東京レストランツファクトリー株式会社（本社：東京都目黒区、代表取締役：渡邉 仁）が、2023年10月からFC展開を開始したスープスパゲッティ専門店「ホームズパスタ」が地方出店を加速させ、その独特の戦略が注目を集めている。

地方第一弾として長岡喜多町店（新潟・長岡）をオープンしたのを皮切りに、今年6月には名古屋栄ラシック店、7月には梅田阪急グランドビル店、8月には岡山駅前店と、地方都市への出店が続いている。

中でも特に注目したのが「名古屋栄ラシック店」である。ご存知の通り、名古屋は『鉄板ナポリタン』の聖地。そんなソウルフードが根付く名古屋の街で、スープスパゲッティは受け入れられているのか話を聞いた。

手応えは感じています。鉄板ナポリタンの聖地ですが、スープスパゲティは別ものだと思います。

まず、オープン時に設定した月商目標は1,200万円でした。これは33坪の店舗で坪単価40万円の売り上げを見込んでいたためです。しかし、オープン景気もあり、6月の平均日商は57万円、7月は52万円となり、7月の月商は1,630万円（税抜）と、目標を大きく上回ることができました。

スープパスタでありながらアルデンテで提供、なみなみと注がれたスープがお客様に大きなインパクトを与えていると思います。

中でも「絶望のスパゲッティ」は、他にはない唯一無二の味です。ニンニクを効かせた味付けはインパクトがありつつも、様々な食材の味が重なり、広がりと深みのある味わいになっています。この独特の味がリピーターにつながっているのではないでしょうか。名古屋の「鉄板スパゲッティ」や「あんかけスパゲッティ」とは異なる魅力となっています。

「スープパスタ」という大きな枠組みだけではくくれないほど、多様なメニューを提供しており、クリーム系は比較的あっさりした味わいに仕上がっています。東京から来た新しいパスタを試してみよう、という気持ちで来店してくださるお客様が多いようです。

また、見た目のインパクトもあるため、SNSで取り上げられやすいのも強みです。名古屋で影響力のあるインスタグラマーの方々が次々と来店してくださり、その投稿を見て、わざわざ並んで食べに来てくださるお客様も増えています。

ランチの客単価は平日・土日を問わず1,800円から2,000円、ディナーは3,000円です。ただし、中には6,000円前後お使いになるお客様もいらっしゃいます。

マルゲリータハーフサイズpizza＆絶望のスパゲッティハーフサイズ（2,680円）

平日ランチタイムのピークを過ぎた午後2時でも、入店を待つお客様が途切れない

現在、博多と仙台での出店を検討しています。

博多では物件を探している段階ですが、仙台は物件が決まり次第、出店する予定です。今後5年で50店舗前後まで拡大したいと考えています。

坪数は20〜30坪程度が適切で、席数は50席確保できるかどうかという規模です。名古屋店は33坪で56席あります。

最低でも売上は、坪単価で30万円は堅いと考えています。30坪の店舗であれば、月商900万円から1,000万円が見込めます。オープン景気が終わっても、この水準は維持できるでしょう。マーケットによっては、坪単価40〜50万円まで上がることもあります。

スタッフの人数は、キッチンはパスタなら1人でも回せますが、ピザなどの他のメニューもあるため2人。洗い場とドリンクで1人、合計3人いれば、非常に効率的に運営できます。

今後の出店は、現在出店している名古屋、大阪、岡山のほか、三宮、広島、博多、仙台、大宮、札幌といった主要都市を検討しています。

こうした地方都市では、地元に根差していてマーケット情報に精通しているフランチャイジー様との連携が重要です。最初にオープンした長岡のロードサイド店も、安定した売り上げを維持しています。長岡のフランチャイジー様は、新潟駅への出店も計画しており、現在物件の選定を進めている段階です。

「わざわざ並んで食べる」という特別感を演出し、「地元で食べられる喜び」を創出する出店戦略で50店舗を目指す「ホームズパスタ」、コックレスのオペレーション簡素化が一番の魅力かもしれない。

＜取材店舗＞

「ホームズパスタ名古屋栄ラシック店」

愛知県名古屋市中区栄3-6-1  三越ラシック SAKAE PREMIUM DINING

TEL：052-684-9422