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2019年8月15日(木)14:04

<上場外食企業決算まとめ(前編)>勝ち組は何が優れていたのか?

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取材・執筆 : 竹中裕司 2019年7月2日

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 上場外食企業の3月期決算が出揃った。外食の場合、期が違う会社も少なくないが、3月期は50社以上もあり、一つの流れを検証するには、ちょうどよい素材だ。まずは増益を果たした企業をチェックする。

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 50社を超える企業のうち、経常利益ベース(純粋な営業で稼いだ利益に、預貯金の利子と借入金の返済利息を加えた数字)で増益だったのは、およそ半分の25社。好調企業と、そうでない企業の差が大きくなっているのが透けて見える。

 売り上げ、利益で最高値を叩き出したのは、ゼンショーホールディングス。売上高6076億円、経常利益188億円は、他を圧倒している。外食企業で経常利益100億円を超えたことがあるのは、記憶によれば、日本マクドナルド、すかいらーくホールディングス、そしてゼンショーくらいだろう。あくなき店舗展開志向が企業単体の売り上げレベルで外食トップを走っている理由が分かる(ブランド単体では「マクドナルド」がトップ。フランチャイズ化を進めたため、企業単体では、トップを落ちている)。

 注目株は、幸楽苑ホールディングス。売上高412億円、経常利益は16億円弱。収益性はいま、決して高くないが、郊外ラーメン店の展開だけでなく、「いきなり!ステーキ」や「焼肉ライク」の提携に踏み切り、餃子無料券を廃止するなど、創業者である新井田(にいだ)伝会長から事業を継承した新井田昇氏の攻めの姿勢が目立つ。

 意外なところで言うと、日本KFCホールディングス。こちらもFC展開が主なので、末端売り上げを反映していないが、売上高743億円、経常利益約30億円を叩き出している。一昔前のチェーンと思われがちだが、古くから展開している企業だけあって、立地は悪くない。もともとキャンペーンには熱心なチェーンだが、最近は「ケンタ丼」など、新しい試みにも積極的だ。そうした姿勢は、不思議なもので微妙にお客様に伝わる。その効果が現れた決算だった気がする。

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 面白いのは王将フードサービス売上高816億円で、経常利益73億円という高水準。こちらも半数以上がFC店(のれん分け)なので、単体売上高以上に末端では実力がある会社の一つだ。1年ほど前に、それまで店舗で包んでいた餃子をセントラルキッチンからの配送に変えた。お客様への影響がどうなるか注視していたが、あまりお客様は気にしていないことが分かった。中華というビッグマーケットで存在感を増しているだけに、まだまだ成長余地はありそうだ・

 増益企業の取り組みを見ると、とにかく新しいことにチャレンジしていること。中食、内食との競争が激化している中で、チャレンジ精神を失うと、どこかの大手かファンドに買収されることになるんだろうな、と思う(続く)。

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