兵庫・淡路島や北海道から直送される珍しい鮮魚と熟成魚、藁（わら）焼きが楽しめる「銘魚と熟成魚と藁焼き すし屋台 2代目中権丸」が6月1日にオープンした。淡路産食材と鉄板料理の「マリブ食堂」2店舗、淡路名産伝助穴子など穴子料理専門店の「穴子家 NORESORE」2店舗、熟成鮨とワインの「熟成鮨 Rikyu（リキュウ）」と、人気店を6店舗展開する株式会社マリブの新業態だ。

炎が燃え上がる豪快な藁焼きは、演出、味わいともにお客様に大好評。

　新鮮な魚介類は、同社代表取締役・浜口太志氏の故郷、兵庫県淡路島からの直送と、北海道からの空輸物を中心に全国から。すべて天然物で、数が少なくあまり出回らない希少魚も日々メニューに並ぶ。

　今や予約がとれない人気店「熟成鮨 Rikyu」でブレイクした熟成魚。熟成方法は凍る手前の氷点下で熟成する、通称プロトン凍結を導入。仕入れ先も熟成に理解があるため、これまで20日超のアブラボウズなど、様々な熟成魚が登場している。前日に多くの種類が品切れになったため、この日はヒラマサの7日熟成。

「刺身 5種盛り」（1780円）。この日は北海道産ボタンエビ、宮城産本マグロ、三重産真鯛、富士山サーモン、瀬付きアジなど、界隈ではまずお目にかかれないラインナップ。鮮度が良く、本来の味わいが堪能できる。

　「今回は熟成魚や寿司に加えて、藁焼きと希少な鮮魚が目玉です。藁焼きを導入するにあたっては、大阪・京橋の人気土佐料理店『みや澤』さんで修業させてもらいました。『マリブ食堂』からのリニューアルだったこともあり、オープン早々ですが、オペレーションもスムーズで何よりです」と、新業態の手応えを語る株式会社マリブ代表取締役の浜口氏。

　藁焼きは、定番のカツオに加えて、浜口氏一押しの鰆と、「鯖や」のトロ〆サバの3種類。

「鰆の塩藁焼き」（980円）。シンプルに塩で食すことで、肉厚で柔らかな鰆の上品な旨みが口中に広がる。

鮮魚や熟成魚は、赤酢を使った鮨でも味わえる。職人が握る鮨が1貫150円からとお値打ちだ。

　生ビールは「ザ・プレミアム・モルツ"香るエール"」（480円）。日本酒は月替わり10種類弱。飲めば飲むほど安くなる「超炭酸ビームハイ」は1杯目400円から、6杯目はなんと無料。しそ・うめ・生姜の魚専用サワー「魚（うお）ツカサワー」（450円）と、サントリーと組んだユニークな品揃えも人気という。

店内はテーブル席中心に48席。さっそく外国人ファミリーの姿も

　現在はクチコミと通りがかりの一見客が中心で、客単価は3500円。アメリカ村に近い場所柄、以前の業態では20代など若年層が多かったが、魚介類をメインにしたことで年配客が増え、単価も若干上がったという。客層は20代～年配客、外国人観光客まで幅広い。

カウンターには鮮魚が並ぶネタケース。

　「お店のコンセプトを分かってもらって、わざわざでも足を運んでもらえるお店にしたいですね。深夜まで賑わっている近くの三ツ寺会館のように、大阪ミナミの大人の遊び人の方々にも来てもらえれば」。

地下鉄なんば駅から徒歩3分、心斎橋駅からも徒歩5分ほど。大通りである御堂筋からすぐ。リニューアルで視認性が大幅に良くなり、通りがかりの一見客も増えた。

　昨年はクラウドファンディング「セキュリテ」を活用して「穴子家 NORESORE 福島店」を3月に、11月には同じく福島に「熟成鮨 Rikyu」と、京都・二条に『穴子家 NORESORE 京都本店』の2店舗を出店した。

　「新しく考えている業態もあるのですが、物件次第ですね。JR福島駅前で狙っている物件があります」。

大漁旗はよくあるレプリカではなく本物。浜口氏の祖父が漁師だったため、実家から送ってもらったもの。店名は祖父の船名に、敬意をこめて2代目と付けた。

　「先日、鯖やさんが工場として使っていた物件を入手しました。これからセントラルキッチンとして稼働します。各店で1尾に満たない量の魚はこれまで扱えませんでしたが、セントラルキッチンで各店の必要量に分配すれば使い切れるので、今以上に珍しい魚を増やせます。穴子料理の物販も計画中しています」。

　各店の仕入を強化しながら、物販で会社の基盤を固めるために、セントラルキッチンを導入する。

　熟成魚を扱う店舗も徐々に増えてきたが、大阪ミナミ界隈ではおそらく初。仕入れと技術に裏打ちされた、鮮魚、熟成魚、藁焼き、鮨と多くの名物を揃えた真打の登場で、大阪ミナミの夜を楽しむ大人がいよいよ増えそうだ。

住所：大阪府大阪市北区大淀南1-9-19 エンパイヤービル501

TEL.06-6344-0841

住所：大阪府大阪市中央区西心斎橋2-4-17

TEL.06-4708-3121

定休日：無休