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ランダムトーク

フードリンクレポート

2016年5月22日(日)20:50 ランダムトーク

昭和の酒燗器をクラウドファンディングで。

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取材・執筆 : 安田正明 2016年5月22日執筆

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 西武球場内の外食店舗は面白いですね。初めて行きました。各社のビールや酎ハイの売り娘は当然ですが、餃子や点心専門店、沖縄料理店やじゃがバター専門店など飽きません。驚いたのは、米国クラフトビール「ブルームーン」をメインに、ファーム・トゥ・テーブル的に古材を多用したデザインのピザ店です。タップを壁に並べてディスプレーとしたり、作業台のような立飲みカウンターが良い雰囲気でした。今の米国のボールパークにはこんな店舗があるのでしょうか。野球観戦も楽しいですね。ランダムトークです。

 昭和の酒燗器をクラウドファンディングで。
 
 昭和の酒燗器復活プロジェクトをクラウドファンディングで始めます。大きな鍋の中に管がぐるぐる回っている器具です。鍋でお湯を沸かして、管の上から日本酒を注ぐとお湯で温められて、管の下から燗酒になって出てくるという仕掛けです。瞬冷式ビールサーバーと同じ原理で、冷やすか温めるかの違いです。
 
 一升瓶から1合分をマグに移し変え、酒燗器に入れ、別のマグで温まった酒を受けます。熱燗の場合は2度、酒燗器を通します。マグのまま客席に持って行き、受け皿にのせたグラスにマグから泡立てるように注ぎます。
 
 この器具と出会ったのが、銀座一丁目の「銀座升本」。江戸時代創業の神楽坂の酒類卸「升本総本店」の流れを引きます。最初は酒屋でしたが、昭和28年(1953年)から居酒屋に転向したそうです。今年で63年。数年前にこの「銀座升本」で昭和の酒燗器に出会いました。

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「銀座升本」店主、三保谷 卓さん。

 レジ脇の台に隠すように1台設置され、気をつけないと見えません。昭和の時代にはこの器具が何台もカウンターに並び、マグを持つ手首が腱鞘炎になるほど売れたそうです。生ビールのように売れたそうです。最近、ビールはあまり出なくなりましたが。現在は、大関で350円。550円の生ビールより断然安いんです。
 
 壊れても修理してくれる方がいなくてだましだまし使っていると聞きましたが、昨年5月オープンの炉端「燗アガリ」(新宿)で同様の酒燗器を発見しました。新潟の燕市で今も作っている会社があるそうです。その会社に聞くと、昭和の酒燗器を作る人がいなくなり、合羽橋の卸から相談を受け、作ってみたと言います。
 
 今、売れている日本酒は純米や吟醸などハイエンドのものばかり。日本酒が普通に飲まれるためには、本醸造などビールと同等の価格で販売できるカジュアルなものが必要です。しかし、カジュアルな本醸造酒は一般の方々にはパック酒を連想させます。そこで、この燕の酒燗器をリデザインして、エンターテイメント性を持たせて提供すれば一般の方々に振り向いていただけるのでは、と思い立ちました。
 
 燗酒は世界でも稀な飲み方です。以前、ロサンゼルスに行った際、ブロンドの女性が2人で燗酒を飲んでいました。今の東京でも欧米人観光客の間で燗酒を飲んでいるシーンを時々見ます。燗酒なら日本酒ならではの世界観を外国人にアピールすることが出来ます。
 
 燕の酒燗器を使いやすく、カッコ良くしたい。このアイデアを持って、昨年秋から大手清酒メーカーや団体を回りましたが、興味を持っていただけなかったのか、たらい回し状態でした。そこで最後の手段、クラウドファンディングを使って開発費を集めてみようと思い立ちました。一般の方々にこのアイデアがどれだけ支持いただけるのかも分かります。「MAKUAKE」の審査を通過しましたので、6月中旬からファンド募集がスタート予定です。ワクワクしています。

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