【ライジング・ベンチャー】
記事への評価
取材・執筆 : 【推薦】椿 新之助 2024年6月12日取材
川﨑代表は、フレンチなどのホールで働いた後に、飲食店向けWEBコンサルを起業した。今年4月に、飲食業に戻って1号店を出店。夢は、飲食と物販を融合したエンターテイメント、道の駅の開業だ。
「ライジング・ベンチャー」は、これから飲食業界で活躍が期待される経営者の考え方や夢を紹介する。今回は川﨑代表を1号店の「バル酒場エバデリ」(東京・千歳烏山)でインタビューした。
「バル酒場エバデリ」は、今年4月6日オープン。自分でお酒を注いで作る体験型セルフ飲み放題酒場。1時間1000円(税別)。キリン一番搾り、ライチ香る芋焼酎「だいやめ」や、微発報で爽やかなドラフトワインも飲み放題の対象。料理は、フレンチシェフが監修したラム料理と、10種以上のアヒージョが名物。
--オープンして2ヶ月。どうですか?
4月は良かったんですけど、5月はゴールデンウィーク丸っと休んじゃったこともあり、ちょっと低迷しましたね。
この店はお客様に階段で3階まで上がってもらわないといけない。そのためにどうしようかと考えて、千歳烏山にはない自分で入れてもらう、セルフ飲み放題を採用しようかなと思って始めたお店です。
--なぜ、セルフ飲み放題を選んだんですか?
お客様からしたらいろんな種類のお酒があってかつ、普段はお酒を作ってる場所は店員さんじゃないと入れない。ドリンクバーって結構クローズなところが多くて、誰が作ってるかわからないことも多い。もしかしたら手づかみで氷を入れて適当にやってるかもしれない。
だけど、自分で作るとなるとまずそんな不安はない。更に自分で作る楽しさがあって、一つのエンターテイメントとして楽しんでほしい。
難しいのは原価的な部分と、お客様に飽きられないように商品をどんどん入れ替えていくことです。
飲み放題ってチェーンのイメージがあるじゃないですか。何か安っぽく思われてる。ビールが無いとか、20種類ぐらいしか飲めないとか、だから、こんなお酒も飲み放題で飲めるんだ!と喜んで欲しい。飲み放題って期待値が高くないけど、ウチの店は期待を超える。エレベータなしの3階で家賃が安いので、その分お客様に還元できます。
--原価率は?
セルフ飲み放題だけど40%以内に収まる。ビール次第だけど(笑)フードは30%くらい。オープニングなんで、アイテムをあんまり絞ってもしょうがない。お客様の満足度を高めるために、長くいてもらうために、まだまだ試行錯誤してます。
--本業はWEBコンサルですよね。
飲食店から独立してから5年、飲食業向けにWEB戦略のコンサルをやってます。従業員はいなくて、僕1人で主にズームでやってます。
今はインフルエンサーの活用を勧めていて、最初にフォロワー数の多い強いインフルエンサーを使うのが鉄則。1回使った後に小さいインフルエンサーを使うなど、反応によって変えていく。それに付随して、インスタグラムでお店のサービスを紹介する。クーポンとか、来店までの動線をしっかり作ってあげる。インフルエンサーさんが来ましたっていうリリースをPRTIMESなどに載せる。そこでもサービスなどのキャンペーンを仕掛ける。それで3ヶ月で1クール。
仮に夏にお客さんを増やしたいなら今すぐやらないといけなくて、一番数字を取りたい3か月前ぐらいから対策していく。1年やれば大体みんな手が離れて、安定してきて、安定すると僕が切られる(笑)。
あとは、インフルエンサーにマッチするような料理や空間を備えているかが大切。大手大衆居酒屋さんをインフルエンサーが紹介するのは正直難しい。オリジナリティのあるコンテンツと若い人が引っかかるようなエモい感じのモノをちゃんと用意しとかなきゃいけない。やはり若い層の方が、「いいね」したりと反応が早いし、最初の反応がないと最終的にも伸びない。
年配のオーナーさんに多いですが、自分の個性を出したがって失敗することが多い。売りたいモノとお客様が欲してるものが違う。今人気だからウニ・アワビを売りたい、だったらどこの海なのか、なんでそこの物を使うのか、地を通す人はそこが答えられない。産地も言えないようものを誰が食べたいんだみたいな。
ラムとアヒージョがウリ。
--ここはWEBコンサルの実験店ですか?
いや、半分趣味です(笑)実験店だったら、もっともっとお客様に寄せたと思う。今、すごく不景気な話が多いじゃないですか。社会的に面白くないニュースが多い中で、多くのサラリーマンが毎日、会社に行って、帰りに酒を飲みたいなっていう時に、軽くふらっと寄っても、使えるお金って限られてくるじゃないですか。そんなときに、時間は限られてるけど、1000円で飲める!という隠れ家的な空間があったら嬉しいかなと思って。
それに共感していいなと思ってくれる人が来てくれればと思ってます。
--夢は?
自分一人で飲食店を出すのは初めてだったので、1号店はセルフ飲み放題でオペレーション軽くして人件費抑えたりと、初期投資はなるべく抑えた。
WEBコンサルの前は、フレンチでホールをしてきました。一番最初が「ピエール・ガニェール」。フレンチだけではなく、居酒屋の店長をやっていたこともありました。フレンチ時代の仲間に、イタリアンをやりたいという料理人がいて、今のお店の損益分岐点が見えてきたら、次はちゃんとしっかりお金を借りて、イタリアンを開きたいと思っている。
あと、ぼんやりとした夢ですが、八王子とか多摩の自然の多い所にテーマパークや、商業施設までいかない、道の駅みたいなものを作りたい。ちょっと自然もあって、遊べてみたいな。
その夢の為に何店舗か作って、これだけの実績がありますよ。僕の道の駅に投資してもらえませんか、というように持っていきたい。
--ありがとうございました。
フレンチのホールからWEBコンサルで起業というユニークなキャリア。さらには、夢が道の駅とさらにユニークな発想。通常の飲食業では考えつかないものを生み出してくれそうだ。
左は推薦者、椿 新之助(フードリンクグループ)。
「バル酒場エバデリ」
東京都世田谷区南烏山6丁目4−6 リバービルII 3F
メディアハック
代表 川﨑 理明(かわさき みちあき)
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