やじうま速報
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取材・執筆 : 酒井慎平 2016年4月21日

熱海地産の天城軍鶏や地元銘柄鶏を堪能できる本格炭火鶏料理専門店「熱海 多賀屋別邸」が、4月24日(日)に、静岡県熱海市にオープンする。
軍鶏の中でも群を抜くレベルの味を誇る熱海の「天城軍鶏」。この軍鶏を使いこなせる業者は国内でも非常に少なく、流通量が極端に少ない幻の鶏。「この鶏肉の特徴は、例えば一般的な串のサイズで焼き鳥として刺しても、3本食べれば満足できるほど、とにかく旨味や食感が重厚で、うちの熟練の職人たちが、全員束になって振り回された(同グループ会長高取取談)」と言わしめるほどの実力を持つ。
実際の商品開発の現場では「この上質な鶏肉の味をさらに引き出すにはどうすれば良いか」「最も美味しく食べる方法は何か」と、幾度となく試作と研究が繰り返されたが、実に商品完成までに1年以上の時間を要したという。
同社はノウハウや味覚をもつ職人集団を率いているが、それが逆に裏目に出て商品がなかなか完成しない。この軍鶏の味に惚れ込んだ彼らの繊細な味覚とセンスが逆に妥協を許さなかったのだ。
開発着手から16ヶ月後、ようやく全員が納得できるクオリティの料理が完成した。それが今回多賀屋別邸にお目見えする全く新しい概念の「天城軍鶏とりまぶし」という料理だ。
朝引きの天城軍鶏の身を部分ごとに丁寧にさばき、各部位による味や食感の違いを楽しめるにそのきり方からこだわった。

▼とりまぶしの食べ方
うなぎのひつまぶしと同様に3度に分けて食すが、熱海のとりまぶしは全て違う考えで取り組まれている。まず薬味は、圧倒的な鮮度と美味しさを誇る地元のワサビ田農家芳野さんから毎日送られてくる生わさび。焼きたての鳥に、おろし立ての爽やかな香りにツンとした辛さは抜群の相性で「最初はそのままで」といわず、一杯目からワサビのおろし立てを好きにまぶして食べる。

2杯目は、濃厚な温泉半熟玉子をまぶしてトロトロのとりまぶし玉子ご飯、いわゆる「半熟焼き親子丼」状態でかきこめば食べることの幸せを心から感じさせてくれる。

そして3杯目は、自家製の濃厚な鶏白湯を注ぎ、海苔と三つ葉、わさびをたっぷり乗せてお茶漬けとして楽しむ。この鳥白湯は同社のノウハウで72時間手間隙かけて作り込まれておりコラーゲンがとても豊富で、コクとまろやかさが尋常ではにシロモノだ。
また、炊きたてご飯と焼きたての鳥の間に女房役として乗せられた高階料理長渾身の「鶏そぼろ」もしっとりとした品の味付けで、もし3杯で食べきれない場合は、「そのままで」余すことなく食べ尽くしてもらいたい、とのこと。
極めつけは付け合せのぬか漬けなのだが、新鮮な地元野菜がなんと150年モノのぬか床で漬けられている。また手作りの鳥つくねや、別皿でトロリと焼かれた鳥レバーも肝焼きとして堪能できるので、是非召し上がっていただきたい一品だ。

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