スマートフォン版のフードリンクニュースを見る

RSSフィード

お店を知る

お店を知る

2015年2月04日(水)10:10

日本茶を手軽に、自由にカスタマイズ。京都発日本茶ティースタンド「tea channel ティーチャンネル」(日本茶専門店/京都・河原町)

記事への評価

  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
0.0

取材・執筆 : 西尾明彦 2015年2月4日

キーワード :     

 日本茶をもっと気軽に楽しんでほしい、と日本茶ティースタンド「tea channel ティーチャンネル」が12月6日、京都・河原町にオープンした。スターバックスなどのコーヒースタンドのように、お茶の種類や飲み方、トッピングなどを自由にカスタムできるのがウリ。京都、東京のオフィス街での店舗展開を目指す。

tea1.png
店舗は元々大家宅の一室だった場所をリニューアルした4.1坪の狭小立地。修学旅行生や外国人、観光客などで賑わう寺町通と御幸町通を結ぶ、蛸薬師通沿い。

 運営する株式会社ルシールの代表取締役 藤田大次郎氏自身コーヒーが苦手で、周囲に同じような人が多かったことからアイディアを思い付いたという。

 「これまでの日本茶は、急須で淹れて陶器の器で飲むという、和のイメージそのもの。敷居が高くなりがちだった。それを、もっとカジュアルに、デザインやスタイルから入るのはいかが、という提案をしたい」。

 生活様式や食事が西洋化している現在、目指しているのは、西洋的なライフスタイルに合う日本茶。

tea2.png
ストレートで飲むのがお勧めという、アミノ酸の旨味がたっぷりの「スチームグリーン 濃厚かりがね」(レギュラー350円/ラージ420円)。

 表記もほうじ茶は「ローストブラウン」、煎茶は「スチームグリーン」など製法を表したカタカナ表記にして、先入観なしにとっつきやすく。お湯の温度・抽出時間で味が変化するのを、ビター~マイルド~ベリーマイルドと、分かりやすさを重視した。

 トッピングはハニー、ナッツ、など50円で5種類、ホイップなど2種類が100円。ローストブラウン系は、焙煎されている茶葉の香りや味がトッピングに合いやすいという。

 「まずはトッピングなしで飲んでいただきたい。甘いドリンクが欲しい時はぜひトッピングで」。

tea3.png
「ローストブラウン」(レギュラー350円/ラージ420円)+「ホイップ」トッピング(100円)。初めにほうじ茶の香りが立ち、ホイップクリームが溶けると、よりマイルドな甘さに変化していく。

 近年のカフェインレスや低カフェイン嗜好には、ノンカフェインの「ブラックビーンズ」や、低温で抽出する"ベリーマイルド"の低カフェインメニューを訴求する。

 「近隣には老舗の日本茶専門店は多いが、扱っているのは宇治茶が中心。弊社では全国の日本茶を取り揃えている。現在は12種類の茶葉と、黒豆茶。産地ごとに異なるお茶の個性を味わってもらえれば」。

tea4.png
透明のガラス製茶器で、見た目もカジュアルに。

 生産者とのつながりを大切に、商品開発を共同で行う。

 「お茶は、たとえ畑同士が近くでも、畑ごとにできる茶葉の味は違ってくる。ある畑の茶葉がすごくおいしいものだったとしても、以前はJAに出荷すると、近隣のものとブレンドして販売されていた。それを、良い茶畑のものを適価で買い取り、畑ごとに異なるお茶の味わいを楽しめるようにしていきたい。ワインの最小単位が畑ごとであるように」。

tea5.png
 フードメニューは、日本茶と相性の良いものを揃えた。

 「洋菓子でも和の素材が入ることで日本茶と合う。和三盆や味噌、酒かすとチーズと、和の素材を使用したケークを、洋菓子店に協力してもらい開発した」。

 他にサンドクッキー、クラッカーやアーモンドボールなど。日本茶は和菓子にしか合わないわけではないと、洋菓子とのペアリングを勧めている。

tea6.png
夜の様子。店内はスタンディングスペースに加え、ハイテーブルとハイチェアが使用できる。

 オープンから1カ月少々。現在の客層は、「フラッと入店する観光客を含めた一見客、近隣の美容師やショップ店員、弊店が放映されたテレビ番組を見て、というのが3割程度ずつ、外国人客は1割未満。これを3割程度まで増やしたい」。

 「2号店の物件も京都で探し始めている。8~10坪くらいの、イートイン、テイクアウト両方できる店。その先は可能なら、ヨーロッパに出店したい。たとえばパリに京都発の日本茶ティースタンドとして出店して、その次に、東京に出店する。京都発、パリ経由で東京に出店、みたいに箔がつくのでは(笑)」。

tea7.png
代表取締役の藤田大次郎氏夫妻。学生時代から飲食業に興味はあったが、大学卒業後は医療関係の企業に就職。飲食業で独立したいとの想いから、外食産業を学ぶために転職。子会社に飲食店を持つ輸入卸、食品コンサルティング企業を経て独立を果たした。

 「日本茶業界は伝統がある反面狭い業界だが、新たな試みをしている生産者や、新しいことをしたいと思っている生産者も実は多い。そういう方たちと一緒に、日本茶の世界に新たな価値観を生み出したい」。

 藤田氏の挑戦は、閉鎖的な日本茶業界に刺激を与え、新たな日本茶の味わい方を広めてくれそうだ。

■株式会社ルシール(K.K. Lucir)
住所:京都府京都市中京区式部町266-2
TEL. 075-555-8438

■tea channel(ティーチャンネル)
住所:京都府京都市中京区式部町266-2
TEL. 075-555-8438

読者の感想

興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

この記事をどう思いますか?(★をクリックして送信ボタンを押してください)

興味深い
役に立つ
送信する
誰かに教えたい
  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

( 興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

Page Top