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お店を知る

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2014年12月03日(水)09:48

那智勝浦産の希少天然マグロを、世界初のナノ冷凍 技術によってリーズナブルに堪能。「脇口屋 綾瀬店」(東京・綾瀬/居酒屋)

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取材・執筆 : 桐田政隆 2014年12月3日

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 株式会社パッションアンドクリエイト(代表取締役 豊島堅太氏)と株式会社OCが共同開発した「脇口屋 綾瀬店」が10月14日(火)、綾瀬駅にオープン。那智勝浦産の鮪と大山地鶏の焼鳥をメインとした居酒屋業態だが、なんといっても注目は鮪。那智勝浦で4代続くマグロ仲買のヤマサ脇口水産(代表取締役 脇口光太郎氏)が開発した、ナノ冷凍技術による天然マグロを使ったメニューが目玉だ。

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綾瀬駅西口から徒歩1分の好立地にオープンした「脇口屋 綾瀬店」。屋号はマグロ仲買の脇口水産に由来。

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店頭には期待感膨らむ、「天然マグロ」の文字がドンと記された提灯がお出迎え。

 今回は㈱パッションアンドクリエイトの代表である豊島氏が取材に応じてくれた。はじめに同店の出店の経緯を聞くと、「まずは飲食コンサルタントの大久保一彦氏から、『おもしろいマグロがある』と話を伺いました。そこで紹介してくれたのが、ヤマサ脇口水産のナノ冷凍技術による天然マグロです」。このマグロは、生鮮マグロ水揚高日本一を誇る那智勝浦町の勝浦港産。そして地元でも目利きとして知られるマグロ仲買人、ヤマサ脇口水産代表の脇口光太郎氏が自ら品定めをして買い付けたものである。そしてこれをヤマサ脇口水産が開発した世界初の特殊凍結技術の、ナノ冷凍技術で冷凍して出荷する。つまり冷凍マグロなので、ロスが出にくく、提供価格もリーズナブルに済むメリットがある。「実際に脇口さんとお会いしてみると、非常にクリエイティブな方で、先見性があると感じました。また実際にこのマグロを味見して、『これはいける』と確信しました」。

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大衆居酒屋的なリラックスした雰囲気に、清潔感も兼ね備える店内。

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広々とした店内は2階席もあり、計80世紀を用意。

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店内は漁港を連想させる仕掛けが満載。こちらの内装はヤマサ脇口水産で使用している木箱を忠実に再現したもの。

 そしてパッションアンドクリエイトが、このナノ冷凍技術による天然マグロを軸にした業態開発に着手。そして同社出身の大槻氏が独立して創業した、前述の㈱OCが店舗のオペレーションを担当することになった。またお店の軸を天然マグロと焼鳥の2本立てとしているのは、間口を広げるため。「マグロだけだと週に何度も来店するのは難しいかもしれません。ただウチでも「焼鳥の鉄人」などでノウハウがあり、業態寿命の長い焼鳥を取り入れるだけで、お客様の飽きも少なくなる。ですが焼鳥はフックに過ぎず、何でリスクヘッジをかけるか?という点を重視したもの。あくまで主役はマグロですね」。また価格と立地に長けたいい物件が見つかった点と、豊島氏が以前綾瀬に住んでいた土地勘もあり、「ここなら大丈夫」と出店が決まった。

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写真はヤマサ脇口水産代表の脇口光太郎氏。メニューブックにも同社の鮪へのこだわりがつぶさに記載されている。

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これが解凍前のナノ冷凍技術によるマグロ。この状態でヤマサ脇口水産から用意され、刺身で約2人前という1ポーションはロスが出にくく、使い勝手がいい点もメリットだという。

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そしてこちらが解凍後。流水で10分ほどで解凍でき、オペレーションも簡単。そして見ての通り驚きなのが、冷凍食材特有のドリップが一切出ないこと。つまり旨味成分も一切逃げない。これがナノ冷凍技術最大の魅力だ。

 そして同店で使用する脇口水産のナノ冷凍技術によるマグロは、1ポーションが小さいためロスが出にくい。また真空パックに入った状態で10分ほど流水解凍するのみで、オペレーションも非常に簡単なのが魅力だという。また味の違いを豊島氏に尋ねると、「解凍してもドリップが一切出ず、旨味成分が逃げることなく、天然マグロならではの美味しさを堪能できます。そしてマグロは全て、もちマグロといわれるもの。いわば鮭でいう鮭児のようなもので、メバチバグロだと100本に5本の割合といわれています。正直仲買人でも外見だけではわからず、身を切って見ても目利きが必要。ただこれを見極めて買い付けているのが、地元きっての目利きとして知られる脇口さんなんです」。

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「勝浦鮪三種食べ比べ盛り」(880円)。右下が「あかみ」(メバチバグロ赤身)、左下が「さくら」(ビンチョウマグロ)、上が「とろかま」(カジキトロ)。いずれも脇口氏が買い付けたもちマグロだ。

 このもちマグロは漁獲量が少なく、さらに一般的なマグロとは一味違った、もちもちとした食感と味の良さが地元那智勝浦では有名で、基本的に地元で消費されてしまう。それゆえ首都圏や地方にはほとんど出回らず、非常にレアな食材なのである。そしてヤマサ脇口水産のナノ冷凍技術によって、レアで美味な食材を品質を落とさず、安定してお客様に供給できる。これがまさに脇口屋の持つ大きなメリットである。

 そして実際に刺身を食してみると、身はもっちもちで、今まで食べてきたマグロとは一線を画す食感。しかも天然マグロらしい爽やかな香りがあってしつこさがない。これは地元で重宝されてきたのも納得だ。

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「まぐろユッケ」(480円)

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「まぐろビックカツ」(580円)

 またユッケにしてももちろん美味で、「まぐろビックカツ」も身がジューシー。この他にも脳天のかぶと煮や、大ぶりなステーキ、まぐろの生ハムといった珍味も用意する。しかもいずれも天然マグロを使用しているとは思えないほどリーズナブルな点が特徴だ。しかし豊島氏は、「実際は寿司屋や料亭に卸されるような天然の生マグロと、値段がほとんど変わらないんです。これには初めは驚きましたが、この味であれば納得。ただ冷凍マグロによるロスの減少のメリットを、お客様への提供価格に活かしています」。

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左から料理長の遠藤択哉氏、焼師の田中翔太氏、スタッフの小倉希澄さん。

 パッションアンドクリエイトでは2期前から業務委託を開始し、前述の通り脇口屋 綾瀬店も業務はOCが担当している。また豊島氏によれば、同社はオペレーションが比較的簡単でありながら、本格的な料理を提供する業態開発に力を入れてきたという。脇口屋もまさにその言葉通りのモデルとなるだろう。そしてヤマサ脇口水産の天然マグロというキラーコンテンツを武器に、今後は2号店の出店やFC展開も視野に入れているそうだ。

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