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お店を知る

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2017年6月14日(水)17:07

昼はカフェで夜は肉&魚介バルの西海岸風ダイナー「DRAEMON MEAT BANK」。(東京・渋谷/カフェバル)

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取材・執筆 : 中山秀明 2017年6月14日

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 東京の中でも特に目まぐるしく進化する街・渋谷に、新たな商業施設「HULIC &New SHIBUYA」が5月26日にオープンした。地下2階~地上10階の構成で、3階から上はすべて飲食店。渋谷を中心にドミナント展開する企業も多く、今回はそのひとつ、DREAM ON COMPANY(代表取締役・赤塚元気氏)の新業態「DRAEMON MEAT BANK」にスポットを当て、赤塚代表のインタビューとともに同店の特徴を紹介しよう。

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店舗は6階に入っている。7階には(株)一家ダイニングプロジェクトの和食店「こだわりもん一家 渋谷店」、9階には(株)グッドスパイラルのイタリアン「イル リトローボ」など繁盛店が集結。

 「DRAEMON MEAT BANK」の特徴のひとつが、肉を軸に置きながら昼と夜で異なる展開をしていることだ。ランチは6種のハンバーガーを主体にボリューム感あふれるセットを。カフェタイムはパンケーキとドリンクでまったりくつろぐ食シーンを提供。ただ、総量1kgの肉の盛り合わせ「スペシャルミートバンク」(4980円)は常時オーダーできる。そしてディナーはハンバーガーなどのランチメニューこそないものの、ステーキと魚貝のブイヤベースをメインとしたカフェバルになる。

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「ベーコンアボカドチーズバーガー」(1180円)。ベースとなるのは牛100%の超粗挽きパティと、赤塚氏自ら探し求めた特注バンズだ。

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「スペシャルミートバンク」(4980円)は、約4~5人前のポーション。選べる3種盛りもあり、こちらは2380円だ。

 業態開発には、赤塚氏のアメリカ・西海岸における現地視察がインスピレーションの元となっている。2016年に3回に分けて約1週間ずつ渡米し、サンフランシスコ~サンタモニカ~ロサンゼルス~メキシコと巡り本場のリアルを体験。メニュー、サービス、設計、デザインとそこで得たさまざまなアイデアを、DRAEMON流に落とし込んだ。

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「ベイクドアラスカ」(980円)。サンタモニカで出合い、衝撃を受けたというスイーツ。アイスクリームの周りに生地を乗せてメレンゲで覆い、フランベで香ばしい焼き目を付けたデザートだ。

 視察では、新たに気付いたことがいくつもあったという。たとえば、NYのブルックリンとは違う西海岸的なアートディレクション。ナチュラル&モダンでありながら、より開放的な雰囲気がそこには存在した。またオールドアメリカンではない、ニューアメリカン&ニューメキシカンのダイナー&カフェスタイルがきわめてクールだったという。

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40坪、65席の空間。同店ならではの、キッチンと客席が近い空間づくりはやはり健在。デザインはラグジュアリーモダンの中にリゾート感も。なお手書きのグラフィックアートや写真は赤塚氏も携わっており、多才な側面が遺憾なく発揮されている。

 ディナーの名物となるステーキは、ワゴンを使ったサーブによるフェイス・トゥ・フェイスの接客も醍醐味。ビーフのほかにラムやポークも用意し、数種類の肉から目の前で選び、調理するというスタイルだ。そのほか、つまみとなる料理はイタリアン、スパニッシュ、メキシカンを彷彿とさせるメニューが中心で、タコス、アヒージョ、タパスなど多彩。定番といえるポテトサラダとフレンチフライはそれぞれ3種類をそろえ、選ぶ楽しさも訴求している。

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ステーキはワゴンで運ばれた部位の中から好みで選べる。種類、産地、部位、サイズなどバラエティ豊かなラインナップだ。

 ドリンクの名物は、30種類をそろえたスプリッツァーだ。これは「渋谷DRAEMON」の100種のサングリアや「DRAEMON PANCHOS」の100種のモヒートのように、ひとつのドリンクにスポットを当てたスタイル。スプリッツァーは白ワインをベースに、多彩なフルーツを掛け合わせ、580円から提供する。

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ロングカウンターの奥に、ドリンクをサーブするコーナーがある。繁華街の6階というロケーションに浸りつつ、まったりと酒を楽しむのも一興だ。

 同社の洋業態であるイタリアンやメキシカン、NYスタイルのカフェのいいとこどりをしたような、非常に幅広く楽しめる魅力が「DRAEMON MEAT BANK」には凝縮されている。平均客単価を聞くと、昼は1000円強、ティータイムは2000円弱、夜は約4500円とのことだが、通し営業のカフェバルにしたのにはこの立地が大きく影響していた。

 「センター街周辺のランチタイムは、ほかの街より遅めです。アパレルショップのスタッフさんや、ITワーカ―の方ですと14~15時ぐらいになることも。また日中は若い女性が多くてカフェの需要が高いんです。そのため、昼間も使っていただけるお店にしました。とはいえ、夜はお酒を飲みながら食事もガッツリと楽しんでいただけるようにしたく、MEAT BANKを店名に掲げて肉バル色を訴求しているという狙いはあります」(赤塚氏)

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肉だけではなく魚もウリ。ディナーの名物のひとつが、魚介を選ぶスタイルのブイヤベースだ。なお同社の新店がオープンすると、最初の2~3数カ月は実際に赤塚氏自身も積極的に現場に立つ。

 今後の展望も聞いた。現在東京では渋谷と恵比寿にドミナント展開しているが、あと2~3年のうちにそれぞれのエリアで5店舗ずつ程度まで拡大させ、その後たとえば渋谷のモデルなら似た立地の新宿や池袋に展開していければと考えている。一方で同社の真骨頂である和業態にも意欲的で、恵比寿などで物件が確保できれば串焼きをメインとした酒場や居酒屋を出店したいそうだ。そしてその目はプロデュースやコンサルタント事業にも。

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居酒屋甲子園の殿堂入りといえる同社が、講演会や内外の教育資料として使っている『Management Plan&BIBLE of DREAM ON COMPANY 2017』のあるページ。2017とあるように毎年刷新され、その内容は全100ページと分厚いが、市販本以上にデザインが秀逸で読みやすい。

 「プロデュース関連もやっていますが、特にサービスを中心とした人材育成に力を入れていきたいですね。コンサルの場合、基本的には1年間かけ座学とロープレなどでビジョンを共有し、このようなブックを完成させています。理念の浸透やサービスの向上をはかるには、ひとり1冊持って日々のミーティングなどで全員が活用することが大切なのですが、そのためには読みやすさ、使いやすさは重要ですね」(赤塚氏)

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赤塚元気代表取締役

 赤塚氏は「会社をよくするのは人。つまり、人を育てないと会社は成長しないんです。僕ができる役割として、外食業界全体を教育の面で盛り上げていけたら」と想いを語る。自身が店舗に立つ理由は、お客様から直接声を聞くとともに現場の温度をリアルタイムで感じたいという意味合いもあるのだろう。赤塚氏自身は「何でもやりたがりな気質なんです」とはにかむが、現場に出ているからこそコンサルも本物なのだ。業界に熱を送り込む、赤塚氏の"DREAM"は尽きない。

■DRAEMON MEAT BANK (ドラエモン ミートバンク)
住所:東京都渋谷区宇田川町31-1 ヒューリック アンニュー6階
TEL. 070-4038-3847
営業時間:12:00~23:00(フードL.O. 22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日:なし
http://www.draemon.net/


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