ランダムトーク
記事への評価
取材・執筆 : 安田正明 2016年6月13日執筆
シンガポールから友人の外食経営者の娘さんらが東京にやってきました。ビックサイトで開催された国際食品工業展FOOMAの視察などを目的とした30名のツアーです。外食で働きたいシンガポール人は少なく、外国人雇用にも制限があります。しかも人件費が高い。そこで、セントラルキッチンの活用となります。ちなみに、彼らは燗酒好きでした。温かいものは消化を助けるそうです。ランダムトークです。
生ビール、ハイボール180円。本来の居酒屋とは。
神楽坂の路地裏にある「竹子」に5年ぶりに行きました。廃業した4階建の大きな料亭を居抜きした大箱居酒屋です。月~木曜と日曜は生ビールとハイボールが180円という激安店。金と土曜は280円。以前からこのポリシーです。ハイボールが角からデュワーズ(スコッチ)に変わっていました。サッポロビールが勝ったようです。
この竹子グループは、繁華街ですが奥まった立地で大箱居酒屋を数十店展開する謎の会社です。居抜きをそのまま活用し、「松ちゃん」「めだか」「ぼたん」など不思議な店名で展開しています。20年ほど前、青山にウチの会社があった当時、表参道のボロボロの民家が竹子グループの「中西」という激安居酒屋に変わったのを今も覚えています。安さに驚きました。
「一人一品の料理をお願いしていますが、いいですか」と言われて2階に通されると、既にお通しがセットされていました。安そうなお通しですが、実は430円。生ビールが通常価格なら怒ってしまいます。180円の生ビールとハイボールを何杯も飲まないと元がとれません。
8割方埋まっただだっ広い客席を見渡すと、男女共に飲んでる、飲んでる。酒が入って大きくなった声が壁に跳ね返って共鳴しています。酒が効いてこないといられない程の賑やかな空間です。元気な日本人で溢れています。
他の酒や料理は通常というより、やや高く感じます。刺身と寿司を並べた名物「旬の下駄盛り」は1880円ですが、価値は感じませんでした。さすがに、お客様は賢く、料理はあまり頼まず、ひたすら酒を飲んで大声で元気に話しています。
「旬の下駄盛り」 1880円
安価な居酒屋では、「串かつ田中」についで、「ダンダダン酒場」「晩杯屋」も店舗数に勢いがついてきました。ファーストフードのちょい呑みも続いています。竹子グループはバブル崩壊後の「失われた20年」と共に成長してきました。今、街角景気は今年の4月、5月と2ヶ月連続で景況感が低下しています。居酒屋市場は縮小を続けていますが、本来の居酒屋の定義に立ち返った、庶民が気軽にストレスを発散できる店がこれから見直されるのではないでしょうか。
読者の感想
興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0
- 総合評価
-
- 0.0