予約が取れない人気店「ビスロト ギャロ」から、1軒家物件を改装した新店「ギャロ　バンガロー」が6月8日にオープンした。各線三宮駅からは徒歩10分弱と、少々離れる北野坂エリアながら、オープン早々、連日満席になる人気ぶり。

界隈に馴染んだ、スタイリッシュな外観。

　落ち着いた大人向けの飲食店が軒を並べる界隈。わざわざ目指してもらえる店を求めて、1軒家の物件の雰囲気に惹かれたという。代表の川添義人氏自ら店舗デザインを担当、1階と2階で趣向を変えた店内は、アンティーク調をベースに、独特の世界観を持つ。

　「デザインも基本全部やりたいんです。これまでイメージに合うものを探してやってきましたが、今回、見合った木製の食器がなかったので、作るところまでやりました」。

1階はカウンター席のみ。インダストリアルな質感が特徴的なスツール。

2階席はよりアンティーク調。最大23名まで収容でき、さっそく団体客の予約も多い。

2階の窓側から見た店内。気になるオブジェがそこかしこに。

　「ギャロ バンガロー」のコンセプトは、本店と同じく、"お肉とお酒を楽しんでもらえる場"。「肉の前ではみんな平等、老若男女、まっすぐ肉を楽しんでいただきたいですね。良いことがあったから、楽しいから、ギャロに行こう、というような感じで使っていただければ」。

　川添氏は漁港が多い、愛媛県宇和島出身。「最近は熟成魚もありますが、魚は新鮮なものが一番美味しいと個人的には思います。でも、鮮度が大切で、季節ごとに旬の魚の種類も違ってくるので、メイン食材として扱うのは大変。その点肉なら、国産だけでなく外国産にも良いものがあるし、調理を加えることでより美味しくもできる点が魅力です」。

「広島県産なかやま牛サーロイン」（300グラム・5600円）

　現在メインで扱うのは広島県産のなかやま牛と熟成肉。人気の銘柄牛にこだわらず、適正な価格帯で、良いと思ったものをお出しする。

　料理は、メインのお肉を選んで、前菜盛り合わせなどをチョイスするのが基本のスタイル。がっつり食べたい方はひとりで数百グラムの肉を平らげるという。

　「神戸は神戸牛を出すお店が多いのですが、霜降りより赤味が良い、お肉をがっつり食べたい、というお客様も多いんです」。

　アルコールは瓶ビールとワインに絞り込んだ。赤は30～40種類、白も20種類以上揃う。ワインリストはなく、お客様のお好みに合わせてチョイスする。

手書きのメニューブック。肉は200グラムから。

　「熟成肉が流行だからというのではなく、この肉はこれだけの期間熟成させたから美味しい、という食べ方を楽しんでいただきたいですね。大阪や京都には熟成肉を扱う店が増えましたが、神戸にはまだ少ない。その中で抜きんでて『神戸で熟成肉といえばギャロ』というふうになっていきたいです」。

　ボリューム感があるので、しっかり食べて5000円から、プラスしっかり飲んでも8000円程度。30代～40代を中心に、女性客が6割と多い。

　

　「肉に特化したビストロとして、看板メニューを増やしたいとは考えていますが、今後も、肉からは絶対にブレません」。

「ティーボーンステーキ」（1.2キロ1万2000円）

　川添氏が「ビストロ ギャロ」で独立したのは2013年3月。「バルストロ」や「バール アブク」など、神戸・三宮界隈の人気バル出身の氏には土地勘があるエリア。

　「これまで駅近の路面店も空中階も経験しました。路面店はたくさんのお客様が来られますが、立地が良いから来るのか、店の力で来るのかわからない。とりあえず、で、来てもらうような店にはしたくなかったんです」。

　駅近ではあるものの、雑居ビルの8階という物件ながら、肉に特化したビストロという川添氏の考えが支持され、半年ほどで人気店となった。

　ボリューム感ある肉料理の画像がSNS上で広がり、それを見て「おいしそう！」と、新たなお客様を呼び込んでいるという。

雑居ビルの8階ながら、連日予約で満席の「ビストロ ギャロ」。

　「間口は広げて、業態を絞り込む。全然ないものを狙うのではなく、流行にまみれ過ぎもしない。常にアンテナを張りながら、『あまりないよね』くらいのキワキワのラインを狙っています」。

株式会社ギャロ 代表取締役の川添義人氏。「ギャロ バンガロー」のカウンターで日々お客様をお迎えする。

　「今後の展開は色々と考えていますが、展開には早さも大事。先手を打つスピードとクオリティを追及したい。そのためにも、肉とワインが好き、という熱いスタッフ、メンバーは大歓迎です」。

■株式会社ギャロ

住所：兵庫県神戸市中央区北長狭通1-3-10 燕京ビル8F

■ギャロ バンガロー

住所：兵庫県神戸市中央区加納町3-12-7-2

TEL. 078-200-5464