スマートフォン版のフードリンクニュースを見る

RSSフィード

ランダムトーク

フードリンクレポート

2015年5月25日(月)00:47 ランダムトーク

和食店が日本に逆上陸する日。

記事への評価

  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
0.0

取材・執筆 : 安田正明 2015年5月24日執筆

キーワード :   

 バルセロナのスペインEXPOを見て来ました。日本館は入場1時間10分待ちの人気。箸を使ったアトラクションがありますが、両手に1本ずつ持って悪戦苦闘している方々が沢山いました。日本料理に幅広い方々が興味を持っていることを実感できました。館内の京懐石「美濃吉」が美味く、おもてなしに溢れ、日本の良さを私自身も再認識しました。ランダムトークです。

expo.gif

 和食店が日本に逆上陸する日。

 どの国でも一流レストランを持つ事は金持ちの間でのステイタスになっています。自己顕示欲を満たすような別荘や自家用ジェット機とは異なり、投資としての価値があり、リターンも期待できます。ワイナリーもそうです。

 バルセロナの寿司「夕張」は地元の建設会社の社長がオーナーです。日本好きが高じて寿司店の経営を始めたそうです。夕張は彼の大好きな夕張メロンに由来し、店内にはメロン柄のデザインも所々に見られます。正面の大きなプロジェクターには白イルカが泳ぎ、壁にはクロコダイルの凹凸ある模様。ただ者ではないオーラを発しています。地下のVIPルームには、仕入140万円だという超レアなクリスタルシャンパンと、ルイ13世コニャックが飾られていました。

 カウンターで握る寿司職人は4人。コックコートの似合う恰幅のいい親方はスペイン人。日本の和食店で働いていたそうです。その下に若い日本人2人と、顎ヒゲの似合うイケメンスペイン人。日本人はこの前にドバイの和食店の立ち上げに携わったと言います。ちなみに、ドバイでは1日1000万円売る和食店もあるそうです。たった1日でです。バルセロナのビーチ沿いの和食店でもピーク時には1日500万円売るそうです。「SHOKO」という店名で、映画『ウルブリン』のような不思議な日本感を醸す、クラブのような和食店です。

 ミラノにも「SUSHI B」というスタイリッシュな寿司店がありました。イクラを金粉でくるんだり、フォアグラを乗せたりした創作寿司がお客様の感動を呼びます。お客様を非日常に誘い、財布の紐を緩めます。エアラインの機内誌に、イスタンブールの宮殿を改装したペラパレスホテルでは、レバノン、イタリアンに加え和食店がウリと書かれていました。

 高単価でも売れる所が、フードビジネスとしての和食の魅力です。それに高価な酒類を合わせる。高級シャンパンやワインを飲ませて客単価を5万円に引き上げられれば、お客様200名で売上1000万円という訳です。

 外国人が経営する和食店は外国人で賑わい、日本人が経営する和食店は日本人で賑わうという傾向があります。非日本人と日本人の求める和食にギャップがあるからです。今の世界では金持ちの数は圧倒的に外国人の方が多いので、外国人を対象にした方が売上が上がります。和食ブームは残念な事に外国人経営者に持っていかれていると言う事です。

 外国人観光客が日本で増え続ける中、そのニーズを満たす外国人経営の高級和食店が日本に上陸する日は近そうです。

読者の感想

興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

この記事をどう思いますか?(★をクリックして送信ボタンを押してください)

興味深い
役に立つ
送信する
誰かに教えたい
  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

( 興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

Page Top