フードリンクレポート
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取材・執筆 : 南原卓也 2023年3月30日
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「ハイボールって、ウイスキーをソーダで割った飲み物じゃないの?」
居酒屋で数多ある「〇〇ハイボール」というメニューを見て、こう感じている方もいるだろう。確かに「ハイボール」とえば、日本ではウイスキーをソーダで割った飲み物が一般的だ。しかし、正しくは「蒸留酒をソーダで割ったカクテル」のことを指す。
株式会社フードリンクグループは、ハイボールと相性が良いとされるガッツリ肉料理の代表格「やきとん」を提供する飲食店30店を対象に、「どのお酒を使用したハイボールがやきとんと合うか、飲みたいか」といった調査を実施。5種類のお酒でそれぞれ作ったハイボールを各店スタッフがブラインドで試飲し、それぞれが評価した結果をランキングにして発表した。
※1位:5ポイント 2位:4ポイント 3位:3ポイント 4位:2ポイント 5位:1ポイントでスコア付け
※各ハイボールは全て1:4のソーダ割
調査の結果、1位に選ばれたのは「ラムのハイボール」。次いで「芋焼酎」、「ジン」、「ウイスキー」、「バーボン」という結果。
この結果を受け、「ラムのハイボール」を1位に選んだ中から2店に訪問。「ラムのハイボール」を1位に決めたポイント、ラムハイボールとウイスキーハイボールとで感じた違いについて尋ねてみた。
■蒲田串焼家 昭和横丁(東京都大田区西蒲田)
1軒目は「蒲田串焼家 昭和横丁」。一歩足を踏み入れれば、昭和30~40年代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。この景色は、昭和を知る人には懐かしく、若い人には目新しく感じるらしい。お店には実に幅広い年齢層の方が訪れる。
昭和レトロな雰囲気の中で、選べるメニューはなんと100種類以上。1本1本串打ちし、丁寧に焼き上げる「やきとん」は、その中でも人気のメニューのひとつだ。
「蒲田串焼家 昭和横丁」店主の川原 賢治さん
「ハイボールブームになってから、ソーダで割る飲み方をオーダーするお客様が増えました。」そう話すのは店主の川原 賢治さん(以下、川原さん)だ。
川原さんは、「圧倒的な飲みやすさ」と「まろやかで甘い香り」を理由に、ラムのハイボールを1位に選んだ。
「私は食いしん坊なので、料理を美味しくたくさん食べる為にお酒を選びます。ラムのハイボールは、他のハイボールに比べてとにかく飲みやすかった! 飲んだことがない方も、一度試せばリピートしたくなるのでは?」(川原さん)
■秀吉 神保町水道橋店(東京都千代田区内神田神保町)
2軒目は「秀吉 神保町水道橋店」。リーズナブルな価格設定と、1本からオーダーできる「串揚げ」が人気の大衆居酒屋だ。立地柄、学生とビジネスパーソンで賑わうことが多い。
「やきとり」と「串揚げ」がメインのお店ではあるが、その中に割って入る人気を誇るのが「豚バラ」だ。炭火で丁寧に焼き上げた「豚バラ」は、香ばしい焦げ目と脂の甘味が見事に調和する。ついついお酒もすすんでしまう一品だ。
ブラインド試飲を行ったのは、営業統括部長の上中 勇耶さん(以下、上中さん)。普段はウイスキーハイボールを好んで飲むという。
「普段から飲み慣れている分、ウイスキーのハイボールはすぐにわかりました。その上で、やきとんと合うハイボールと考えたとき、ラムのハイボールが一番でした。」(上中さん)
ウイスキーのハイボールとは異なるラムの個性が、豚肉の個性にマッチすると感じた。
「香りは甘いのに、味は甘くない。個人的には、ウイスキーハイボールとサワー類の中間にあるイメージです。甘いお酒が苦手だからウイスキーハイボールを飲んでいる方、逆にウイスキーが苦手だからサワー類を飲んでいる方には、ラムのハイボールは間違いなくハマる気がします。」(上中さん)
そもそも「ラム」ってどんなお酒? 「日本ラム協会」会長・海老沢 忍さんインタビュー
「日本ラム協会」会長・「SCREW DRIVER」オーナーの海老沢 忍さん
「ラムハイボール」が「やきとん」に合うことはよくわかった。しかし、そもそもラムとはどんなお酒なのだろうか?「日本ラム協会」会長で、東京・吉祥寺にあるラム専門バー「SCREW DRIVER」オーナーの海老沢 忍さんに話をうかがった。
ー早速ですが、「ラム」とはどんなお酒なのでしょうか?
