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2017年12月19日(火)15:07

米国食肉輸出連合会主催!ステーキはポンドで売る!ポンドステーキご提案セミナー開催。

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取材・執筆 : 桐田正隆 2017年12月19日

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米国食肉輸出連合会(USMEF以下略)主催のフードリンクセミナー「ステーキは、ポンドで売る! ポンドステーキご提案セミナー」が、11月29日(水)、東京・銀座にあるクルーズクルーズTHE GINZAにて開催された。

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 米国食肉輸出連合会(USMEF)とは、1976年に米国政府、米国食肉業界により設立された非営利団体で、アメリカン・ビーフとポークの海外市場(米国以外の国)での販売促進・広報・教育活動による需要拡大と、消費者、業界での認知の向上を目的としている。

 同セミナーは、USMEFが外食従事者を対象として、国内外の牛肉が高値で推移している状況下で、利益性を高める付加価値の高いメニュー開発に向けて、アメリカン・ビーフの活用術を提案するというもの。レストラン、肉バル、ビストロをはじめとする経営者、料理長、店長などの飲食店従事者、業界メディア従事者など、年末商戦の多忙のなか、約60名の参加者が集った。

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会場は銀座にあるレストラン、「クルーズクルーズ THE GINZA」のメインダイニング。

 2017年の飲食トレンドは肉ではじまり、肉で終わった1年。近年続いている肉ブームのなかでも、とくにポンドステーキはSNS、フォトジェニックといったキーワードとともに、厚切りならではの達成感と重厚感が味わえるとあって、次なるトレンドに目されている。この日、USMEFはポンドステーキをテーマに、他店との差別化、新メニューのヒント、販促ツール情報や、提供するうえでの注意点、メリット等を、試食を交えて学べるセミナーを行った。

 セミナーはまずUSMEF、フィリップ・セング会長の挨拶からスタート。「繁忙期の折にお集まりいただき、ありがとうございます。日本のマーケットの皆様のご尽力により、アメリカン・ビーフの知名度、輸入量もどんどん高まっています。年に1度のいい肉の日(11月29日)に、こうしてプレゼンできるのは大きな誇り。一緒に仕事ができることを心待ちにしています」

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主催のUSMEF、フィリップ・セング会長

 セミナーは4部で構成され、まずは主催のUSMEF山庄司 岳道氏(ジャパン・ディレクター)より、「アメリカン・ビーフのマーケット動向と今後の見通し」についての講演が行われた。まず日本では以前と違い、50~60代のシニア世代の肉の消費を増えていること。飼料であるとうもろこしの値段が安定し、牛肉の生産量も安定することから、日本への輸出量が年々高まっているといった、マーケットの動向と見通しが説明された。そしてチルドのアメリカン・ビーフは、加工から日本に届くまでの期間が3~4週間で、味の熟成期間にも適している。また、アメリカのとうもろこしは日本へ輸入され和牛の肥料として与えられているので、アメリカン・ビーフは日本人が親しみやすい味であることなど、アメリカン・ビーフを取り入れるメリットが紹介された。
 
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USMEF山庄司 岳道氏(ジャパン・ディレクター)

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アメリカン・ビーフを取り入れるメリットを、わかりやすく説明する山庄司氏。

 続いてUSMEF笠谷 樹氏から、「USMEFポンドステーキ戦略のご説明」が行われた。USMEFは11月からポンドステーキのプロモーションをスタート。アメリカの単位重量であるポンドをキーワードにして、新たなステーキの楽しみ方を量販店やレストランを中心に提案・訴求していく。

 そして笠谷氏は、日本におけるここ数年の肉ブームについて説明。2013年にアメリカン・ビーフの輸入条件が規制緩和したことを受け、より上質な牛肉の確保、安定化につながった。そして骨付き肉の輸入が許可され、Tボーンステーキを提供することが可能に。この結果、六本木ステーキ戦争といわれるステーキブームを皮切りに、今日の肉ブームに至るという。そして近年のコト消費の流れ、インスタ映えによる尖ったキラーアイテムの人気から、ボリューム感、プレミアム感のあるポンドステーキが、時代のニーズにマッチすると話す。

 また1ポンド=453.592gという重量は、重厚感と達成感がありながら、一人でも平らげやすく、厚みがあって調理しやすいなど、何かとメリットが多い。まさに肉のためにある単位では、と感じることも多いそうだ。そして最近では日本でもシェアして食べる文化が広まってきており、ステーキのポンド売りはさまざまなニーズに対応する魅力あるコンテンツであるという、ポンドステーキ導入の提案を行った。

 またUSMEFではポンドステーキのインスタグラムキャンペーンや、飲食店向けの協賛プログラム、メールマガジンでのフェアPRなど、さまざまなプロモーション、サポートを行っていくと話した。

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USMEF笠谷 樹氏(マーケティングマネージャー)

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わかりやすい説明に、メモを取りながら聞き入る参加者

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第3部の「アメリカン・ビーフをポンドで提供する事例店舗座談会」

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株式会社シェアハピネス 代表取締役 白根智彦氏

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株式会社ダイナック オールドステーション 上席料理長 鹿中 大氏

