お店を知る
銀座を代表する名門バー「STAR BAR GINZA(スタア・バー・ギンザ)」が、7月11日、京都は先斗町に3店舗目として「KYOTO STAR BAR(京都・スタア・バー)」を構えた。銀座のバーテンディングや雰囲気はそのままに、京都で愛されるバーを目指す。
「コンセプトは、京都になかったお店です。銀座の仕事、雰囲気をそのまま持ってきました。ゆっくりと上質なお酒を楽しんでいただけるバーです」と、店長の木戸孝治氏。選んだ立地は、大通り沿いではなく、石畳の先斗町通と、繁華街の木屋町通の両方に通ずる裏路地の路面店。
河原町駅、三条駅からアクセスは良いが、裏通りにひっそりと佇む隠れ家的立地。行政区画では先斗町に位置する。ほぼ目的来店で、間違って酔客が入店することもない。
オーナーバーテンダーは、今やバーラバーだけではなく、お茶の間にまでその名を知られる岸久氏。数々の国内コンペティションで優勝を経験し、1996年には名誉ある世界カクテル・コンペティションに優勝、世界一に輝く。日本バーテンダー協会・会長など要職に就き、今やバー業界を代表するひとり。海外からは日本のバーテンディングを紹介した本を出版してほしいという要望があるなど、活躍の舞台は広がる一方という。
幅広のローカウンター10席に、テーブル2卓の8席。重厚な雰囲気ながら、天井高、奥行きともにゆったりしており、居心地良し。
銀座の有名店の関西進出とあって、オープン当初から注目度が高く、関西全域からバーラバーの来訪があり、同業者の訪問も多かった模様。
「銀座のバーは各地からお客様がわざわざ足を運ぶバー。京都は地元の方が中心です。スタア・バーの名前に期待感を持って来られるので、ご期待に応えられるように。おまかせでの注文も多いので、お好みをお伺いしながら、自信がある1杯をお出ししています」。
京都らしいカクテルをというご要望には、京都産プレミアムクラフトジン「季の美」を使ったカクテルも登場するという。
京都を任されるのは滋賀県出身、バーテンダー歴12年の店長・木戸孝治氏。銀座の名店「BARオーパ」で修業ののち、マスター同士の仲が良い「スタア・バー」へ。もう一人、兵庫県出身の原田洋次郎氏は岸氏主宰の「日本バーテンダー&ミクソロジスト学院」卒業生。明るい人柄で店長を盛り立てる。
世代を選ばないオーセンティックバーゆえ、客層は20代から年配まで幅広い。カウンター席が女性で埋まることもあるなど、女性客も多い。銀座本店は3割が外国人のお客様なのに対し、京都はまだ1割未満。
代表作のひとつ「ジントニック」(1300円)。塊氷から切り出した氷を、グラスに合わせてナイフで削って整える角氷が特徴。ビジュアルのインパクトだけでなく、味わいも秀逸。ビーフィーターの特長を引き出しながら、飲み心地はマイルドで爽やか。
岸氏直伝の「サイドカー」(1400円)。シェークでマイクロバブルを発生させて、極小の泡化することで本来は混ざりにくいアルコールと副材料が溶けこみ、一体化した味わいになる。口中にスッと広がる飲みやすさで、アルコール度数の高さを感じさせない。
チャージ500円、銀座仕様のカクテルが1200円から。3杯飲んでも5000円程度と、本店を知る人には少しお得感がある。
「岸マスターの言う『お客様の求めるど真ん中のカクテル』をお出しできるよう、1杯をつきつめていくだけです。銀座のスタイルは崩さず、地元の方に愛されるお店にしていきたいですね」。
「ビジネスを追求した店舗展開をする予定はありません」と言う岸氏。東京の新規商業施設からの出店要請があり、今後の展開も気になるところだ。
銀座で名店といわれる存在でも、他地域に出店した際には地力が問われることになる。老舗バーや特化型バーなど、バーも数多い先斗町&木屋町界隈で早くも存在感を高めつつある同店。銀座の名門バーの登場で、京都のバーシーンはより盛り上がりを見せそうだ。
■KYOTO STAR BAR(京都・スタア・バー)
住所:京都府京都市中京区木屋町通三条下る材木町185-5
TEL.075-221-0004
営業時間18:00~翌3:00
水曜定休
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