シンプルな言葉でいうと「サトウキビで造られる蒸留酒(スピリッツ)」ですね。
例えば、ウイスキーって基本的に茶色いですよね。熟成していないとウイスキーと名乗れない。でもラムは、「サトウキビで造られる蒸留酒(スピリッツ)」ってこと以外ルールがないから、色は白も金も茶もあるし、漬込み酒もある。皆さんが掴みどころのない摩訶不思議なお酒だと感じるのは、それが理由じゃないですかね(笑)
ーなるほど。そんなラムの魅力を教えてください。
ラムは、サトウキビが採れる世界中で造られているわけですよ。一番有名なのはカリブ海ですが、その中でもキューバとジャマイカのラムでは全然違う。キューバは比較的飲みやすく、ジャマイカは骨太な感じ。もうコンセプトそのものが違うわけです。
原産地呼称もないから、「サトウキビで造られる蒸留酒(スピリッツ)」であれば、世界中で造ることができて、それこそ日本でもフィリピンでもインドでも造っています。どんどん新興国も造り始めているから、とにかく産地と味のバリエーションが豊富。ビッグメーカーからクラフトメーカーまで、一括りで「ラム」なのが魅力だと思っています。
ー一般的にラムはカクテルに使うお酒ってイメージがありますよね。
「モヒート」、「ダイキリ」、「ピニャコラーダ」に「キューバリブレ」。それは間違いないですね。
ー今回の調査で、「ラムのハイボール」が最も「やきとん」と合うという結果になりました。これについて何かお気づきになる要因などありますか?
僕も「ラムにはどんなフードが合いますか?」ってよく質問されますが、肉の中でも特に豚肉はよく合います。ラムは脂との相性が良いですからね。
ラムの産地をみるとよくわかるのですが、カリブ海周辺とか、世界的にラムを造っている地域は豚や鶏を食べる地域が多い。地のもの同士、当然、相性は良くなります。
それこそ豚肉とラムでいえば、「イベリコ豚」が有名なスペインでは、「ラムのセブンアップ割り」とか飲んでいますよ。
今回の調査の話をすると、試飲した他のお酒に比べてラムにはほんのり甘みが乗っていますよね。そこが「やきとんと合う」って判断になったと思います。
ーそう考えると、やきとん以外にも色々と合う料理がありそうですね! 最後に、家でも簡単にできるラムのオススメな飲み方を教えてください。
いいラムをストレートで飲む日もあれば、ソーダで割ってカジュアルに飲む日があってもいいですよね。そういう意味で、家では色のついたラムを1本持っておくと便利だと思います。2~3年熟成のゴールドラムは、スーパーでもお手頃価格で買えるのでオススメです。
例えば、パートナーと一緒に食事をするときにはハイボール、じっくり飲むならロックやストレートみたいに使い勝手がいい。寒い日はお湯割りもいけます。
ホワイトより樽香があって、ハイボールにしてもカクテルにしても、ちょっとラグジュアリーな雰囲気で作ってみるのも面白いと思いますよ。お酒を楽しむっていうか、みんなの"遊び"の選択肢としてラムを認識してくれたら嬉しいですね。
一度試せば、ついリピートしたくなるラム。そんなラムの世界の入口として、「ラムのハイボール」はいかがでしょうか?
<取材店舗>
「蒲田串焼家 昭和横丁」
東京都大田区西蒲田7-46-3 鈴勝ビル1F
TEL:03-6715-7712
「秀吉 神保町水道橋店」
東京都千代田区神田神保町2-48-3
TEL:03-6272-9440
「SCREW DRIVER」
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-15 東永ビル 4F
TEL:0422-20-5112
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