やじうま速報

■外食事業部門■

●河村 泰貴 氏
株式会社吉野家ホールディングス 代表取締役社長
《表彰理由》
これまでお酒を提供することに重きを置かなかった「吉野家」でお酒やおつまみを提供する「吉呑み」を広げた。これは牛丼の専門チェーンが、よりお酒を飲みやすい売り方に切り替えて売上の底上げを図ったもの。フードメニューはグループの事業会社で提供しているものを活用した。この仕組みは「ちょい飲み」と言われるようになり、他のファストフード、ファミリーレストランに広がりを見せて、これらの業態にとって新しい顧客層を生み出した。

●加治 幸夫 氏
株式会社物語コーポレーション 代表取締役社長・COO
《表彰理由》
2015年6月期で10期連続の増収増益を達成。特に郊外型焼き肉店が好調で、焼き肉業界全体を引き上げた。また、多業態を推進し、それぞれが補完し合う体制を築いた。小林佳雄前社長(現代表取締役会長・CEO)の後継として2011年9月代表取締役社長・COOに就任。「Smile & Sexy」という同社独特の経営理念の下で小林会長と共に魅力ある企業文化と、開放的でかつ信頼でつながる組織の醸成に努めた。

●法師人 尚史 氏
元気寿司株式会社 代表取締役社長
《表彰理由》
回転寿司チェーン「魚べい」などで、回転レーンを持たないオールオーダー型店舗という新たなモデルを構築。オールオーダー型店舗は高速レーンとタッチパネルを設置して利用者の注文に応じて寿司を提供する。「できたての寿司を食べたい」という利用者のニーズに応えた。オールオーダー型店舗は大手回転寿司チェーンの間で導入されている。

●清水 謙 氏
株式会社WDI 代表取締役
《表彰理由》
米国・ニューヨーク発祥のステーキハウス「ウルフギャング・ステーキハウス by ウルフギャング・ズウィナー」を東京、大阪に3店舗展開。ニューヨークにあるステーキハウスの雰囲気を再現し、1号店の六本木店は年商15億円超の繁盛店となる。客単価1万円台の業態でありながら、「特別な日の食事を楽しみたい」という利用動機を開拓したことが大ヒットにつながった。海外ブランドを多数手がけてきた点も活かされている。

●山本 光弘 氏
株式会社ヒロコーヒー 代表取締役社長
《表彰理由》
いち早く「認証コーヒー」に取り組み、業績を伸ばした。コーヒーの生産地に自ら赴き、生産者と交流を深めている。認証コーヒーとは、環境に配慮したコーヒーで、農園で働く人々に適正な報酬を支払うことを目指したフェアトレードや、熱帯雨林や野生生物、水質源の保護などを行うレインフォレストアライアンスなどがある。そうした認証コーヒーに付加された社会的な価値を、まだ消費者の認知が低いころから訴求し続け、現在では取り扱うコーヒーの78%を認証コーヒーが占めるまでになっている。
■食材事業者部門■

●藤木 徳彦 氏
特定非営利活動法人日本ジビエ振興協議会 理事長
《表彰理由》
野生鳥獣(ジビエ)料理の啓蒙普及において大きな役割を果たした。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農作物の被害が深刻化する中、捕獲した鳥獣を食肉として活用して地域おこしに繋げる連携強化のために、2012年「日本ジビエ振興協議会」を設立。同協議会は、地方自治体との連携、飲食店や家庭向けの料理講習会の開催、加工品開発のサポートなど様々な取り組みを行なっている。藤木氏がメニュー監修を務める、大手外食企業のジェイアール東日本フードビジネス株式会社のハンバーガー店「ベッカーズ」などと連携したジビエ・メニューの提供も2015年で5年目を迎えた。
■特別賞 受賞者

櫻田 厚 氏
一般社団法人日本フードサービス協会 会長
《表彰理由》
イタリア・ミラノで2015年5月から10月まで開催された国際博覧会・ミラノ万博において、日本政府の委託を受け日本館レストランの運営を行なった。そこで日本の外食企業の実力を世界に広く示すと共に、日本食や日本食文化のPRで多大な貢献を果たした。日本フードサービス協会は、創立40周年を迎えた2014年に「国際化元年」を宣言。重要課題の一つに「グローバル化への対応強化」を掲げ、国内農林水産業や食品メーカー等とも連携して輸出拡大を支援する活動を推進している。
~2015年 外食キーワード~
「ちょい飲み」
手軽に短時間で飲酒するスタイルのこと。古くから立ち飲み酒場などではあったが、牛丼チェーンをはじめファミリーレストランなど大手チェーンがディナータイムの集客策として取り入れ、注目された。
「高価値路線」
高品質の食材を使い、従来よりワンランク上の美味しさを提案する商品政策。ファミリーレストランを中心に手がける企業が増え、景気好転機運のもと、客単価向上による業績回復のきっかけとなった。
「異物混入」
大手ファストフードチェーンの商品にプラスチック片が入り、ブランドを大きく毀損した事例が出た。SNSなどの口コミ的な情報流通が大きな位置を占めるようになっているなか、小さなミスが許されない時代になったことを反映している。
「クラウドファンディング」
インターネットを通じて、不特定の個人・団体から小口の資金を集める新しい資金調達方法。飲食業の起業は金融機関からの借り入れのハードルが高いが、この仕組みを使うことで思いを実現する経営者が増えている。
「かき小屋」
日本版オイスターバー。漁師小屋風なカジュアルな内装で、焼き牡蠣などを提供する。「体験する」ことを価値と感じる消費者が増えているなか、都市部で産地体験をできることが評価され、急速に店舗数を伸ばしている。
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