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お店を知る

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2015年2月16日(月)14:45

産直専門業態でクラウドファンディングを活用。2000万円調達に挑戦。「穴子家Noresore(ノレソレ)」(大阪・福島/穴子料理専門店)

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取材・執筆 : 西尾明彦 2015年2月16日

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 兵庫・淡路島産の穴子を使った穴子料理専門店「穴子家Noresore(ノレソレ)」が2月11日、大阪・福島にオープンした。運営するのは「マリブ食堂」を大阪市内に3店舗展開している株式会社マリブ(大阪市北区 代表取締役:浜口太志氏)。1プロジェクトで2000万円調達を達成すれば、大阪府内のプロジェクトを扱う「セキュリテ大阪ファンズ」では過去最高金額となる。

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JR福島駅前の好立地にある、1500万円かけてリノベーションした築70年超の一軒家。通りの人気店に因んで"ポルチーニ通り"と呼ばれるJR福島駅すぐの路地。以前紹介した「長屋オムライス」の本店、「長屋BAR」と同じ通り沿い。店名の"のれそれ"は、穴子の稚魚の意。

 「穴子料理専門店は以前から温めていたアイディア。大阪・福島界隈は『活け海老バル orb』や『とろさば料理専門店 SABAR』など、個性的な専門店が人気を博しており、専門業態で勝負できると踏んだ」と、手応えを語る、株式会社マリブ代表取締役の浜口太志氏。

 浜口氏は兵庫県淡路島出身。祖父が漁師で、淡路島の新鮮な魚介に親しんで育った。前職はスポーツニッポン新聞社。仕事柄数々の店を食べ歩く中で、淡路島産の豊富な食材を気軽に楽しめる店を出したら面白いのではと、異業種の外食産業に参入した。叔母が島で営んでいるお好み焼き店が氏のルーツという。

 「穴子の仕入れ先の『魚増(うおます)鮮魚店』は、鮮魚の卸売と、穴子の炭火焼き店で、地元でも有名。2代目社長が中学の後輩という縁があって、同社の穴子を仕入れることができた。タレは秘伝のタレをベースに、独自ブレンドのオリジナルのタレで提供する」。

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アイテムに自信があるからこそ、業態の珍しさだけでなく、一品ごとのクオリティにもこだわる。料理長は寿司職人歴40年以上の大ベテラン。フレンチ出身のシェフも在籍する。穴子専門業態とはいえ、料理のバリエーションは豊富。

 穴子料理に合わせるのは、常時10~15種類ほど揃う日本酒。淡路島の「都美人」が定番銘柄になる。女性向けには、淡路島産ブルーベリーのリンゴ酢や、鳴門オレンジマーマレードを使ったカクテルも用意する。

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看板料理の穴子の刺身(薄造り、湯引き、炙り、片面炙り)

 「淡路島の穴子の漁獲量は減っており、穴子専門業態は1店舗の予定。専門業態としては "淡路島3年とらふぐ"の店も予定している。時期は『Noresore』の成功次第」。

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焼き穴子の握り。
 
 「とはいえ、出店は今後も「マリブ食堂」が中心。関西を中心に10数店舗くらいを考えている。いずれは東京でも淡路島産を食べていただきたい」。

 並行して海外出店を視野に、既に現地を調査段階という。年内にもタイ・バンコクに出店計画がある。

 「バンコクは中間所得層が増えて、客単価が日本円で2000~3000円台の外食人口も多い。政情が安定していて、労働力も比較的安く、魅力的なエリア」。

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ボックス席を中心に、1階、2階合わせて36席。目標売上は500万円/月。まずはディナー営業から、ランチも春から提供予定という。

 クラウドファンディング(以下CF)の募集は、1口3万1710円から、募集総額2001万円に対して、既に165人から41.8%が集まっている(※2月13日現在)。出資者は30代~60代まで幅広く、穴子が好きという方がやはり多い。

 特典は、1口ごとに1万4000円相当。炭焼き穴子、淡路島の野菜セット、お食事券から選べるが、炭焼き穴子の人気が高い。

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弱冠24歳の店長、中村悠太郎氏。ドリンクメニュー構成などは基本的に店長に委ねられている。

 「店舗が形になるにしたがって、出資金額が集まるペースも早まってきた。テレビで取り上げられたり、露出が増えると、出資も確実に増えてきている。SNSでの応援の拡がりや、既存店(マリブ食堂)のチラシで知ったお客様が出資してくださるケースもある」。

 「投資型CF『セキュリテ』の存在を知ったのは昨年の夏。CFを活用しようと思ったのには、出店費用に2000万円以上かかり、融資や自己資金だけでは厳しいという事情があった。CFは、財務状況に合わせて活用できるという魅力がある。たとえば、金融機関からの融資を受けて既に2店舗出店している状態で、理想的な物件に出会えた時など、融資以外の選択肢となり得る」。

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オープン直前の出資者向け特別レセプションで乾杯の音頭を取る浜口氏。

 「「金融機関からの融資と比べると手数料は高いが、飲食店にとっては、そのリスクよりもチャンスの方が大きいと感じている。資金調達先としてだけではなく、出資者=顧客予備軍に応援してもらえるという魅力がある。共感を得られそうな物語性のある業態で出店する場合には、今後新たに独立する人にとっても、活用メリットが大きいのでは」。

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店舗ロゴ入りの看板。ロゴを決めるにも、出資者へのアンケートを利用した。

 「これまで、開店資金は金融機関からの融資と自己資金で賄っており、経営者として孤独感があった。今回『セキュリテ』を利用したことで、1人じゃなく、出資者の方々に共同オーナーとして、守ってもらえているような感覚がある」。

■株式会社マリブ
住所:大阪府大阪市北区大淀南1-9-19 エンパイヤービル501
TEL.06-6344-0841

■穴子家Noresore(ノレソレ)
住所:大阪府大阪市福島区福島5-11-9
TEL.06-6136-6221

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