フードリンクレポート
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取材・執筆 : 桐田正隆 2018年10月1日
アサヒビール株式会社がハイボールの新しいスタイルとして提案する「ブラックニッカ ジャーハイ」。ブラックニッカ3種類のウイスキーにオレンジピール、ドライマンゴーといったドライフルーツ、バジルや和山椒など香り豊かな素材を数時間から1日強仕込み、これを炭酸で割った甘くないハイボールだ。アサヒビール酒類技術研究所とニッカウヰスキーブレンダー室の知見を結集し、ブラックニッカブランドの「クリア」、「リッチブレンド」、「ディープブレンド」それぞれのウイスキーの香りや味わいにもっとも合う素材を選定。浸漬時間なども試行錯誤を重ねることで、ウイスキーの味わいと素材の香りを両立するレシピを完成させ、すっきりと飲み飽きしない食中酒に仕上げた。
2018年からアサヒビール株式会社が、新しいハイボールのスタイルとして提案している「ブラックニッカ ジャーハイ」。推奨レシピは6種類。
①オレンジピール クリアジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ クリア600ml オレンジピール20g 仕込み時間約6時間
②大葉 クリアジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ クリア600ml 大葉3g(約3~5枚)仕込み時間約3時間
③ドライブルーベリー リッチジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ リッチブレンド750ml ドライブルーベリー100g 仕込み時間約30時間
④ドライマンゴー リッチジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ リッチブレンド600ml ドライマンゴー120g 仕込み時間約24時間
⑤バジル ディープジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ ディープブレンド600ml フレッシュバジル10g 仕込み時間約3時間
⑥和山椒 ディープジャーハイ
つくり方)ブラックニッカ ディープブレンド600ml 和山椒の粒(乾燥)3g 仕込み時間約3時間
「ブラックニッカ ジャーハイ」をいち早く導入した、「ビア&スパイス スーパードライ 東京スカイツリータウン ソラマチ店」。
ジャーハイは現在、9つの飲食店で先行展開しているが(9月7日時点)、その中の一つである「ビア&スパイス スーパードライ 東京スカイツリータウン ソラマチ店」にジャーハイの魅力や導入のメリットをうかがった。
10本のドラフトタワーを常設し、五感を刺激するスパイスとハーブの特長を活かしたフードを用意する同店。押上(スカイツリー前)駅直結、東京ソラマチの30階にあり、目の前の東京スカイツリーを一望できるロケーションも人気だ。今回は店長の横山清剛氏とアサヒフードクリエイト株式会社営業統括部副部長の乾 博一氏が取材に応じてくれた。
各席に用意しているブラックニッカ ジャーハイのPOPメニュー。
改めて、「ブラックニッカ ジャーハイ」では下記の定義を設けている。
・砂糖は入れないレシピ(砂糖を使用した食材も原則不可)
・ブラックニッカブランドをウイスキーとして使用する
・ジャーで仕込み、専用ジャージョッキで飲む
・無糖炭酸で割るハイボールで飲む
ハイボールはさまざまな飲食店のドリンクメニューに定着したことで、近年はアレンジハイボールが増加傾向にある。ただし甘くて食事に合わないタイプが多く、食中酒としては好まれなかった。だが「ブラックニッカ ジャーハイ」は、素材のフレーバーとウイスキーの味わいを両立した、すっきりとした甘くない味。つまりスタンダードなハイボール同様、食中酒として杯数を重ねられて、フレーバーのアクセントまで楽しめる、ブラックニッカならではの新スタイルなのだ。
「ビア&スパイス スーパードライ 東京スカイツリータウン ソラマチ店」では9月から提供を開始したという横山氏。「当店のお客様の男女比は6:4。提供間もなく、女性のお客様から『とても香りがいい! 飲みやすくておいしい』との声をいただきまして、これは非常にニーズが合致していると感じています」。
徹底管理された樽生スーパードライと、スパイス&ハーブを活かした料理が自慢。
総席数120席。東京ソラマチの30階にあり、目の前のスカイツリーとともに東京を眼下に置きながら、お酒と料理を楽しむことができる。
同店ではオレンジピールをブラックニッカ クリアに仕込んだジャーハイを提供。サワーを用意しておらず、ハイボールはビールに続く人気のドリンクであった。「今ではハイボールはさまざまなお店で提供しています。そこでハイボールで差別化でき、アプローチの幅を広げられるブラックニッカ ジャーハイはとてもいいメリットになるのではと見込んでいました。女性のお客様だけでなく、すでに男性のお客様から『濃い目でお願い』といったリピートの声もいただいています。やはり食事の邪魔をしないようですし、男性からはすっきりした味わいとあわせてジョッキスタイルで飲めることも受け入れられているようです。女性の方にとってはウイスキーの味わいとオレンジピールの香りがあわさって果実酒のように味わえているよう。ハイボールをオーダーした方にはセールストークで、こういったものもありますとジャーハイを薦めていますが、オーダーされたお客様のお連れ様、他のテーブルでの関心も高く波及効果もあるようです。オリジナルのジャーで楽しむ新しいスタイルにも興味が湧くのかもしれません。ジャーハイを追加オーダーされるお客様が多いですね」(横山氏)
香り立つ柑橘、柔らかくモルトの甘い香りが漂う、「オレンジピール クリアジャーハイ」(700円) 「チーズフォンデュ」(1,500円) 「イタリア産 生ハムとサラミ」(870円) 「ひよこ豆ディップ」(680円)
加えてオペレーションが簡単な点も大きなメリットだという乾氏。「つくり方はブラックニッカを注いだジャーに、オレンジの皮をピーラーで剥いてお茶パック(茶こし袋)に入れて、これをジャーに入れるだけ。そのまま素材をウイスキーに入れてもいいのですが、お茶パックに入れた方が素材を引き上げるのが簡単です。提供もソーダで割るだけと、ハイボールと変わりません。当初、漬け込み時間が終わったらフレーバー素材を引き上げることを忘れそうだな、少し手間かなと思っていましたが、ドリンクラストオーダー後に引き上げるなど、単純に漬け込み時間から逆算して時間設定しておけば何の面倒もありません。
当店はラストオーダー22時なのですが、オレンジピールの仕込み時間は6時間のため、16時に仕込み、22時に素材を引き上げるようにしています。
予想以上に負担にならないオペレーションに感心しています」。
税務署への届け出が必要な「特例適用混和の開始・休止・終了申告書」。
また漬け込み酒の提供に必要となる特例適用混和の申告も、一枚の書面に簡単な提供方法を記入し、所轄の税務署に提出すると提供が可能であり、非常に簡単。現在、アサヒビールでは税務署への申請書も記入例とあわせて、キャンペーンパンフレットに内封して配布を行っており、ジャーハイを導入する流れもスムーズだ。
「ビア&スパイス スーパードライ 東京スカイツリータウンソラマチ店」店長 横山清剛氏
店長の横山氏はオペレーションが簡単なうえに、原価を抑えて高単価も期待できるという。「ブラックニッカ ジャーハイは原価も抑えられるのですが、当店では通常提供しているハイボールよりも80円高い価格で提供しています。もっと低い価格設定もできるのですが、それでも売れ行きがいい。ブラックニッカ ジャーハイは味のよさだけでなく、ドリンクの原価低減、客単価アップといろいろとメリットが多いですよね。まだ導入間もない
のですが、すでに今後の展望に期待しています」。
【店舗情報】
BEER&SPICE SUPER "DRY" 東京スカイツリータウン ソラマチ店
東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン 東京ソラマチ東街区30F
03-5637-9031 席数:120席
【PR:アサヒビール株式会社】
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