 第3部はフードリンクニュースの小山裕史が司会進行を務め、「アメリカン・ビーフをポンドで提供する事例店舗座談会」を行った。参加したのは肉バル「ぶーみんヴィノム」を展開する株式会社シェアハピネス 代表取締役 白根智彦氏と、株式会社ダイナック オールドステーション 上席料理長 鹿中 大氏。

小山 「まずはアメリカン・ビーフのポンドステーキを提供してみて、いかがですか?」

白根 「やはり見た目がおいしそうに見えるのがいいですね。可能性はあると感じています。」

鹿中 「私も同じくですね。やはり昨今のインスタ映えにハマっている部分も大きいのではと思います。」

小山 「昨今の肉ブーム、2018年の傾向はどのように感じていますか?」

白根 「先ほどUSMEFのマーケット動向でも説明がありましたが、やはり私の世代は子どもの頃より肉を食べることが身近になってきていると感じます。ステーキを
家で焼いたりすることも増えてきていますし、文化が根付いてきているように思います。」「お店でも肉を食べる目的で来店される、若いお客様が増えました。シニア世代でもしっかり量を食べる方が増えましたね。肉を食べても野菜を食べればいい、大丈夫なんて話す方も多いですね。」

鹿中 「私としては、少し前から肉バルといった業態が出せば当たる、という印象があります。またお肉料理よりは以前と比べて、明らかに薄切りから厚切りにシフトしている傾向があると思います。お客様としてもカップル、グループを問わずガッツリ食べられる方が多くなりましたよね。写真をバンバン撮っているシーンもよく目にしますね。」

小山 「ポンドステーキだけでお腹いっぱいになり、客単価が減る懸念はないですか?サイドメニューやお酒のオーダーはいかがでしょうか?」

白根 「ポンドステーキのメインオーダーをとれると、客単価としての懸念はないと思います。ポンドステーキはいろいろとストーリー性があるので、セールストークしやすいですし、お客様も気分がのってくる方が多いですね。」

鹿中 「オールドステーションではポンドステーキをスタッフがイチオシでオススメして、オーダーも多いです。また肉が焼けるまで約20分程かかる旨を話し、その間にサイドメニューを楽しんでもらうことを説明しています。セールストークもスムーズで、結果客単価が減るということはないですね。」

小山 「ポンドステーキの浸透度はいかがですか?」

白根 「量の多さには慣れていませんが、「意外と食べれるじゃん」、というお客様が多いですね。今後はもっと知名度も高まっていくと思います。」

鹿中 「たしかにはじめは食べれるかどうか、と悩むお客様が多かったです。ただ最近は女性客のオーダーが非常に多いんですよ。」

小山 「こういう提供方法がおもしろい、売りやすいなどはありますか?」

鹿中 「オールドステーションでは好みの焼き方を聞いて、対応していますね。」

白根 「私たちは毎回カットして提供するのですが、カット面を美しく見せるように気を遣っています。」

小山 「最後にポンドステーキ導入のメリットについてはいかがですか?」

鹿中 「爆発的な客単価のアップですね。先ほども申し上げましたが、ステーキを焼いている時間のサイドメニューの売上が見込めるんです。また写真を撮ることで、場も盛り上がってオーダーの増加につながる面があると思います。」

白根 「客単価のアップは間違いないですね。オーダー率の確実性が高いですから。肉を食べる国民性、肉をシェアして食べる文化が根付いてきていますし、人気の肉バルでの楽しみ方にもうってつけなんですよね。2018年は流行語大賞の可能性も大いにあると思いますよ。」

 セミナーの最後には、会場であるクルーズクルーズ THE GINZAで調理された、ステーキの試食会が行われた。席では盛り付けられた肉と、シートのイラストにより、どの部位であるかを丁寧に説明。USMEFの山庄司氏の解説も交えつつ、実際の味わい、食感の特徴が説明された。また「ステーキ映えする各部位の活用法」として、サーロインやチャックフラップテールなどを例にしながら、肉質や味の特徴、カッティングの注意点、ステーキ以外に適したメニューなどが説明された。

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試食会では肉の部位や特徴をわかりやすく説明。

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試食メニューはシートの部位名、イラストで表記。

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調理を担当した、クルーズクルーズ THE GINZA調理長の蓮田氏。

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部位ごとにアメリカン・ビーフを味わう

 セミナーを通してUSMEFによるプロモーションの充実ぶり、ポンドステーキ導入のメリットがわかりやすく説明され、昨今の肉ブーム、SNSやフォトジェニックといったキーワードに的確にマッチする点に納得といった様子。提供を行っている店舗での実体験に耳を傾ける姿、試食会の好評ぶりから、ポンドステーキに対する期待の高まりが感じられた。

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日本ではサーロインと呼ばれるストリップロインのステーキ。適度にサシが入り、柔らかさとおいしさを兼ね備え、ステーキに適している。

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日本ではザブトンと呼ばれるチャックフラップテール。ステーキ、ローストビーフに最適なうえ、カットが簡単で歩留まりに優れるというメリットも。

2017年11月29日(水)
主催:米国食肉輸出連合会(USMEF)
企画運営:株式会社フードリンクグループ(フードリンクニュース)
会場:クルーズクルーズ THE GINZA
時間:15:30~17:30

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