では主流の『自分好みにアレンジする』ビネガー&オリーブオイルで食するサラダ。そのスタイルが日本にも上陸。ヘルシー志向の女性を中心に広がりを見せているようだ。そのスタイルをいち早く取り入れている高感度なお店に潜入取材、お客様の反応を聞いてみた。

 東銀座駅から徒歩2分に位置する「スタンドバイファーム」は無農薬有機栽培の野菜をメインとしたバル・ビストロ業態。千葉県に自社農場を所有し、年間で有機無農薬野菜を150〜160種類栽培し、店舗へ直送している。スコップや備中鍬などの農機具をアレンジしたデコレーションを施したウッディーな店内は、都会の喧噪をしばし忘れさせるぬくもりがある。

 客層は近隣のビジネスパーソンがほとんどを占めている。野菜中心ということもあり、女性がほとんどだったが、最近は健康に気を遣う男性も増え、今では女性7:男性3ほどの割合になっている。近隣にはホテルや歌舞伎座があることから、外国人観光客の来店も増加中だ。

 人気メニューは栄養バランスが良いとして知られる「ケール」をふんだんに使ったサラダだ。ケールと言えば一般に青汁の原料として知られる"美味しくない野菜"という印象があるが、同店では年間を通じて10種類以上の食べやすいケールを栽培し提供している。今の季節は「コラードケールのワイルドシーザーサラダ」(ハーフ580円/フル890円)が人気。ディナーでは約8割が注文する定番になっている。

 このサラダ、従来は野菜をふんだんに使ったドレッシングや、アンチョビやレモンを加えたシーザードレッシングが定番人気だった。

 今回、アップルビネガーとオリーブオイル、塩を別々で提供するスタイルを採用した「コラードケールのワイルドサラダ」をメニュー化したところ、多くのお客から「こんなサラダを食べたかった!」と声が多く好評を博している。

 同店の裏山雄大店長は「オフィス街ということもあり海外のお客様が多いのですが、海外の方にはビネガーとオイルをセパレートで提供すると喜ばれます。リピート回数もいま以上に増えたように思います」と手応えを感じている。

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 セパレート提供は、ドレッシングと違い、味の押しつけにならず、個人の味の好みに合わせて味付けできることはもちろん、オイル、塩分、酸味など体調に合わせて調整出来るのも歓迎されている。

 もともと、同店には体のために有機野菜を好み、デトックス効果のあるケールを摂りたいという健康志向の客層が厚いというので、それにマッチしたようだ。

 「アップルビネガーは香りがやさしく、酸味もマイルドで、食べやすいですね。これまで「酢だけかけてくれ」というようなオーダーも多かったため、今回のスタイルは好評をいただいています。」と裏山店長。

 ランチはメインのおかずと有機無農薬野菜の食べ放題ビュッフェがついたセットで1000円なので人気。このランチタイムは、テーブルセットとして、オイルと塩を置いていたが、アップルビネガーもセットしたところ、サラダだけでなく、料理も"味変"できると受けが良い。

 ビネガーとオイルのセパレート提供は、健康志向に敏感なユーザーのニーズをしっかりと受け止めていると感じた。

【取材店舗】スタンドバイファーム
住所:東京都中央区銀座3丁目12ー7 原町ビル
TEL:050-5590-2196


 続いて、紹介するのは有楽町駅と銀座駅の中間に位置する有楽町イトシア内にある「モアナキッチンカフェ」だ。

 依然として人気があるパンケーキやバーガーなど、ハワイアンメニューが楽しめる同店では、サラダも品数が多い。コブサラダやシーザーサラダのほかに、パワーサラダが人気だ。

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 パワーサラダとは、野菜だけでなく、フルーツ、タンパク質、トッピングを乗せたサラダのこと。肉や魚、ベーコンなどが乗り、トッピングにはナッツ類や雑穀、チーズ、ドライフルーツ、クルトンなども乗る。栄養価だけでなく食感や味の多彩さも楽しめひと皿で食事として完結するサラダだ。

 同店のパワーサラダは6種類のオリジナルドレッシングが選べるのがウリだが、今回ビネガーとオイルのセパレート提供に挑戦した。それが、4月から新メニューとして登場した「サーモンとロマネスコとイチゴのパワーサラダ」(1380円)だ。

 このサラダは他のパワーサラダとは異なり、アップルビネガー、オリーブオイルを別々で提供する形式にした。

 黒崎貴生店長は「通常のスタイルを変えたことで常連客からは選べないのか、という質問もあったが、実際に召し上がっていただいたお客様からの反応は上々。まだ一度も残されたことがないですね」と話す。従来のサラダで使うクリームチーズよりもあっさりとしたカッテージチーズをあわせたことで、軽い食感のサラダとなった。

 ビネガーとオイルのセパレート提供はまだ馴染みが無いので、当初は塩を添えずに提供したところ、最初のひと皿で、お客から要望があった。いまでは、ビネガー、オイル、塩をセットで提供している。

 黒崎店長は慣れてないお客に「まずオイルをかけ、ビネガーは中央から外側へ一周半ほどかけて混ぜ合わせ、塩はお好みで」と丁寧な説明をするようにしている。塩を先にかけると液体調味料で流れ落ちてしまうため、順序も大切だとのこと。

 同店では6種のドレッシングを通常は20ccほど添えての提供になるが、器に使いきらない分が残って戻ってくることも多い。調味料をビンごと置くスタイルならば使う分だけ提供が可能なため、全体の食品ロスが減少できると歓迎している。

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 黒崎店長は「ビネガーとオイルというシンプルな味付けなので、今後は具材の味を濃くするなど、全体のバランスを考えてメニューづくりをしたい。この提供方法は、今後に期待できると実感しましたが、やはりビネガーの風味は重要だと思います。その点、アップルビネガーはどの食材とも合わせやすいので可能性を感じました」と話す。

 ドレッシングが選べる人気の店舗でこそ、ビネガーとオイルのセパレート提供のシンプルさが際だった好例だ。新しいサラダの提案の気付きになっていたと感じた。

【取材店舗】モアナキッチンカフェ
住所:東京都千代田区有楽町2丁目7ー1 有楽町イトシアB1F
TEL:03-5222-3877


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