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取材・執筆 ： 西尾明彦 2016年10月12日
株式会社ユウ・フード・サービスの独立支援制度により、昨年7月に「日本酒酒場 立呑み 仁」で独立。早々に人気となり、1年後の7月21日、2店舗の「日本酒酒場 立呑み 仁 天満店」を激戦区の天満に出店した。独立前の「焼鳥と日本酒 立呑み たに」店長時代から、日本酒ファンを増やし続けてきた。
福島店の半分以下の8坪、奥にはテーブル席があり、平日のみイス4席を用意。立ち飲みエリアと合わせて20人。蔵元を呼んでイベントをやるにも丁度良い大きさという。
厳選した日本酒約40種類は350円と500円の2プライス。木津市場で仕入れる天然魚のお造りを目玉に、日替わりのおばんざいがリーズナブルに並ぶ。客単価は2000円台。
日本酒初心者から、マニアまで、早くも多くのファンを掴んだ。
「福島店は、スタッフもお客様に近く、日本酒ビギナーに日本酒との出逢いを楽しんでいただくお店。天満店は、日本酒ファンに、よりディープな楽しみを体験してもらうお店です」と語る、株式会社Y＆JINフードサービス 代表取締役の仁こと西浦友教氏。
天満駅から徒歩3分ほどの裏路地立地。居酒屋の居抜きをフル改装した。ローリスクローリターンだからこそ、展開は早い。
同じ銘柄のお酒でも、出荷時期の違いで変化していく味乗りや、冷酒と燗酒の温度帯の違いで、味わいが変わる日本酒の楽しさを伝えていく。それを担うのは、西浦氏を筆頭に、全員20代のスタッフ。
「10年後、20年後の日本酒を担うのは、今の20代です。だから若手を育てていきたい。店長も21歳ですが、将来独立したいと一生懸命頑張ってくれています」。
新鮮な天然魚の「お造り盛り・大（5種）」（800円）
日本酒は福島店の半数ほど、より厳選した品揃え。刺身に合う純米酒をとのオーダーに、ぬる燗の「十八盛 山廃純米雄町 青螺姫」。
「日本酒はここ数年人気ですが、一時的なブームで終わらせるのでなく、今後何十年もずっと飲まれ続けるものにしたい。だから発信することが必要なんです。そのためには1店より2店の方が良いし、仲間も多い方が良い」。
17時～19時限定の「日本酒３種飲み比べとおばんざい3種盛り」（1000円）。安売りではなく、利き酒の楽しみを知るための試み。酵母違いや原料米違いなど、毎日テーマがあり、この日は純米酒、吟醸酒、熟成酒の燗酒と肴のマッチング。
「先日、酒屋さん主催の日本酒勉強会で、ブラインドテイスティングがありました。僕と、僕の店のスタッフは90点で、他の参加者とは大きな開きがありました。全社のスタッフの日本酒レベルを底上げることで、本社にも貢献できるかなと考えています」。
お客様と会話しながら、手際よく調理する仁こと西浦友教氏。
「食べログの点数がリセットされて0.5点近く下がりましたが、関係なくお客様に支持される、飲食店本来の魅力を持ったお店です。まだまだ伸びると思います」と、グループの本社である、株式会社ユウ・フード・サービス代表取締役 谷祐一郎氏も期待を込める。
「独立支援制度をやって良かったのは、やった分だけ稼げるから社長が頑張ること。稼いでいる社長の姿を見て、将来独立したい、社長になりたいという人が入社してくるようになりました」という、本気度を引き出すシステム。
来年には早くも3号店の構想もあるという西浦氏。日本酒の素晴らしさを伝えるべく、日々カウンターに立つ西浦氏は、日本酒ファンを増やし続けてくれるだろう。
■株式会社Y＆JINフードサービス
住所：大阪府大阪市福島区福島8-17-1
TEL.06-6345-5233
■日本酒酒場 立呑み 仁 天満店
住所：大阪府大阪市北区天神橋4-6-39 天満駅前コーポ中央 1F
TEL. 06-6135-0114
営業時間：17:00～24:00
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