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取材・執筆 : 西尾明彦 2017年3月30日
自ら日本一高い蕎麦、日本一旨い蕎麦を標榜する「トリュフ蕎麦」は1杯3800円にもかかわらず、カウンター8席が連日4回転する人気ぶり。関西最大の歓楽街、大阪・北新地に11月1日にオープンした、日本初のトリュフ蕎麦専門店「トリュフ蕎麦 わたなべ」だ。
「トリュフ蕎麦」(3800円)。トリュフ2倍は+1200円。蕎麦大盛り+800円。
「トリュフは香りが命なので、冷凍物は使わず、すべてフレッシュトリュフを使っています。原価が高いので、トリュフ蕎麦は原価率が約5割です」と、同店マネージャーの大橋徳之氏。
季節ごとに産地や品種を変えることで、年間通してフレッシュトリュフの安定供給ルートを確保した。
蕎麦は、創業60年の老舗、民芸そばしのぶ庵がプロデュース。トリュフの香り、風味を引き立たせるべく、十割ではなく、国産蕎麦粉をブレンドした二八蕎麦を特注。出汁とトリュフと合わせた時に、最もバランスが良くなるように考えられたもの。
「トリュフとの相性を考えて、香り控えで甘みある二八蕎麦にたどり着きました」
蕎麦屋とは思えない贅沢な空間にカウンター8席。
一品料理をつまんで、〆に蕎麦という江戸発祥の蕎麦前スタイルで提供する。
ドリンクは、ビールがハートランド700円、日本酒が本日のおすすめ800円~と、意外と手頃。シャンパンボトルは1万2000円~。
世界唯一、蕎麦が原料のウイスキー「エデュー シルバー」のハイボール(1100円)。モルトやライ麦にはない、独特な複雑味が、蕎麦料理とも良く合う。
「蕎麦焼酎 マヤンの呟き」(850円)
アルコール度数38度、長期熟成ならではのまろやかなコク。蕎麦湯を凍らせた丸氷で提供することで、ロックでも蕎麦湯割りの風味が楽しめる。
「お陰様で、早い時間は同伴使い、飲んだ後の〆にと、北新地で遊び慣れている方にはよく来ていただけるようになりました」
場所は大阪・北新地のメインストリート、新地本通り沿い。
ピークタイムは深夜0時~2時。客単価は7000~8000円。SNS受けが良いため、客層は20代からと幅広い。
「早い時間にお食事でもっとご利用いただきたいので、3月から新たに始めたのが、一品料理を楽しんでいただいて、最後に蕎麦で〆る『おまかせコース』(8000円)です」
以下は「おまかせコース」(8000円)から。料理は旬の食材を採り入れた日替わり料理。
「あんかけ蕎麦豆腐 北海道産雲丹と京都産湯葉」。出汁と素材のシンプルな旨みに、蕎麦の実とワサビがアクセント。
酢〆のサゴシ。皮目を炙り、芳ばしい味わい。魚介は、大将の中川氏が営業後に木津市場まで仕入れに行く。
「鴨鍋」。鍋の出汁は、人気のおでん(350円~)の出汁。蕎麦がきはじっくり煮込んで、生でも食せるほど鮮度が良い河内鴨はしゃぶしゃぶ感覚で。
一品料理としても人気、トリュフの香り際立つ「トリュフ香るだしまき」(単品価格1200円)
〆のトリュフ蕎麦。トリュフたっぷり、金箔のトッピングと、ビジュアルも美しい。
ふんだんに盛られたトリュフは、この日は黒トリュフと春トリュフ(ビアンケット)。オーダーごとに削るため、驚くほどに香りが芳醇。
出汁は、サバ・ウルメ・メジカで引く、旨みたっぷりの関西風甘辛出汁。バターを溶かすと、コクと旨みが加わり、洋風の味わいに様変わり。ブラックペッパーを挽くことで、出汁の旨みが更に引き出される。
最後はもちろん蕎麦湯割りで。
蕎麦以外のすべての料理を任されている大将の中川氏は、北新地の日本料理の名店・「かが万」で10年以上修業した料理人。
「コース料理8000円は、まだ比較的手が届きやすいかと思います。コースの中で、いかに季節感を感じてもらい、ご満足いただくか。韓国料理など、異ジャンルの経験も総動員して、日々チャレンジです」。
北新地ならではの非日常空間で味わう、非日常なトリュフ蕎麦は、舌の肥えた食通を満足させるだけあり、料理としての完成度も高い。ボリュームゾーンより高価でも、それでも食べたいという人が続出。更なる人気となっていきそうだ。
■トリュフ蕎麦 わたなべ
住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-5-9 谷安プレジールビル 1F
TEL.06-6442-0724
営業時間:18:00~翌4:00
定休日:日曜・祝日
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