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お店を知る

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2017年3月21日(火)17:51

京の野菜とジビエをコースで味わう6次産業化推進京町家レストラン「むすびの」(京都・伏見/京の野菜&ジビエレストラン)

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取材・執筆 : 西尾明彦 2017年3月21日

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 京の野菜と京都丹波ジビエをフレンチ仕立てで提供する京町家レストラン「京の野菜とジビエの町家レストラン むすびの」が11月17日に京都・伏見にオープン。早くも人気となっている。

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立地はかつて京町家が立ち並んでいた面影が残る、伏見京町通り沿い。建物は築150年の京町家。呉服屋兼住居として建てられたもので、造り酒屋に転業後は、代々当主の本宅として大切に住まわれてきたもの。

 「単に地元の農家さんや猟師さんから食材を仕入れるレストランではありません。生産者(第一次産業)が、生産物や収穫物を商品に加工して(第二次産業)、流通させ、販売も行う(第三次産業)、「6次産業化」まで手掛けるレストランです」と、店長の鵜飼潔氏。有名フレンチを経て、俺の株式会社出身。国内外で数々の新店立ち上げを経験した成功請負人。

 生産者自身も出資者となり、「きょうと農林漁業成長支援ファンド」などから出資を受け、経営面のバックアップも万全。6次産業化推進レストランとして好スタートを切った。

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解放感あるメインダイニングは32席。2メートルを超える手吹きガラスや、骨董レベルの調度品も多いため、10歳未満は入店不可。

 「できるだけ古いものの良さを残しつつ、機能的にリノベーションを施しました。庭の景色や店の佇まいと共に、ゆっくりと流れる時間を楽しんでいただきたいですね」

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アンティークのテーブルが鎮座する広々とした個室からは中庭が見渡せる。4名、8名個室の2室がノーチャージで利用できる。

 提供する料理は、ホテル出身のシェフが作る、フレンチベースの創作料理。料理の主役は事業者でもある農家さんたちがつくる生産物。すべての食材は賄えないが、他の食材は主役を引き立てるわき役という立場。

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ランチは日替わりメイン料理の「和のごはん」と「洋のごはん」(各税込1600円)が人気で、この2種類だけで日々60食以上出る。

 近隣の旦那衆や奥様方には「この内容でこれは安い!」と評判。11時スタート、13時スタートの2部制で予約がベター。3月からはジビエ料理が昼から楽しめるジビエランチコース(税込2800円・要予約)も追加された。

 ディナーはジビエ料理がメインのコース制で、3800円、5500円、7800円、10000円(要予約)の4種類。5500円の「むすびのディナー Bコース」からジビエ料理が2皿になる。宴会利用など、貸し切りも多い。

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「むすびのディナー Bコース」(5500円)のメインは「京都丹波ジビエ 鹿肉のロティ」。セコンドには「京都丹波ジビエ もみじ肉を3種の調理方法で」とジビエ料理が2皿。

 ワインはソムリエである鵜飼氏がセレクト。タイプや生産国も幅広く、料理を引き立てるワインを赤白約20種類揃えた。価格帯は2500円~4000円台が中心。グラスワインは600円から、リストに載っていない日替わりワインも用意している。

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「茶農喜左衛門 クリーミー抹茶ビア」(750円)。お茶農家の小山さんの作る宇治抹茶をふんだんに使ったオリジナルカクテル。

 「協力いただいている生産者の方たちは、若くてチャレンジ精神旺盛。生産物をカタチにしたい、自分の想いを伝えたいという意識が高い方ばかり。一人ひとりにストーリーがあります」

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「京の野菜農家中嶋さんの中嶋農園は弊店から電車で一駅のところにあり、様々な野菜を栽培する『超都市型近郊農業』です。朝採りの新鮮な野菜を毎日各種料理でご提供しています」

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「京野菜農家の新田さんは京丹波町の大規模な新田農園を運営。地域でも代表的な農家さんです。堀川ごぼうや丹波黒豆などの伝統的京野菜をご提供しています」

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「お茶農家の小山さんは宇治田原で4代目の茶農家ですが、新たに「茶農喜左衛門」という新ブランドを立ち上げました。お茶だけではなく抹茶のプリンなど、お茶を使ったスイーツもご提供しています」

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「やぎ農家の吉田さんは京都府南丹市で、放牧スタイルのるり渓やぎ農園を運営しています。放牧ヤギのミルクやチーズ、平飼いたまごなどをご提供しています」

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「猟師の中島さんは狩猟直後に独自の血抜きの手法で処置、すぐバラして冷却することで、ジビエにありがちな臭みがない上質なシカ肉やイノシシ肉をご提供しています」

 「食べて美味しいを前提に、なぜ美味しいのか。料理の説明はすごく大変になりますが、食材や生産者の想いをきちんとお伝えして、何が違うのか価値を分かっていただきたいですね」

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入口すぐには物販スペースあり。かつておくどさん(炊事場)だった場所。

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物販で人気の「とろりあまざけ」。中嶋農園のお米を使い、京都の老舗こうじ屋の吟醸麹で造ったノンアルコールの甘酒。WEBでも購入可能。

 「『むすびの』という店名には、生産者とお客様、里山と街、古いものと新しいものなどを結ぶ、という想いが込められています。京都産にこだわり、地産他消ではなく、地産地消を追求して、食材や生産者、建物に詰まったストーリーをお伝えしていきたいですね」

■株式会社むすびの
住所:京都府京都市伏見区横大路下三栖東の口町1-3
TEL:075-611-0188

■京の野菜とジビエの町家レストラン むすびの
住所:京都府京都市伏見区京町一丁目244
TEL.075-574-7482
営業時間 11:00~14:00、17:00~22:00(LO.20:30)
定休日:水曜

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