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フードリンクレポート

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2015年10月16日(金)16:35

大手町ビジネスマンは、パン屋でちょい飲み!?フランス発ベーカリーカフェ「ブリオッシュドーレ」。

進撃のパン!急増するパン屋の進化系スタイルと未来を探る。

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取材・執筆 : 須田萌子 2015年10月16日

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 ここ数年、世の中のパン熱が上がっている。街に一軒しかなかったパン屋が、二軒、三軒と徐々に増え、テイクアウト専門だけではなく店内に飲食スペースを併設する「ベーカリーカフェ」「ベーカリーレストラン」も増え、天然酵母や国産小麦、無添加、オーガニックを謳う「こだわり派ベーカリー」も見かけることが多くなった。パン好き同士が集まって人気のパン屋を行脚する「パン屋めぐり」が流行り、日本各地のパン屋を求めてわざわざ旅に出るパンマニアも続出。数十軒のパン屋が一堂に会す「パンまつり」なるイベントも開催されている。今回は、フード業界の中で快進撃を続ける「パン屋」にスポットを当て、さまざまなタイプのパン屋を訪問。進化するパン屋のスタイルや今後の可能性についてレポートする。

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2015年3月、大手町にオープンした「ブリオッシュドーレ」。

 「ブリオッシュドーレ」は、フランス国内に約300店舗構えるフランスの国民的ベーカリー。世界各国にフランチャイズ展開しており、日本では大手カフェチェーン、プロントコーポレーションと提携し2014年4月に上陸を果たした。

 店舗は、超高層ビルが建ち並ぶ東京屈指のオフィス街、大手町・丸の内エリアの「大手町野村ビル」の地下1階にある。「大手町野村ビル」は都市開発が進む東京駅周辺のなかでも竣工から約20年の老舗オフィスビルであり、界隈で働く人々にとっては昔から認知度が高く、JR東京駅、地下鉄大手町駅直結かつ、隣のビルへの通り道にもなっているため、ビジネスマンたちの通勤動線上にある。「ブリオッシュドーレ」の営業時間は朝7時から夜8時まで、平日のみ。ターゲットは大手町勤務のビジネスマンやOLだ。

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一面ガラス張りの開放的な店構えは、パリの街角にあるオシャレなカフェさながらの雰囲気。店舗のコンセプトは「オフィスのなかのシャンゼリゼ」だそうだ。

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入り口にあるショーケースには、バラエティ豊かにパンが並ぶ。入店と同時にパンやドリンクを注文し、先に料金を支払うカフェテリア方式で、スイカやパスモなどICカードでの支払いにも対応している。

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ショーケースにはサンドウィッチを中心に、看板商品のブリオッシュなどの菓子パンやタルト、サラダなどもラインナップ。
 
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チョークアート風のドリンクメニュー。カフェラテやミルクティーのほかペリエやジュースなどのソフトドリンクも充実。

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パンのショーケースの隣にはドリンク専用冷蔵庫も設置。瓶ビールや飲みきりサイズのワイン、スパークリングワインも置いてあるほか、生ビールやグラスワイン(赤・白)も注文可能だ。

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フレンチレストラン顔負けの大きなワインセラーも完備。ベーカリーカフェながらお酒を飲める店としてのアピールにもなっている。

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クロワッサン生地を使ったクロワッサンピッツァ「メディテラネ」380円。サクサクのクロワッサン生地に、アンチョビとトマトソース、オリーブ入り。塩気の効いた濃いめの味にお酒がすすむ。お客様の希望に応じて温め直して提供してくれる。

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クロワッサンサンド「トマト&モッツァレラ」480円。フランス産発酵バターを使ったリッチな味わいのクロワッサンにトマト、モッツァレラチーズ、バジルソースを挟んだ、イタリア料理の定番の前菜「カプレーゼ」風サンドウィッチ。ワインと楽しむのが良さそうだ。

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生ビールは一杯500円で、サンドウィッチやピザと組み合わせても1000円以内に収まるので、仕事帰りのちょい飲みにぴったり。

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店内は明るく広々としており、ゆったりくつろげるソファ席やカウンター席、テーブル席などさまざまなタイプの席を全80席程度揃えている。インテリアはフレンチクラシックをベースに黒を効かせたモダンな雰囲気。都会的で洒落た空間なので気分良く過ごせる。FREE WiFiも使用でき、食事やお茶だけではなくPCを持ち込んでの仕事や打ち合わせなどのビジネスシーンにも使い勝手がよさそうだ。

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一人客が利用しやすいカウンター&ハイチェア席。

 女性のお一人様でも仕事帰りの一杯が気兼ねなくできそう。テーブルには、パンやコーヒー関連の書籍・雑誌が設置してあり自由に閲覧可能なので、待ち合わせ前の時間潰しにも利用できる。

 「ブリオッシュドーレ」を経営するプロントコーポレーションは、1日のうちに「モーニング」「ランチ」「コーヒータイム」「ハッピーアワー」「バータイム」の5回の来店チャンスを活かす「ファイブチャンス」というビジネスモデルを実践。お客様がいつ来ても居心地のいい店を目指し、時間帯別のニーズに合わせたメニューやサービスを提供し来客数アップを狙っている。同社が発表した2014年度のグループ全店売上高は前年比9%増と好調で、2015年度は、既存店の売上アップを目標に、ちょい飲み需要の拡大を受けてバータイムメニューの充実や「ブリオッシュドーレ」などの新業態を広げさらにブランド力を高めていくという。

 東京駅周辺には、ここ数年のうちに次々と新しいオフィスビルが建ち、そのほとんどが商業施設も兼ねているため、さまざまなジャンルの飲食店が増えている。お客様の利用シーンに合わせて、モーニング、ランチ、ディナー営業だけではなく、ニーズが高まるちょい飲みに応えるため、ハッピーアワーの実施やドリンク&フードで1,000円以内の晩酌セットを揃える店も少なくない。東京駅周辺のオフィスビルはほとんどが駅直結、ビル同士が地下でつながっているため、職場から東京駅までの通勤経路は、ビジネスマンの「仕事帰りの一杯熱」が最大限に高まる「ちょい飲み」激戦区となっている。

 大手町エリアにプロント系列の店舗は多く、「ブリオッシュドーレ」と同じ「大手町野村ビル」内に「カフェ&バー プロント」、隣接する商業ビル「オーテモリ」「オアゾ」にそれぞれ「プロント イルバール」があり、平日の18時となれば同僚とちょい飲みを楽しむビジネスマンたちでにぎわっている。「ブリオッシュドーレ」は、プロント独自の「ファイブチャンス」のノウハウを活かしながら、「朝食」「手軽なランチ」「コーヒーと一緒に」という「パン」のイメージを一新。大手町のビジネスマンたちに「パン屋でちょい飲み」というスタイルを提案し「ちょい飲み」市場に新風を送っている。

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