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今、国内クラフトビール市場に大きな変化が起きている。キリンビール株式会社とスプリングバレーブルワリー株式会社は、"ビールにワクワクする未来を"をテーマとした活動の象徴的な取り組み「SPRING VALLEY BREWERY」で展開する、直営の体験型ブルワリー併設店「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」を4月17日(金)よりオープンする。その内覧会及び、事業詳細発表会が、同店舗が入る「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」にて、3月18日(水)に開かれた。今回は、その様子と共に競争が激化するクラフトビール市場の可能性について触れていきたい。
クラフトビールをより身近に体験できるブルワリー併設店「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」
今回、レポートする「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」と、同時オープンする「SPRING VALLEY YOKOHAMA」は、今年1月9日に新設されたキリンビールの構成会社で、キリンビールが運営しているオンラインショップ「DRINX」にて昨年夏より330ml瓶のクラフトビールを多種に渡り販売してきたスプリングバレーブルワリー株式会社が運営する。
4月17日(金)にオープンする両店は、「体験型」と「参加型」とコンセプトに掲げている。今まで以上にお客様にビール知ってもらい、経験・体験することによって、より身近に親しんでもらう事を目的としている。
朝から開店するオールデイダイニングのSVB東京、ビアダバーンのSVB横浜。200席以上の収容、様々なビール体験を提供する体験型店舗。
スプリングバレーブルワリーのブランドコンセプトは、"永遠に完成することのない「開かれた」ブルワリー"。縮小を続けるビール市場に対し、ビールに新しい価値を生み出し、ビールのワクワクする未来をつくるために挑戦し続ける。店舗は、"つくり手"と"飲み手"の交流によって、新次元のおいしさを生み出す。飲み手の「こんなビールがあったらいいのに」に、つくり手が持てる技を駆使して全力で応える。その結果として、つくり手と飲み手の垣根を越えたオープンなコミュニティを創造する。
店内は、朝・昼・夜その時々で変化する居心地の良い空間で、その場でつくられたクラフトビールが楽しめるオールディダイニング。ファクトリーと客席が融合したオープンでトランスペアレントな共創のコミュニティベースとなっている。
特筆すべきは、なんといっても店舗と製造設備を融合した空間である。店内からは、ガラス越しに実際にビールを製造している工程が見ることができ、見て感じ体験しながら実際にその場で作ったビールを飲むことができる。上の画像は「グラスブリューハウス」と言う、ガラスで覆われた特注の醸造タンクである。ここでは、実際に生きた酵母が泡立ち発酵している様子を見る事ができる。
また、これまたガラスで覆われた「シースルータンク」も見学が可能。ビールづくりを身近に感じられる様々な工夫をこらした製造設備には圧巻である。
提供方法にも注目したい。ビアサーバーには、4つのランドルが設置されていて、「ギャラクシーなどのホップ」、「レモン&バジル シナモンやペッパー等のスパイス」、「紅茶葉やブルーベリー&カシスなどのフルーツ」、「コーヒー豆やハチミツ漬オレンジピール」の4種類をビールにカスタマイズできる。ランドルとは、ホップやフルーツなどの自然素材にビールを通しことで、香りや風味を付加させるもの。上記画像のガラス管がそれ。
「496」。SVBのフラッグシップビール。究極のバランスで、強い個性と飲みやすさを両立。
「COPELAND」。W.コープランドの名を冠した、豊潤でありながらセッショナブルな新次元のピルスナー。
「Afterdark」。ロースト感や渋みを抑えた、柔らかな甘味と上質な苦味が楽しめる濃色ビール。
「on the cloud」。爽やかな飲み口と、白ワインのようなフルーティーな華やかな香りの上面発酵ビール。
※醸造途中で当日は提供できなかったため画像なし。
「Daydream」。和素材(柚子と山椒)を使った個性的な香りを繊細さがクセになるホワイトビールタイプ。
「JAZZBERRY」。ラズベリー果汁を加えて醸造した爽やかな飲み口のフルーツビールタイプ。
フードとビールのペアリングも注目。前菜からメイン、デザートまでビールと料理の驚きの組み合わせを提案。6種類のビールがテイスティングできるビア・フライトと、さらにそれぞれのビールにあわせたペアリングセットも提供する。

オープンは、4月17日(金)。
今後は、通年のコアアイテムだけでなく、季節限定メニューや、小規模だからこそできる実験的ビールの開発、店内の樽を使ったワインやシードルなどのビール領域の拡張も視野に入れている。
同店は、ビールのタイプによってグラスの形を変えるだけでなく泡の量にもこだわっていくという。また、クラフトビールをワインと同じように、フードとのペアリングにもこだわり、新しい料理とのマッチングも提案していく。クラフトビールがより身近な存在になりつつあるなか、いかにクラフトビールの価値を高め、クラフトビール市場におけるリーディングカンパニーになれるか注目していきたい。
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